フリーランスが受けるべき健康診断は?費用や安いおすすめの受け方も

作成日:2025/06/20

フリーランスとして働く上で、健康管理はキャリアを長く安定させるための基盤です。会社員と異なり、健康診断の手配や種類、受診の頻度、費用について自ら管理する責任があります。

 

健康診断を定期的に受ければ、仕事のパフォーマンスを維持しながら、将来的なリスクを未然に防ぐことが可能です。

 

この記事では、フリーランスが受けるべき健康診断の種類や費用の目安、安く受ける方法について詳しく解説します。しっかりとした健康管理を行い、安心して働き続けるための参考にしてください。

 

目次

■フリーランスが健康診断を受けるメリットは何?
(1)健康状態の把握
(2)病気の早期発見と重症化予防
(3)収入の安定化

 

■フリーランスが受ける健康診断の種類と項目
(1)一般健康診断
(2)人間ドック

 

■フリーランスが健康診断を受ける方法
(1)市区町村による健康診断
(2)国民健康保険組合を通じた受診
(3)健康保険の任意継続による受診
(4)医療機関での個別受診
(5)福利厚生サービスを利用して受診
(6)クレジットカード付帯サービスを利用して受診
(7)郵送検査キット

 

■フリーランスの健康診断にかかる費用を抑える方法

 

■フリーランスの健康診断費用は経費になる?

 

■フリーランスの健康診断費用を節税に役立てる方法
(1)病気が見つかった場合は医療費控除を利用する
(2)セルフメディケーション税制を利用する

 

■フリーランスが健康診断を受ける際の注意点
(1)定期的な受診
(2)事前の準備
(3)検査結果の活用

 

■まとめ

 

フリーランスが健康診断を受けるメリットは何?

医師が患者の脈を診ている手元

フリーランスにとって、健康は仕事を継続し安定した収入を得るための最も重要な資本です。会社員とは異なり、フリーランスは病気やケガで働けなくなった場合の保障が少なく、体調を崩すと直接的に収入減につながるリスクがあります。

 

そのため、定期的な健康診断を受けて自身の健康状態を把握し、病気の早期発見や予防を行うことが、長期的なキャリア安定に不可欠です。

 

健康診断を受けると、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

 

健康状態の把握

フリーランスとして働いていると、忙しい日々の中で自身の健康管理を後回しにしがちです。

 

そのため、健康診断は、体の状態を数値や画像で客観的に知る絶好の機会です。健康診断を受けると、生活習慣を改善すべき点や潜在的なリスクを早期に把握できます。

 

特に20代や30代の若い世代では、健康診断を軽視しがちです。早期の段階で健康管理を習慣化すると、将来的な病気のリスクを大幅に低減できます。

 

20代や30代向けのリーズナブルな健康診断プランを活用すれば、気軽に健康診断を受られるようになるでしょう。

 

病気の早期発見と重症化予防

多くの病気は初期段階では自覚症状がないため、気づいた時には治療が難しくなっている場合があります。健康診断を定期的に受けると、血糖値やコレステロール値の異常、内臓疾患の兆候などを早期に発見できます。

 

特に、生活習慣病は放置すると重症化しやすいため、定期的なチェックが重要です。

 

東京をはじめとする都市部では、簡単に予約できる健康診断サービスが提供されており、忙しいフリーランスの方でも受けやすい環境が整っています。

 

収入の安定化

フリーランスにとって、健康を維持するのは直接的に収入の安定化につながります。病気やケガで働けなくなれば、収入が途絶えるだけでなく、治療費や生活費の負担が増加する可能性が高まるのです。

 

つまり、健康診断を受けて自身の体調を良好に保つのは、収入の安定と将来的なリスク回避の両方に寄与します。

 

さらに、健康診断をきっかけに生活習慣を見直すと、日々の仕事に集中できる環境を整えられるようになります。

 

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フリーランスが受ける健康診断の種類と項目

健康診断の結果の紙

健康診断にはいくつかの種類があり、検査項目や費用が異なります。自身の年齢や健康リスク、予算に応じて適切な診断を選ぶようにしましょう。

 

ここでは、一般的な健康診断や人間ドック、法定健診の項目について解説します。

 

一般健康診断

一般健康診断は、フリーランスが基本的な健康チェックを行うための最も手軽な方法です。

 

主な検査項目には以下が含まれます。

 

  • ・身体測定
  • ・血圧測定
  • ・尿検査
  • ・血液検査
  • ・胸部X線検査
  • ・心電図検査

 

これらの検査を通じて、生活習慣病や基本的な健康リスクを把握できます。

 

会社員が受ける定期健康診断と同様の内容で、比較的低コストで受診できるため、一般健康診断は最初に検討すべき選択肢です。特に、20代や30代の若いフリーランスにとっては、簡単に自身の健康状態を確認する良い機会となります。

 

法定健診の項目を参考に

会社員に義務付けられている法定健診の項目は、フリーランスが健康診断を選ぶ際の参考になります。以下が、最低限必要とされる検査項目です。

 

  • ・既往歴、業務歴の調査
  • ・自覚症状、他覚症状の有無の確認
  • ・身体測定(身長、体重、腹囲)
  • ・視力・聴力検査
  • ・血圧測定
  • ・胸部X線検査
  • ・血液検査(貧血、肝機能、血中脂質、血糖など)
  • ・尿検査(糖、たんぱくの有無)
  • ・心電図検査

 

フリーランスには法的な受診義務はありませんが、これらの項目を網羅した検査を受ければ、十分な健康管理が可能です。

 

また、法定健診の内容をベースに、必要に応じて検査項目を追加すると、自身の健康リスクに応じた診断をカスタマイズできます。

 

人間ドック

より詳しい健康チェックを希望する場合、人間ドックがおすすめです。一般的な健康診断よりも詳細な検査が行われ、以下のような項目が追加されることがあります。

 

  • ・胃カメラやバリウム検査(消化器の状態を詳細に確認)
  • ・腹部超音波検査(肝臓や腎臓などの内部臓器を検査)
  • ・頭部MRI/MRA(脳の異常を確認)
  • ・がん検診(乳がん、子宮頸がん、大腸がんの有無を検査)

 

人間ドックは、病気の早期発見や全身の健康状態を詳細に把握するのに適しており、特定の病気が気になる場合や、家族歴がある場合に有効です。

 

ただし、費用が高額になるため、健康診断の頻度や目的を明確にした上で利用するのをおすすめします

 

フリーランスが健康診断を受ける方法

健康診断の紙を手に説明する医師

フリーランスが健康診断を受けるには、いくつかの選択肢があります。加入している健康保険の種類や居住地の制度によって利用できる方法が異なり、費用を抑える方法も多様です。

 

以下に、市区町村による健康診断、国民健康保険組合を通じた受診、健康保険の任意継続による受診、医療機関での個別受診、そしてその他の選択肢について詳しく解説します。

 

市区町村による健康診断

市区町村では、主に国民健康保険加入者を対象に健康診断を実施しています。これは、会社で健康診断を受ける機会がない方々向けに提供されるもので、多くの場合、低コスト(1,000円~3,000円程度)または無料で受けられるのが特徴です。

 

特定健診(メタボ健診)やがん検診が代表的です。特定健診は、以下の条件に該当する人が対象となっています。

 

  • ・対象:国民健康保険加入者で、40歳~74歳の住民
  • ・費用:無料または少額(自治体により異なる)
  • ・検査項目:生活習慣病予防を目的とした基本的な検査
  • ・利用方法:市区町村の指定医療機関で予約し受診

 

詳細は、自治体のウェブサイトや広報誌で確認できます。

 

国民健康保険組合を通じた受診

特定業種のフリーランスが加入する国民健康保険組合では、組合員向けに健康診断を実施しています。

 

市区町村の健康診断よりも、手厚い内容や費用補助が用意されているケースが多いのが特徴です。

 

一部または全額の費用補助を受けられたり、組合によっては人間ドックやがん検診を追加できたりします。詳細は、加入している保険組合の公式サイトや窓口で確認しましょう。

 

業種に特化した組合のため、対象外の方は他の方法を検討してください。

 

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『フリーランスにおすすめの健康保険は?種類や保険料を抑える方法を解説』

 

健康保険の任意継続による受診

会社員からフリーランスになった際に、以前の健康保険を任意継続している場合、その健康保険組合の健診サービスを利用できます。多くの場合、在職中と同様の内容で受診が可能です。

 

  • ・利用条件:任意継続の期間内である(通常2年間)
  • ・費用:在職時と同程度(組合による)
  • ・内容:会社員向けの定期健診に準じた検査

 

詳細は、加入中の健康保険組合に問い合わせて確認しましょう。

 

医療機関での個別受診

自身で医療機関に直接申し込み、健康診断を受けるのも可能です。この方法は、希望する検査項目を自由に選べる一方で、全額自己負担となるため注意しましょう。

 

費用は一般健康診断が5,000円~30,000円程度、人間ドックが50,000円~100,000円以上が目安です。特定のリスクや症状が気になる場合に有効です。

 

福利厚生サービスを利用して受診

フリーランス向け福利厚生団体に加入すると、提携医療機関で割引や補助を受けられる場合があります

 

例えば「フリーランス協会」に一般会員(有料会員)として加入していると、福利厚生として「WELBOX」を利用できるようになります。

 

WELBOXでは、健康診断と人間ドックを会員特別価格で予約でき、個別受診するよりも安く済むのがメリットです。

 

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『フリーランス協会とは?入会するメリットや注意点、会員の違いを解説』

 

クレジットカード付帯サービスを利用して受診

一部のクレジットカードを所持していると、健康診断や人間ドックの優待を受けられる場合があります

 

人間ドックを安く受けられるクレジットカードとしては、セゾンカードやJCBカード(ゴールド)などが有名です。

 

郵送検査キット

自宅で手軽に受けられる郵送検査キットを利用する方法もあります。問診や血液検査、尿検査、検便などを郵送すると、特定の病気のリスクがないか調べてもらえます。

 

わざわざ予約したり医療機関に出向いたりする手間がないため、忙しい人にはおすすめですが、100%信頼できる結果が出るとは言い切れません。体に異変がある場合は、時間を取って医師の診察を受けるのが望ましいでしょう。

 

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フリーランスの健康診断にかかる費用を抑える方法

聴診器と電卓

フリーランスが健康診断の費用を抑えるには、まず、お住まいの市区町村が実施している健康診断や特定健診の利用を検討しましょう。国民健康保険加入者を対象としており、無料または非常に安価に受診できる場合が多いです。

 

次に、加入している国民健康保険組合が健康診断の費用補助を行っているか確認してみましょう。組合によっては手厚い補助制度を設けていることがあります。

 

また、会社員時代の健康保険を任意継続している場合は、その健康保険組合の福利厚生を利用できる可能性があります。

 

さらに、フリーランス向けの福利厚生サービスや、特定のクレジットカードの付帯サービスによる割引なども活用できる場合があります。

 

フリーランスの健康診断費用は経費になる?

電卓とペンを持つ人の手元

フリーランス(個人事業主)自身が健康診断や人間ドックを受けた費用は、原則として事業の経費にはできません。

 

これは、健康診断が事業遂行に直接関連する費用とは見なされないためです。会社員の場合は福利厚生費として会社が経費計上できますが、フリーランス自身は従業員という扱いではないため、この考え方が適用されません。

 

ただし、生計を一にする配偶者や親族でない従業員を雇用している場合、その従業員の健康診断費用は福利厚生費として経費計上が可能です。自身の健康診断費用は自己負担となるのを理解しておきましょう。

 

フリーランスの健康診断費用を節税に役立てる方法

積み上げたコインの上に赤いクエスチョンマークが載っている様子

 

基本的に、フリーランス自身が負担する健康診断費用は経費として認められませんが、条件次第で医療費控除やセルフメディケーション税制を利用できる場合があります。

 

これらの制度を正しく理解し活用すれば、税負担を軽減できる可能性があります。

 

病気が見つかった場合は医療費控除を利用する

健康診断の費用は、原則として医療費控除の対象にはなりません。医療費控除は、病気や怪我の治療のために支払った医療費に対して適用される制度であり、健康診断は病気の予防や早期発見を目的としているためです。

 

しかし、健康診断の結果、重大な病気が発見され、引き続き治療を行った場合には、その健康診断の費用も医療費控除の対象に含められる可能性があります。

 

医療費控除を受けるためには、年間(1月1日~12月31日)の医療費の合計が一定額を超える必要があり、確定申告時に申請します。

 

健康診断で病気が見つかった場合は、関連する費用も含めて、医療費控除の対象になるか確認すると良いでしょう。

 

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『フリーランス・個人事業主の確定申告のやり方は?経費になるものの例も紹介』

 

セルフメディケーション税制を利用する

セルフメディケーション税制は、スイッチOTC医薬品(処方箋不要の医薬品)購入費用に関する所得控除の特例です。

 

健康診断や予防接種を受けているのが適用条件となり、年間12,000円以上の医薬品購入費用の一部が控除対象となります。控除を受けるには、健康診断の領収書や結果通知書が必要です。

 

健康診断費用自体は直接控除の対象外ですが、税制適用条件を満たすために役立つため、結果的に税負担軽減につながる場合があります。健康維持と経済的メリットを両立させるためにも、制度の活用を検討しましょう。

 

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『フリーランスの税金と控除一覧!節税対策やいつ払うのかを解説』

 

フリーランスが健康診断を受ける際の注意点

患者に説明する医師

健康診断を受ける際には、いくつかの注意点があります。受診前や受診後に慌てないために、事前に注意点を知っておきましょう。

 

定期的な受診

健康診断は一度受けて終わりではなく、定期的に受診することが重要です。体調や病気のリスクは日々変化するため、年1回などの頻度のチェックで、早期発見や予防につなげられます

 

特にフリーランスは自己管理が重要であり、健康を維持するためには自分で定期的な受診スケジュールを立てることが大切です。

 

健康診断を習慣化し、自分の体を守る意識を高めましょう。こうした取り組みが、長く健康で働くための土台となります。

 

事前の準備

健康診断を効果的に受けるためには、事前準備が欠かせません。検査内容や医療機関を決め、早めに予約を取るようにしましょう。

 

当日は保険証や受診券、本人確認書類を忘れずに持参してください。また、前日の飲酒や食事制限などの注意事項を確認し、指示に従うのも重要です。

 

さらに、病歴や現在の症状を事前に整理しておくと、問診の際に医師に正確な情報を提供できます。こうした準備がスムーズな受診と正確な診断につながります。

 

検査結果の活用

健康診断の結果は、単に確認するだけでなく、その後の健康管理に活かすのが大切です。異常値があった場合は早めに医療機関を受診し、必要な治療や精密検査を受けましょう。

 

一方、異常がなくても結果を保管し、次回以降の診断結果と比較することで、体調の変化に気づけます

 

また、結果を元に生活習慣を見直し、健康維持や改善に役立てましょう。検査結果を「自分の体と向き合うためのデータ」として積極的に活用する姿勢が重要です。

 

まとめ

明るい表情でパソコンを扱う女性

フリーランスとして働くうえで、健康管理は仕事のパフォーマンスを維持するために欠かせません。定期的な健康診断で体調をチェックし、早期の病気予防や対策に役立てましょう

 

健康診断の費用や税金の仕組みを理解しておけば、賢く負担を軽減することも可能です。

 

仕事に集中するためにも、自分の健康をしっかりと管理し、長く安定して働ける環境を作っていくのが大切です。

 

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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

 

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