フリーランス協会とは?入会するメリットや注意点、会員の違いを解説

作成日:2025/05/14

  • ・「フリーランスとして独立したいけど、何を備えておけばいいのかわからない」
  • ・「会社員と違って保険や福利厚生がないのが不安」

 

こうした悩みを抱える方にとって、フリーランス協会は安心につながる選択肢のひとつです。

 

フリーランス協会では、保険や福利厚生、スキル支援などを通じて、フリーランスや副業ワーカーを幅広くサポートする活動を行っています。

 

この記事では、フリーランス協会について知りたい方に向けて、以下の順で解説します。

 

  • ・フリーランス協会の活動内容
  • ・入会するメリット・注意点
  • ・無料会員と一般会員(有料)の違い

 

入会を検討している方はもちろん、これから独立を考えている方もぜひ参考にしてください。

 

目次

■フリーランス協会とはどんな団体?

 

■フリーランス協会の活動内容は?
(1)コミュニティづくりの支援
(2)独自イベントやセミナーの開催
(3)フリーランス白書の発行
(4)入会者へのサービス提供

 

■フリーランス協会に入会するメリット
(1)コワーキングスペースをお得に活用できる
(2)スキルアップ講習を無料で受講できる
(3)会計ソフトや法務相談サービスを割引価格で使える
(4)賠償責任保険や弁護士費用保険に加入できる
(5)仕事獲得や相談できる人とのつながりができる

 

■フリーランス協会に入会する際の注意点
(1)年会費などの費用が掛かる
(2)保険プランに制限がある

 

■フリーランス協会の無料会員と一般会員の違いは?
(1)年会費や登録条件の違い
(2)提供サービスの違い
(3)補償やサポート内容の違い
(4)どちらが自分に合っているか判断するポイント

 

■フリーランス協会への入会方法
(1)無料会員登録
(2)一般会員への入会申し込み
(3)審査と年会費の支払い
(4)入会承認後に利用開始

 

■フリーランス協会についてのよくある質問
(1)フリーランス協会は法人でも入会できる?
(2)フリーランス協会の年会費は経費にできる?
(3)フリーランス協会で健康保険や社会保険に加入できる?

 

■まとめ

フリーランス協会とはどんな団体?

?と書かれた木の積み木ブロック

フリーランス協会とは、フリーランスや副業ワーカーが安心して働ける環境を目指して支援を行う民間団体です。

 

正式名称は「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」で、2017年に設立されました。

 

独立前の会社員やフリーランス1年目の方をはじめ、多様な働き方を選ぶ個人に向けて、情報提供や制度支援、社会的な立場の向上を図る活動を行っています。

 

2025年時点で、無料会員の登録者は12万人以上(SNSフォロワー含む)、そのうち有料会員は2万人を超えており、多くの個人が利用しています。


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フリーランス協会の活動内容は?

笑顔の男女5人

フリーランス協会は、フリーランスや副業で働く人たちがより安心して活動できるよう、さまざまな角度からサポートを行っています。主な活動は、次の4つです。

(1)コミュニティづくりの支援

フリーランス協会では、会員専用のコミュニティ「Teamlancer for フリーランス協会」を通じて、フリーランス同士のつながりを促進しています。

 

コミュニティ内では、職種や関心テーマごとのグループに分かれて情報交換や交流ができ、働き方に関する情報やノウハウを気軽に共有できます。

 

独立を目指す会社員や副業中の方も多く参加しており、他のフリーランスの活動や価値観に触れることで視野が広がり、新たな発見につながる環境です。

 

孤独に陥りがちなフリーランスにとって、安心して相談できる場があることは心強い支えになります。

 

(2)独自イベントやセミナーの開催

フリーランス協会では、キャリア形成・税務・契約・副業ノウハウなど、実務に役立つテーマを扱ったイベントやセミナーを定期的に開催しています。

 

登壇者は現役のフリーランスや各分野の専門家が中心で、日々の業務に活かせる具体的な知識を得られます。

 

ほとんどのイベントはオンラインで開催され、全国どこからでも参加可能です。時間や場所を選ばず学べる点が、忙しいフリーランスにとって嬉しいポイントです。

 

過去のイベントの一部はYouTubeで視聴できるため、見逃しや復習の際に活用できます。

(3)フリーランス白書の発行

フリーランス協会が毎年発行している「フリーランス白書」は、働き方に関する調査結果をまとめた資料です。

 

年収、労働時間、案件の獲得経路などを数値で確認でき、自分と近い立場のフリーランスがどのように働いているかを比較・参考にできます

 

フリーランス法施行の反響やインボイス制度の影響など、タイムリーなトピックも盛り込まれており、現状分析だけでなく今後の動向を把握する材料としても有効です。

 

フリーランス白書は、政府や関係省庁への政策検討にも活用されており、信頼性のある参考資料といえます。

(4)入会者へのサービス提供

フリーランス協会では、会員向けにスキルアップやネットワーク形成、実務支援、福利厚生など多岐にわたるサービスを提供しています。たとえば、以下のような制度が整っています。

 

  • ・スキルアップ講習(IBM SkillsBuild、Udemy for SkillsBuild)
  • ・会員同士で交流できる「Teamlancer for フリーランス協会」
  • ・税務・法務に関する優待サービス(会計ソフト、契約サポートなど)
  • ・団体保険(賠償責任保険、弁護士費用保険など)

 

無料会員と一般会員では利用できるサービスの範囲が異なりますが、自分の目的や働き方に合わせて、会員タイプを選べます。

フリーランス協会に入会するメリット

MERITと書かれた積み木ブロック

フリーランス協会に入会するメリットについて、それぞれ解説していきます。

(1)コワーキングスペースをお得に活用できる

フリーランス協会に入会すると、全国123拠点以上の提携コワーキングスペースを優待価格で利用できます。(※拠点数は2023年2月28日時点)

 

入会金が無料になったり、月額利用料が割引されたりと、拠点ごとにお得な特典が用意されています。自宅では集中しにくい人や、外出先で作業したい人にとって、非常に便利な制度です。

 

提携しているコワーキングスペースは、都市部だけでなく、地方や観光地にも展開されています。出張先や旅行中でも利用でき、場所にとらわれず柔軟に働くことが可能です。


☆あわせて読みたい
『フリーランスの活動拠点となる「コワーキングスペース」の選び方』

(2)スキルアップ講習を無料で受講できる

フリーランス協会に入会すると、18歳以上の会員はオンライン学習プラットフォーム「IBM SkillsBuild」および「Udemy for SkillsBuild」を無料で利用できます。

 

IBM SkillsBuild経由で申し込んだ場合は、Udemyの人気講座を6カ月間無料で受講可能です。

 

デザインやマーケティング、プログラミングなどの実務的な内容に加え、マインドセットや注目職種なども学べる講座が揃っており、初心者から経験者まで幅広く活用できます。

 

オンラインで受講できるため、スキマ時間を活用してスキルアップできるのは、大きなメリットです。

(3)会計ソフトや法務相談サービスを割引価格で使える

フリーランス協会に入会すると、会計ソフトや法務サポートを優待価格で利用できます

 

たとえば、弥生やfreeeなどの有名な会計ソフトを特別料金で利用可能です。契約書のレビューや登記、トラブル時の法務相談など、実務に役立つ支援をお得に利用できます。

 

特にフリーランス1年目の方にとっては、確定申告の時期や法人との契約締結時など、専門知識が求められる場面で役立ちます

 

こうしたサポートを受けられると、より安心して働ける環境になるでしょう。複雑な手続きはプロに依頼することで、作業効率が上がり、時間とミスの削減にもつながります。

(4)賠償責任保険・弁護士費用保険に加入できる

フリーランス協会の一般会員(有料)になると、賠償責任保険や弁護士費用保険に加入できるのも大きなメリットです。

 

賠償責任保険では、対人・対物事故はもちろん、情報漏えい、納品物の瑕疵、著作権侵害、納期遅延といった、フリーランス特有の幅広いリスクをカバーしています。

 

大手保険会社4社による共同保険で、会員だけでなく発注者も補償対象となるため、取引先からの信頼にもつながります。

 

弁護士費用保険「フリーガル」は、報酬の未払いトラブル知的財産権の侵害などに対応し、円満な解決に向けたサポートを受けられる保険です。

 

こうした保険制度があることで、万が一のトラブルにも冷静に対応でき、フリーランスとして長く安心して働ける環境が整うでしょう。

(5)仕事獲得や相談できる人とのつながりができる

フリーランス協会に入会すると、会員専用のコミュニティを通じて、同じ立場の仲間とつながり、情報交換ができます

 

独立直後で人脈や知識が限られている方にとっては、実務のヒントを得たり、ちょっとした悩みを気軽に相談できるようになるため、心強いでしょう。

 

さらに、「フリーランスDB」にプロフィールを登録すれば、企業やクライアントに自分のスキルや実績を見つけてもらいやすくなります。

 

仕事の依頼につながる機会が増えるため、継続的な案件獲得や、新たな取引先の開拓に期待できます。

 

フリーランス協会に入会する際の注意点

指を指す女性

フリーランス協会に入会する際の注意点についても、解説していきます。

(1)年会費などの費用が掛かる

フリーランス協会は無料でもサービスを利用できますが、より手厚い支援を受けたい場合は、年会費1万円(不課税)の一般会員になる必要があります

 

提供されるサービスは充実しているものの、サービスを十分に活用できなかった場合は、年会費に見合った価値を感じにくいかもしれません。

 

年度の途中で退会しても年会費の返金はないため、自身の利用目的や活用頻度を考慮したうえで、一般会員への加入を検討することが大切です。

 

(2)保険プランに制限がある

フリーランス協会の保険はフリーランスに特化した内容となっていますが、すべてのリスクに対応しているわけではありません

 

たとえば、補償には上限があったり、特定の業務が対象外となっていたりする場合があります。

 

そのため、保険に加入する前に補償内容や条件をしっかり確認し、自分の働き方に合っているかどうかを見極めることが大切です。

 

せっかく保険に入っていても、必要なときに補償されなければ意味がないため、事前の確認は欠かせません。


☆あわせて読みたい
『フリーランスは雇用保険に入れない?加入条件と代わりの制度を解説』
『フリーランスが加入すべき保険とは?住宅ローンは組める?公的・民間保険について深掘り』

フリーランス協会の無料会員と一般会員の違いは?

首をかしげる男女5人

ここからは、「無料会員と有料の一般会員で何がどう違うの?」という疑問に対して、サービス内容や補償の有無など、会員種別ごとの違いをわかりやすく解説します。

 

(1)年会費や登録条件の違い

フリーランス協会には、「無料会員」と「一般会員」の2種類があり、それぞれ登録条件や年会費が異なります

 

無料会員は誰でもすぐに登録ができ、費用もかかりません。

 

対して、一般会員は年会費として1万円(不課税)が必要で、あらかじめ所定の審査を受ける必要があります。

 

(2)提供サービスの違い

無料会員と一般会員では、利用できるサービスの幅やサポート内容に明確な違いがあります。一般会員になると、補償制度や福利厚生がより充実し、安心して働ける体制が整います。

 

無料会員と一般会員が受けられるサービス一覧

以下が、無料会員と一般会員の両方が受けられるサービスです。

 

  • ・スキルアップ講習(IBM SkillsBuild、Udemy講座)
  • ・会員限定コミュニティでの情報交換・交流(Teamlancer)
  • ・全国の提携コワーキングスペース優待(入会金無料・利用料割引など)
  • ・税務、法務、ライフ、マネー、キャリアなどの各種優待サービス
  • ・フリーランス法に対応した契約書メーカー
  • ・フリーランスに役立つ情報をまとめたメルマガ配信

 

一般会員(有料)のみが受けられるサービス一覧

一般会員の場合、以下のサービスも受けられます。

 

  • ・賠償責任保険、弁護士費用保険(自動付帯)
  • ・所得補償、ケガ、介護向け保険に団体割引で加入(任意)
  • ・福利厚生サービス「WELBOX」
  • ・キャリア支援プログラム「キャリアドック」
  • ・フリーランス協会限定のZoomライセンス利用
  • ・労災保険の加入手数料免除

 

(3)補償やサポート内容の違い

無料会員と一般会員では、補償やサポートの内容にも違いがあります

 

たとえば、一般会員には賠償責任保険と弁護士費用保険「フリーガル」が自動付帯されており、仕事中のトラブルや法的リスクへ備えられます。無料会員と比べて、より安心して働ける体制が整っているのが特徴です。

 

また、福利厚生サービス「WELBOX」やキャリア相談など、日々の働き方を支えるサポートも豊富に用意されています。

 

補償だけでなく、こうしたサポート面の違いも、会員種別を選ぶうえでの重要なポイントとなるでしょう。

 

(4)どちらが自分に合っているか判断するポイント

どちらの会員種別が自分に合っているかは、働き方や現在の課題、利用したいサービスの内容によって異なります

 

たとえば、保険によるリスクへの備えや、福利厚生・キャリア支援など、より充実したサポートを求める方には、一般会員が適しています

 

一方で、まずは情報収集やコミュニティ参加から始めたい場合は、無料会員として登録するのも良い選択です。

 

サービスの違いを比較しながら、将来的に一般会員への移行も視野に入れて検討すると、無理のない形で活用を始めやすくなります。

フリーランス協会への入会方法

パソコンを操作している手

フリーランス協会への入会方法を、4つのステップで解説していきます。

(1)無料会員登録

まずは、フリーランス協会の公式サイトから無料会員登録を行います。一般会員になる場合も、まずは会員登録が必要です。

 

トップページにある会員登録ボタンをクリックし、自身のメールアドレスを入力しましょう。Googleアカウントでの登録にも対応しており、スムーズに申し込みが可能です。

 

入力したメールアドレスに届く認証メールをクリックすれば、無料会員への登録は完了です。登録後すぐに、コミュニティへの参加やコワーキングスペースの割引利用が可能です。

(2)一般会員への入会申し込み

無料会員に登録後、マイページから一般会員への切り替え申し込みが可能になります。申し込みには、本人確認のための身分証明書の提出が必要です。

 

あわせて、必要な情報の入力と年会費の支払い手続きを行います。支払い方法は、クレジットカードやデビットカード、銀行振込から選択できます。

 

(3)審査と年会費の支払い

入会申し込み後は、フリーランス協会による審査が行われます

 

申告内容の確認に加え、必要に応じて追加書類の提出が求められる場合もあります。審査に通過すると、次に年会費の支払い手続きへと進みます。

 

(4)入会承認後に利用開始

審査通過と年会費の支払いが完了すると、正式に一般会員(有料)としての入会が承認されます。

 

一般会員の特典は、基本的に承認後すぐに利用できます。ただし、賠償責任保険と弁護士費用保険、福利厚生サービス「WELBOX」は、入会承認月の翌月15日からの適用となるため注意が必要です。

 

フリーランス協会についてのよくある質問

Q&Aと書かれた積み木ブロック

ここからは、フリーランス協会についてよくある質問について回答します。入会前に気になる疑問を解消しておきましょう。

(1)フリーランス協会は法人でも入会できる?

法人成りをした会社経営者(※アルバイトを含む雇用者が5名以内)も入会可能です。ただし、雇用者もフリーランス協会に入会しなければなりません。

 

個人名義での利用となりますが、法人名義で受託した仕事でも賠償責任補償の対象です。

 

また、紹介制の法人会員という枠組みもあり、フリーランス協会を支援・連携したい企業が入会しています。

(2)フリーランス協会の年会費は経費にできる?

フリーランス協会の一般会員にかかる年会費は、事業に関連する支出として経費計上が可能です。

 

たとえば、保険や学習支援、業務関連の優待サービスなどを業務に活用している場合は、「会費」や「福利厚生費」として仕訳できます

 

ただし、最終的な判断は税理士や会計ソフトの指針に従って進めることが安心です。領収書はマイページからダウンロードできるため、確定申告に向けての準備もしやすくなっています。

(3)フリーランス協会で健康保険や社会保険に加入できる?

フリーランス協会自体で、健康保険や厚生年金などの社会保険に直接加入する仕組みはありません

 

ただし、フリーランス向けの健康支援や福利厚生サービスをWELBOXなどを通じて受けられる仕組みは整っています。

 

たとえば、人間ドックやフィットネス施設の割引など、健康維持に役立つサービスが用意されています

 

フリーランスにおすすめの健康保険や社会保険については、以下の記事を参考にしてみてください。


☆あわせて読みたい
『フリーランスにおすすめの健康保険は?種類や保険料を抑える方法を解説』
『フリーランスにおすすめの社会保険とは? 社会保険一覧や会社員との違いも解説』

 

まとめ

パソコン作業をしている女性

フリーランス協会は、独立前の不安を抱える人や、すでに活動を始めているフリーランスにとって、手厚いサポートを提供している団体です。

 

コミュニティやイベントを通じたつながりだけでなく、保険や学習支援など実務面での支えも充実しています。

 

無料会員でも活用できるサービスが多いため、まずは気軽に登録して情報収集から始めるのも選択肢のひとつです。年会費やサービス内容を比較した上で、一般会員になるかを検討してみてください。

 

自分の働き方に合った支援を受けることで、より安心してフリーランスとしての道を歩めるでしょう。

 

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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

 

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