PMOの種類とは?3つのタイプを役割と業務内容から徹底解説
作成日:2025/09/16
プロジェクトの成功には、PMOの存在が不可欠です。しかし、PMOと一口に言ってもその種類は多岐にわたり、それぞれ異なる役割と業務内容を持っています。
本記事では、PMOの主要な3つの種類と、役割や業務内容について詳しく解説します。
目次
■【権限別】代表的なPMOの種類
(1)支援型PMO:PMの事務作業をサポート
(2)管理型PMO:ルール策定と標準化を推進
(3)指揮型PMO:プロジェクトを直接管理
■【立ち位置別】代表的なPMOの種類
(1)ユーザーサイドPMO:事業側の視点で業務要件を整理
(2)ベンダーサイドPMO:技術的な知見でシステム開発を管理
そもそもPMOとは?

PMOとは、「Project Management Office(プロジェクトマネジメントオフィス)」の略称です。組織内における、個々のプロジェクトマネジメントを横断的に支援する部門や構造システムを指します。
PMOの主な役割は、PM(プロジェクトマネージャー)が円滑に業務を遂行できるよう、さまざまな側面からサポートすることです。
例えば、プロジェクトに関連する社内プロセスの円滑化、プロジェクト環境・ルールの策定、標準化、PMOを管理するマネジメント業務などが挙げられます。
プロジェクトマネジメントの環境やプロセス、教育などに課題がある場合、PMOを導入することは有効な解決策となり得ます。
【権限別】代表的なPMOの種類

PMOは、役割と権限の範囲によって以下の3種類に分類されます。
- ・支援型PMO
- ・管理型PMO
- ・指揮型PMO
支援型PMO:PMの事務作業をサポート
支援型PMOは、PMOの中でもプロジェクトに対する権限が最も小さい種類です。PMの依頼に応じて、事務的・庶務的な作業や助言、具体的な支援を行います。
具体的な業務内容は、資料テンプレートの提供、マニュアルの作成、業務プロセスの改善、プロジェクトメンバーへのトレーニングなどです。
PMの主体性を尊重し、後方からサポートする形態である点が、支援型PMOの特徴です。PMの経験値やスキルに応じてサポート内容を変えるため、プロジェクトのばらつきを減らすことに貢献します。
管理型PMO:ルール策定と標準化を推進
管理型PMOは、支援型PMOよりもプロジェクトへの介入度が深く、支援型と指揮型の中間に位置する種類です。
主な役割は、プロジェクトの枠組みや方法論の提示、スケジュール管理、使用ツールの選定や指定などを通じて、プロジェクト管理のルール策定と標準化を推進することです。
プロジェクトの進行を監視し、必要に応じて業務課題を解消・改善に尽力するほか、プロジェクトが法規制や組織で定めるPMプロセスに沿っているかの確認も行います。
大規模なプロジェクトなど、管理に必要な工数が多い場合に特に有効な形態です。
指揮型PMO:プロジェクトを直接管理
指揮型PMOは、PMOの種類の中で最も権限が強く、プロジェクトに直接的に関与し意思決定を担います。PMの経験やスキルが浅い場合や、PM一人の判断でプロジェクトを運用するのが難しい場合に採用されることが多いです。
具体的には、データや情報の分析をしたり、会議での適切なファシリテーションを通じてPMの意思決定を助けたりします。プロジェクトに問題が発生した際には直接介入し、PMやメンバーに対して指揮を行うこともあります。
指揮型PMOには、豊富なPM経験と高度な専門スキルが求められる点が特徴です。
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『PMOの役割とは?仕事内容・職種と向いている人、業務に必要な資格・スキルを解説』
【立ち位置別】代表的なPMOの種類

PMOは、組織における立ち位置によっても種類がわけられます。それぞれの立ち位置のPMOがどのような役割を担うのかを理解し、プロジェクトの成功に役立てていきましょう。
ユーザーサイドPMO:事業側の視点で業務要件を整理
ユーザーサイドPMOは、システム開発プロジェクトにおいて、 事業側のプロジェクトマネジメントを支援するPMOです。主な役割は、事業側の視点から業務要件を整理し、ユーザー部門のタスクや課題を管理することです。
具体的な業務内容としては、業務担当者が抱える課題の収集・分析、開発するシステムの基本構想策定、システム化企画の実施などが挙げられます。
さらに、ベンダーサイドPMOやシステム開発担当者に対して、システムの要件を正確に説明することも重要な役割です。
ベンダーサイドPMO:技術的な知見でシステム開発を管理
ベンダーサイドPMOは、システム開発プロジェクトにおいて、システムベンダー側のタスクや課題管理を主な役割とするPMOです。
技術的な知見を活かしてシステム開発を管理し、特に実装やテスト工程においてプロジェクトの主軸となります。
具体的な業務内容には、進捗管理、品質管理、リスク管理、変更管理などが含まれ、プロジェクトのQCD(品質・コスト・納期)達成に貢献します。
システム開発は複数のベンダーで進めるケースが多いため、ベンダーサイドPMOは、ベンダー全体を取りまとめる横断的な役割を担うこともあります。
まとめ

PMOには、「支援型」「管理型」「指揮型」の3つの種類があり、異なる役割と業務内容を持っています。
また、組織内での立ち位置によっても「ユーザーサイドPMO」と「ベンダーサイドPMO」に分けられます。
PMOを導入する際は、プロジェクトの規模や性質、PMの経験やスキル、そして組織全体の状況を考慮し、自社に最適なPMOの型を選択することがプロジェクト成功の鍵となるでしょう。
それぞれのPMOの役割を理解し、適切にPMOを配置することで、プロジェクトマネジメントを効率化し、プロジェクトの成功確率を高めることができます。
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