フリーランスと起業、個人事業主の違いは?開業するならどっち?
作成日:2025/12/06
「フリーランスと起業の違いは?」「どっちがいいの?」と悩んでいませんか?
会社での経験を積み、自分のスキルで独立してみたいと考えたときに、フリーランスや起業といった言葉が頭に浮かぶ方もいるでしょう。
そこで、この記事では、フリーランスと起業の根本的な違いから、個人事業主という形態、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
失敗しないための具体的なステップや注意点も紹介しているので、この記事を参考に、自分に最適な働き方を見つけましょう。
目次
■フリーランスと起業・個人事業主の違いとは
(1)フリーランスとは
(2)起業とは
(3)個人事業主とは
■フリーランスのメリット
(1)自由度が高い
(2)仕事にやりがいがある
(3)収入の上限がない
■フリーランスのデメリット
(1)収入が不安定
(2)社会保険の負担が大きい
(3)自己管理能力が必須
■起業(個人事業主・法人経営者)のメリット
(1)比較的自由に働ける
(2)会社員時代の収入を上回る可能性がある
(3)仕事の裁量が大きい
■起業(個人事業主・法人経営者)のデメリット
(1)事業に対し全責任を負う
(2)無収入や赤字の可能性がある
(3)継続的な努力やタフな精神力が必要
■フリーランスや起業の5つの方法
(1)個人事業主として開業届を出す
(2)法人を設立する
(3)副業・週末起業する
(4)フランチャイズ契約をして起業する
(5)M&Aを利用して起業する
■フリーランスや起業で成功するポイント
(1)目的を明確にする
(2)市場のニーズを把握する
(3)必要な手続きを確認する
(4)必要に応じて事業計画書や資金を用意する
■フリーランスと起業の違いに関連するよくある質問
(1)フリーランスと起業はどっちがおすすめ?
(2)フリーランスと起業家の違いは何?
(3)フリーランスや起業に向いている人の特徴は?
(4)フリーランスや起業に不向きな人の特徴は?
(5)起業と創業・独立・開業の違いとは?
フリーランスと起業・個人事業主の違いとは

フリーランスと起業、そして個人事業主は、独立を考える際によく使われる言葉で、それぞれ指し示す概念が異なります。
簡単に解説すると次の通りです。
- ・フリーランス:「働き方」の呼び名であり、法的な区分はなく、特別な手続きも不要
- ・起業:法的区分ではなく、個人・法人を問わず事業を始める「行為」そのものの呼び名
- ・個人事業主:「税務上の事業者区分」であり、法律上の事業者として扱われる
それぞれの違いや関係性を把握し、自分に合った独立の形を見つける第一歩を踏み出しましょう。
ここからは、フリーランスと起業・個人事業主の違いを詳しく解説します。
(1)フリーランスとは
フリーランスとは、特定の企業や団体と雇用契約を結ばず、個人のスキルや知識を提供して報酬を得る「働き方」を指す言葉です。案件ごとに業務委託契約などを結び、クライアントと対等な立場で仕事を進めます。
「フリーランス=起業していない人」と捉えている方もいるかもしれませんが、それは間違いです。開業届を出し、個人事業主として起業しているフリーランスも多くいます。
ただし、そもそもフリーランスを名乗るのに法的な届け出は必要ありません。企業と直接契約して仕事を請け負えば、その時点からフリーランスと名乗れます。
デザイナーやエンジニア、ライターなど、近年は多様な職種の方がフリーランスとして活動しています。
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(2)起業とは
起業とは、新しいビジネスを立ち上げる「行動」のことです。フリーランスは働き方を指すのに対し、起業はビジネスを立ち上げる行為そのものを指す点が異なります。
起業の方法は、税務署に開業届を出し個人事業主として始めるケースと、株式会社や合同会社などの法人を設立するケースに大別されます。
また、ゼロからサービスを生み出すだけでなく、フランチャイズに加盟して既存モデルを活用する形も起業に含まれます。
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(3)個人事業主とは
個人事業主とは、法人を設立せず、個人として事業を継続的に行う人を指す税法上の区分です。法人よりも手続きが簡単なため、多くのフリーランスが最初に選ぶ形態でもあります。
フリーランスが働き方の呼び名、起業はビジネスを始める行為そのものであるのに対し、個人事業主は事業者としての法的な立場を指します。
例えば、フリーランスとして活動を始め、事業として継続的に収入を得る段階になったら、税務署へ開業届を提出するのが基本です。開業届を出すことで、税務上も個人事業主としての立場が明確になります。
個人事業主は、原則として毎年確定申告が必要です。このとき青色申告を選び、複式簿記による記帳やe-Taxなど一定の要件を満たせば、最大65万円の青色申告特別控除などの節税メリットも得られます。
フリーランスのメリット

フリーランスという働き方には会社員とは異なるメリットがあります。ここでは、フリーランスとして働いて得られる代表的なメリットを項目ごとに解説します。
(1)自由度が高い
フリーランスとして働く最大の魅力は自由度の高さです。
会社員のように勤務時間や勤務場所が定められていないため、自分のライフスタイルに合わせて働く時間を調整できます。自宅やカフェ、コワーキングスペースなど好きな場所で仕事をすることも可能です。
また、どのような仕事を受けるか、どのクライアントと取引するかも自分で選択できます。
自身のスキルや興味関心に合わせてキャリアを主体的に形成できるため、苦手な業務を避け、得意分野に特化して専門性を高めていく選択肢もあるでしょう。
このように、仕事に関するあらゆる事柄を自分の意思でコントロールできる点が、フリーランスの大きな魅力となっています。
(2)仕事にやりがいがある
フリーランスの方は、仕事は強いやりがいを感じやすい傾向にあります。
理由は、自分のスキルや知識を直接活かせて、成果がクライアントの評価や報酬にダイレクトに反映されるためです。
会社組織では分業化が進んでいるため、自分の仕事が最終的にどのような価値を生んでいるのか実感しにくいことがあります。しかし、フリーランスはクライアントと直接やり取りし、プロジェクトの全体像を把握しながら進めることが多いです。
そのため、自身の貢献が事業の成功に直結しているという手応えを得やすく、感謝の言葉を直接受け取る機会も増えます。責任は大きくなりますが、その分、仕事を成し遂げた際の達成感や満足感は格別でしょう。
(3)収入の上限がない
会社員の場合、給与テーブルや評価制度によって収入の上限がある程度決まっていますが、フリーランスには上限がありません。自身のスキル、経験、営業力次第で収入を大きく伸ばせる可能性があります。
専門性を高めて単価の高い案件を獲得したり、効率化を図って複数の案件を同時にこなしたりすると、会社員時代の収入を大幅に超えることも可能です。
成果が報酬に直接反映されるため、自身の努力が目に見える形で報われて、仕事への高いモチベーションにもつながるでしょう。
フリーランスのデメリット

フリーランスは自由度の高い働き方である一方、会社員とは異なるデメリットも存在します。
独立後に「こんなはずじゃなかった」と感じないようにするためにも、ここで、フリーランスのデメリットを確認しましょう。
(1)収入が不安定
フリーランスのデメリットとして最も大きいのが収入の不安定さです。
当然ですが、フリーランスは会社員のように毎月固定の給与が支払われるわけではありません。案件の受注状況によって月々の収入は大きく変動します。
順調に仕事が獲得できている月もあれば、クライアントの都合や景気の変動で仕事が途絶え、収入がゼロになる月もあり得るのです。
また、病気やケガで働けなくなってしまった場合に、フリーランスは収入が途絶えるリスクがあります。
収入の上限がないメリットの裏返しとして、常にこの不安定さと向き合い、計画的に資金を管理していく必要があります。
(2)社会保険の負担が大きい
社会保険料の負担が増加することも、フリーランスが直面する大きな課題です。
会社員であれば、健康保険や厚生年金の保険料は会社が半額を負担してくれます。しかし、フリーランスになると国民健康保険と国民年金に加入することになり、その保険料は全額自己負担となります。
特に国民健康保険料は前年の所得に応じて算出されるため、収入が増えるにつれ負担も大きくなります。また、厚生年金に比べて国民年金は、将来受け取れる年金額が少なくなる傾向にあります。
そのため、iDeCo(個人型確定拠出年金)や国民年金基金などを活用し、自身で老後資金を準備していくといった対策が求められます。
(3)自己管理能力が必須
フリーランスは、会社員のように上司から業務の指示や進捗管理をされることがないため、高度な自己管理能力が不可欠です。
仕事のスケジュール管理、タスクの優先順位付け、納期管理などをすべて自分自身で行わなければなりません。
また、働く時間や場所が自由である反面、仕事とプライベートの境界線が曖昧になりやすく、過剰労働に陥ってしまう危険性もあります。体調を崩せば収入に直結するため、健康管理も重要な仕事の一部です。
さらに、日々の経理作業や年に一度の確定申告といった事務作業も自分で行う必要があり、本業のスキル以外にも幅広い管理能力が求められます。
起業(個人事業主・法人経営者)のメリット

起業して個人事業主や法人経営者として事業を行う場合、フリーランスと同じようなメリットもあれば、異なるメリットもあります。
ここでは、起業という形を選ぶことで得られる主なメリットを具体的に解説します。
(1)比較的自由に働ける
起業して事業主になると、フリーランスと同様に、働く時間や場所・事業内容といったあらゆる事柄を自分の意思で決定できます。
組織の規則や上司の指示に縛られることなく、自身のビジョンに基づいてビジネスの方向性を定められるため、スピーディーな意思決定を下せるでしょう。
この自由な働き方が、自らの手で理想のビジネスを創り上げていくという起業ならではの大きなやりがいにつながります。
(2)会社員時代の収入を上回る可能性がある
起業の大きなメリットの一つは、事業の成功によって会社員時代の収入を大幅に超える可能性があることです。
会社員は給与体系があるため収入の伸びに限界がありますが、事業主は生み出した利益が直接自身の報酬につながります。
また、個人事業主や法人経営者になると、事業運営に必要な支出を経費として計上できます。
例えば、事務所の家賃や通信費、打ち合わせの飲食代など、経費として認められる範囲が広がるため、課税対象となる所得を抑えることが可能です。
これにより税負担を軽減する効果も期待でき、手元に残る資金を増やせる可能性があります。
(3)仕事の裁量が大きい
事業主として起業すると、仕事に関する裁量が非常に大きくなります。
事業の理念から具体的なサービス内容、価格設定、販売戦略、人材採用に至るまで、ビジネスに関わる全ての意思決定を自分自身で行うことができます。
これは、会社組織の一員として働く場合には得られない、経営者ならではの権限です。市場の変化や顧客の反応を直接感じながら、迅速に事業方針を修正したり、新しい挑戦を始めたりすることも可能です。
もちろん全ての決定には責任が伴いますが、自分の判断で事業を動かし成長させていく過程は、何物にも代えがたい経験とやりがいをもたらしてくれるでしょう。
起業(個人事業主・法人経営者)のデメリット

起業には大きな裁量や成長の可能性がある一方で、事業主として引き受けなければならない責任やリスクも増えます。
ここで、起業を選ぶ前にあらかじめ理解しておきたい代表的なデメリットを見ていきましょう。
(1)事業に対し全責任を負う
起業するということの最も重い側面は、事業に関するすべての責任を自分一人で負うという点です。
会社員であれば、仕事でミスをしても最終的な責任は会社が負ってくれますが、事業主はそうはいきません。
事業活動の中で発生したトラブル、取引先との問題、従業員に関すること、そして事業の失敗による負債など、あらゆる結果に対して最終的な責任者となります。
フリーランスと比較し、起業して従業員を雇用したり多額の融資を受けたりする場合は、責任はさらに重くなります。
メリットである大きな裁量と自由は、全責任を負う覚悟と表裏一体の関係にあるといえるでしょう。
(2)無収入や赤字の可能性がある
起業した場合、会社員のように毎月決まった日に給料が振り込まれるという保証は一切ありません。
事業を立ち上げた直後は、顧客獲得やサービス改善に時間と費用がかかり、売上が立たない期間が続くことも珍しくありません。
仕入れ費用や、事務所を借りた場合の家賃・光熱費などの経費は、売上がなくても発生し続けます。そのため、事業が軌道に乗るまでは、自己資金を取り崩しながら運営することになるでしょう。
最悪の場合、売上が経費を下回り赤字が続く可能性や、収入が全くない状態に陥るリスクも常に存在します。
(3)継続的な努力やタフな精神力が必要
事業を成功させ、継続させていくためには、一過性ではない長期的な努力が求められます。市場は常に変化し、競合も次々と現れるため、現状維持ではすぐに取り残されてしまうためです。
常に新しい情報を収集し、スキルを磨き、事業を改善し続ける姿勢が、起業家には欠かせません。
また、事業運営は順調な時ばかりではありません。売上の低迷や予期せぬトラブル・顧客からのクレームなど、精神的に追い込まれる場面も数多く訪れます。
そうした困難な状況でも孤独やプレッシャーに耐え、冷静に問題を解決し、事業を前進させ続ける強靭な精神力が、起業家には必須の資質といえます。
フリーランスや起業の5つの方法

独立開業への道は一つではありません。自身のスキルレベル、資金力、リスク許容度に応じて、次のようなスタートの形が考えられます。
- 1.個人事業主として開業届を出す
- 2.法人を設立する
- 3.副業・週末起業する
- 4.フランチャイズ契約をして起業する
- 5.M&Aを利用して起業する
ここでは、それぞれの特徴を解説します。自分に最適な方法を見つける参考にしてください。
(1)個人事業主として開業届を出す
最もシンプルで一般的な起業の方法は、税務署に開業届を提出して個人事業主になることです。
個人事業主になる際、法人設立に必要な定款の作成や登記といった複雑なプロセスはありません。手続きは開業届の書類一枚で完了します。
設立費用もかからないため、初期投資を抑えてスピーディーに事業を始めたい場合に向いています。
実際、活動を本格化させる際に個人事業主になるフリーランスの方は少なくありません。
まずは個人事業主として事業をスタートさせ、売上が安定し事業規模が拡大してきた段階で法人化を検討する、というステップを踏むことも可能です。
参考:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
(2)法人を設立する
事業をより大きく展開したい場合や、社会的信用を重視する場合には、法人を設立するのも選択肢の一つです。
株式会社や合同会社といった法人格を取得すると、事業の主体は個人ではなく会社となります。また、設立者はフリーランスや個人事業主ではなく、経営者として事業を運営することになります。
法人化の大きなメリットは、個人事業主よりも社会的信用度が高く、金融機関からの融資や大手企業との取引で有利になる点です。
出資者の責任が出資額の範囲に限定される「有限責任」であることや、所得が増えた場合に個人事業主よりも税率が低くなる可能性がある点も魅力といえます。
ただし、設立には費用と手間がかかる点に注意しましょう。加えて、赤字でも法人住民税の支払い義務が生じるなど、運営コストが高くなる傾向があります。
(3)副業・週末起業する
副業や週末起業とは、会社員として働きながら空いた時間で小規模に事業を始める方法です。会社の給与があるため、独立前でも経済的リスクを抑えて挑戦できます。
平日の夜や休日などを使って自分のスキルやアイデアを試し、本格的な独立前に市場で通用するかを確認できる点が大きな利点でしょう。
事前に事業運営の経験を積んで顧客や実績をつくれるため、リスクを大幅に減らしながら独立への準備ができる現実的なアプローチといえます。
副業や週末起業で開業届を提出して、個人事業主になる方も少なくありません。
会社員として給与を受け取り、年末調整を受けている人の場合、副業で得た所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になる点に注意しましょう。
☆あわせて読みたい
『週末起業で独立の腕試し!会社員が起業を試すメリット・デメリットとは』
(4)フランチャイズ契約をして起業する
ゼロから事業を立ち上げる自信がない場合や、未経験の業界に挑戦したい場合には、フランチャイズ契約を利用する方法があります。
フランチャイズ契約とは、成功実績のある企業のブランド名・商品・サービス・経営ノウハウなどを利用する権利を得て、その対価としてロイヤリティを支払うビジネスモデルです。
最大のメリットは、本部の確立された知名度や集客力を活用できること。事業を比較的早期に軌道に乗せやすいといえます。
開業前の研修や開業後の経営指導など、本部から継続的なサポートを受けられることも心強い要素です。
ただし、加盟金や保証金などの初期費用が必要なほか、本部のルールに従う必要があるため、経営の自由度は低い傾向があります。
(5)M&Aを利用して起業する
M&A(企業の合併・買収)を利用して、既存の企業を買い取り、経営者となる方法も起業の一つの形です。特に近年は、後継者不足に悩む優良な中小企業が多く、事業承継型のM&Aが注目されています。
この手法のメリットは、すでに顧客、取引先、従業員、ノウハウといった事業基盤が整っている状態でスタートできる点です。
ゼロから事業を立ち上げる場合に比べて、時間と労力を節約しやすいメリットがあります。一方で、買収価格の妥当性や引き継ぎ後の業績悪化など、別のリスクもあるため、慎重な検討が必要です。
フリーランスや起業で成功するポイント

フリーランスになったり会社を設立したりすることは、ゴールではなく、あくまで事業のスタートラインに立っただけにすぎません。
事業を継続し成功へ導くには、専門スキルだけでなく次のようなポイントが必要不可欠です。
- 1.目的を明確にする
- 2.市場のニーズを把握する
- 3.必要な手続きを確認する
- 4.必要に応じて事業計画書や資金を用意する
独立という選択を憧れで終わらせず、持続可能なビジネスへと育てていくために、これから挙げるポイントを意識して準備を進めましょう。
(1)目的を明確にする
フリーランスになったり、起業して事業を始めたりするにあたって、まず目的を明確にすることが極めて重要です。「なぜ起業するのか」「この事業を通じて何を成し遂げたいのか」に対する答えを言語化してみましょう。
目的は、事業の方向性を定める「羅針盤」であり、困難に直面したときに立ち返る原点です。
「収入を増やしたい」「自由に働きたい」といった動機も大切ですが、それだけでは長期的な事業継続は難しいかもしれません。
社会や顧客への貢献につながるような、より深い目的があると、事業の軸が強固になります。
例えば「自分のスキルで特定の課題を抱える企業を支援したい」というように、目的から理念を定めるとより良いでしょう。
理念があると顧客や協力者からの共感を得やすくなり、ビジネスの成長にもつながります。
(2)市場のニーズを把握する
自身の提供したい商品やサービスが、本当に顧客の課題を解決し、お金を払ってでも手に入れたいと思ってもらえるものなのかを、客観的に調査・分析する視点を持ちましょう。
どれほど優れたアイデアや高い技術力があっても、そこに需要、つまり市場のニーズがなければビジネスとして成立しません。
競合となるサービスを調べ、ターゲット顧客にヒアリングを行うなどして、市場の現状を正確に把握する必要があります。
自分の思い込みだけで事業を進めるのではなく、「誰に、どのような価値を提供できるのか」をデータに基づいて検証することが重要です。
適切な市場ニーズの把握により事業の成功確率が高まり、失敗のリスクの低減につながります。
(3)必要な手続きを確認する
事業を始める際には、法律に基づいたさまざまな手続きが必要です。どのような形態で事業を行うかによって手続きが異なるため、最初に確認しましょう。
例えば、個人事業主としてスタートする場合は、管轄の税務署へ開業届を提出するのが基本です。
法人を設立する場合は、定款の作成・認証、法務局への登記申請など、より複雑な手続きが求められます。
また、飲食店や古物商・建設業などの特定の業種においては、事業を開始する前に保健所や警察署・都道府県などから許認可を得なければなりません。
必要な手続きを怠ると罰則の対象となる場合もあります。自身の事業にどのような手続きが必要かを事前にしっかりと確認し、適切に実施しましょう。
(4)必要に応じて事業計画書や資金を用意する
事業の成功には、綿密な計画と事業を支える資金が欠かせません。
事業計画書とは、ビジネスの概要や市場分析・販売戦略・収益計画などをまとめたもので、ビジネスの設計図となるものです。
会社の設立などの大きな投資を伴う起業の場合、金融機関からの融資や補助金・助成金の申請時に必ず計画書の提出が求められます。
一方で、フリーランスや個人事業主の場合は、初期投資が少なく始められるケースが多く、必ずしも本格的な事業計画書が必要なわけではありません。
それでも、簡易的な計画を書き出しておくと、事業内容を客観的に見直せたり、収入が不安定になりがちな時期に備える材料になります。
また、起業の内容や方向性によっては、開業資金や運転資金を十分に用意しておくことも重要です。
フリーランスと起業の違いに関連するよくある質問

独立開業前には、フリーランスや起業についての様々な疑問が生まれるでしょう。ここで、フリーランスや起業、個人事業主に関してよく寄せられる質問をまとめて解説します。
(1)フリーランスと起業はどっちがおすすめ?
「フリーランスと起業はどっちが良い?」と悩む方は多くいますが、どちらが良いかは一概には言えません。実際は、目指す事業の規模やリスク許容度によって異なります。
一般的に推奨されるのは、まず副業やフリーランスとしてスモールスタートする方法です。
このタイミングで、税務署に開業届を提出して個人事業主として起業しても良いので、まずは低リスクで事業を軌道に乗せることに集中します。
メリットは、初期費用や手続きの負担が少なく、事業の実現可能性を試しながら経験を積める点です。
その後、売上が増加し、節税などの観点から法人化にメリットが出てきたタイミングで会社を設立する「法人成り」を検討すると良いでしょう。このステップは、失敗のリスクを抑えた堅実な方法の一つです。
(2)フリーランスと起業家の違いは何?
フリーランスは「働き方」を指す言葉であり、特定の組織に属さず個人のスキルで仕事をする人を指します。
一方、起業家は「自ら事業を創造し、そのリスクを負って経営する人」を指す言葉です。フリーランスと比べて、事業の成長や革新を目指すニュアンスが強い特徴があります。
フリーランスとして開業届を出し、個人事業主として活動している人も広義では起業家といえるでしょう。
ただし、一般的にはフリーランスが自身の労働力を提供するプレイヤーとしての側面が強いのに対し、起業家は事業モデルを構築し、人を雇用するなどして組織を拡大していく経営者としての側面が強い、という違いもあります。
(3)フリーランスや起業に向いている人の特徴は?
フリーランスや起業に向いているのは、まず自己管理能力が高い人です。スケジュールやタスク・金銭・体調などをすべて自分で管理する能力が求められます。
また、指示を待つのではなく、自ら仕事を生み出し、学び続ける主体性(自走力)も不可欠です。
加えて、専門的なスキルはもちろん、顧客と円滑に交渉を進めるコミュニケーション能力や、予期せぬトラブルにも柔軟に対応できる精神的な強さも求められます。
何よりも、現状に満足せず、リスクを恐れずに新しい挑戦を楽しめるマインドセットを持っていることが重要です。
(4)フリーランスや起業に不向きな人の特徴は?
フリーランスや起業にあまり向いていないのは、安定を最優先に考える人です。毎月決まった収入や福利厚生がない環境で、常に不安を感じてしまう方は、フリーランスや起業に向いていないかもしれません。
また、次のような人も自己責任が原則の独立した働き方では苦労する可能性が高いです。
- ・誰かからの指示がないと動けない受け身姿勢の人
- ・スケジュール管理や金銭管理が極端に苦手な人
- ・孤独に耐えられない人
- ・常にチームで働きたい人
ただし、独立がすべてではなく、起業や独立が必ずしも正解というわけではありません。会社員には、安定した収入や福利厚生・相談できる仲間などの様々なメリットがあります。
自分が一番心地よく力を発揮できる環境を選ぶことが、結果的に長く働き続ける力になるでしょう。
(5)起業と創業・独立・開業の違いとは?
起業と創業・独立・開業という言葉は似ていますが、それぞれニュアンスが異なります。
「起業」は新しく事業を始めること全般を指す最も広い意味の言葉です。
「創業」は、事業を「開始した」という過去の時点を指す場合に使われることが多く、「創業記念」のように用いられます。
「独立」は、勤めていた会社などの組織から離れて自分の事業を始める、という「組織からの離脱」の意味合いが強い言葉です。
「開業」は、個人事業主として事業を始めたり、店舗や事務所を構えてビジネスを開始したりする際に使われます。例えば「開業届」や「クリニックの開業」といった文脈で用いられる言葉です。
まとめ

フリーランスは個人の働き方、起業は事業を興す行動、個人事業主は税務上の区分を指す言葉であり、それぞれ意味が異なります。
独立への道筋は一つではなく、リスクを抑えて個人事業主として開業する方法から、大きな成長を目指して法人を設立する方法まで様々です。
多くの場合、まずは副業やフリーランスとしてスタートし、事業の成長に合わせて法人化を検討するという段階的なステップが堅実な選択肢となるでしょう。
どの形態を選ぶにせよ、自身の目的を明確にし、市場のニーズを捉えた上で、入念な準備をすることが成功の鍵です。
企業に属さない働き方には多くのメリットがありますが、相応の責任も伴うことを理解し、自分に合った道を選択しましょう。
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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)
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