【ECコンサルタントとは】独立に有利な資格とスキルとは?売上増加を担う仕事内容

最終更新日:2024/07/22
作成日:2022/05/13

市場規模が拡大するEC業界では、ECサイトの運営を専門的な視点でサポートするコンサルタントの存在は不可欠です。今後高い需要が見込まれています。この記事では、ECコンサルタントの具体的な仕事内容に加え、求められるスキルや、独立・案件獲得に役立つ資格などを解説します。これからECコンサルタントとしてのキャリアアップや独立開業を考えている方は参考になるでしょう。

 

目次

 

■ECコンサルタントとは

 

■ECコンサルタントの必要性
(1)EC市場規模の拡大
(2)ECサイト運営者側の知識不足
(3)商品の良さと売上は比例しない
(4)競合分析の不足
(5)ユーザーエクスペリエンスの向上

 

■ECコンサルタントの働き方
(1)企業に所属
(2)フリーランスとして独立開業

 

■ECコンサルタントの主な仕事内容
(1)現状分析および課題の洗い出し
(2)新たな戦略の設計
(3)ECサイトの制作
(4)集客のサポート
(5)データ分析に基づくサイト改善

 

■ECコンサルタントに求められるスキル
(1)ECサイトの運営経験
(2)柔軟性
(3)コミュニケーション能力
(4)技術的知識
(5)データ分析力
(6)顧客志向

 
■ECプラットフォーム別のコンサルタントの特徴
楽天市場
Amazon
Yahoo!ショッピング

 

■ECコンサルタントにおすすめの資格
(1)応用情報技術者
(2)ITストラテジスト
(3)マーケティング・ビジネス実務検定
(4)ウェブ解析士/上級ウェブ解析士
(5)ネットマーケティング検定
(6)ネットショップ実務士(ネットショップ検定)
(7)通販エキスパート検定
(8)Googleアナリティクス個人認定資格

 

■独立開業の夢も叶う?将来性有望なECコンサルタントの魅力

 

 

ECコンサルタントとは

発言するECコンサルタント

 

ECサイト運営には幅広い専門知識が必要です。商品を製造・販売する企業内のリソースだけでは対応しきれない場合、専門家の介入が望ましいでしょう。ECコンサルタントとは、こうした企業などから依頼を受けて、ECサイト運営に関わる総合的なサポートをおこなう人材を指します。

 

ECコンサルタントに求められる最も重要な役割は、最終的な目的であるECサイトの売上を上げること。そのためには知識だけでなく、専門性の高いスキルやクライアントの信頼に値する素養と経験が求められます。

 

 

ECコンサルタントの必要性

ECコンサルタントの手によって上がった売上のイメージ図

 

ECコンサルタントは、今後も高い需要が見込まれる職種といえるでしょう。ECコンサルタントの需要が伸びた背景について紹介します。

 

(1)EC市場規模の拡大

経済産業省のおこなった調査「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2013年に11.2兆円だったECの市場規模は、2023年には22兆円と、大きな市場へと成長していることがわかります。

 

インターネットショッピングが日常になった現在、成長を続けるEC業界において、コンサルタントの存在は重要です。また、EC業界は今後さらに発展すると考えられ、ECコンサルタントの将来性も高いといえるでしょう。


引用:経済産業省 電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました

(2)ECサイト運営者側の知識不足

EC市場に新たに参入する企業のなかには、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とするケースもあります。しかし、ECサイトの運営経験がないために知識も乏しく、思うような売上を達成できていない企業もあるでしょう。

 

このような悩みを持つ企業にとっても、専門家であるECコンサルタントのサポートが必要です。

(3)商品の良さと売上は比例しない

どのような優れた商品でも、作り続けるだけで売上を成長させることは難しいものです。同様に、デザイン性に優れたECサイトを制作できても、直接売上につながるものではありません。

 

このようなケースでは、ECコンサルタントは、客観的な視点から売上向上のためアドバイスを求める企業にとって不可欠な存在なのです。

(4)競合分析の不足

EC市場は競争が激化しており、競合他社の動向を把握することが成功の鍵となります。しかし、多くの企業は競合分析を十分に行っておらず、自社の強みや弱みを理解していないことがあります。
 
ECコンサルタントは、競合分析を通じて企業のポジショニングを明確にし、競争優位性を高めるための戦略を提案します。

(5)ユーザーエクスペリエンスの向上

ECサイトのユーザーエクスペリエンス(UX)は、顧客の購買意欲に大きな影響を与えます。使い勝手の良いサイト設計や、迅速な配送、充実したカスタマーサポートなどが求められますが、多くの企業はこれらの要素を十分に考慮できていないことがあります。
 
ECコンサルタントは、UXの最適化を通じて顧客満足度を高め、リピーターの獲得を支援します。

 

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ECコンサルタントの働き方

クライアントと議論するECコンサルタントの手元

 

ECコンサルタントには幅広い知識やスキルが求められるものの、働き方を自由に選べることが魅力の一つといえるでしょう。経験や実績を積めば、個人での独立開業も目指せます。一般的なECコンサルタントの働き方を紹介します。

 

(1)企業に所属

企業に所属しながらECコンサルタントとして働く場合、ECコンサルタンティングを手掛ける企業にコンサルタントとして勤めるケースやECモール運営企業に勤めてECショッピングモール運営側の関連企業に所属し、出店者を対象としたコンサルティング業務に携わるケースが多いでしょう。

 

ECコンサルティング企業に所属する場合、クライアント企業によってさまざまな商材・業界に携わることになります。ECコンサルタントとして幅広い経験を積めるでしょう。

 

ECモール運営の関連企業に所属する場合は、特定のECモールに関する業務しか携われない懸念点もありますが、大手企業を経験できる、事業戦略などを学べるというメリットがあります。

 

また、ECサイトの制作を請け負うWeb制作会社に所属し、オープン後のECサイト管理と運営サポートをおこなうケースもあります。企業の状況によっては、ECコンサルタンティング以外の業務もこなす必要性があるでしょう。

(2)フリーランスとして独立開業

ECコンサルタントのなかには、独立開業し、フリーランスのECコンサルタントとして個人で業務を請け負う働き方も選択できます。

 

仕事を獲得するためには、フリーランス向けの案件が集まるポータルサイトや、案件紹介サービスなどに登録することが一般的です。

 

ただし、ECサイト運営について幅広い知識を持っていたとしても、いきなり個人のECコンサルタントとして活躍することは難しいでしょう。前職での経験や、実際にECサイトを運営して成果を上げた実績などが評価されて、新たな仕事につながるケースが多いようです。

 

 

 

ECコンサルタントの主な仕事内容

ECコンサルタントの業務イメージ像

 

ECコンサルタントの最も重要な役割はECサイトの売上を上げることです。達成するための業務は多岐にわたります。ECコンサルタントが請け負う仕事の具体的な内容を例を交えて紹介します。

 

(1)現状分析および課題の洗い出し

まずは、担当するECサイトの現状を正しく理解するために分析をおこないます。例えば、以下のような検証をするのが一般的です。

    • ユーザーにとって使いやすいサイト構造になっているか
    • 商品のターゲットとマッチした訴求ができているか
    • サイトのアクセス数に対してコンバージョン(最終的な成果)率はどうか

 

検証結果をもとに売上が伸びない原因と課題を具体的に洗い出します。

(2)新たな戦略の設計

分析によって明確になった課題を克服するために、今後どのような戦略でECサイトを運営していくべきかを考案します。


クライアントのECサイト運営者の意見も取り入れながら、最適なプランの設計・提案が求められるでしょう。

(3)ECサイトの制作

必要に応じて、既存のECサイトを新たに作り変える提案をするのもECコンサルタントの役割です。


サイト構築には、必ずしもECコンサルタント個人が対応するわけではなく、専門業者や専任のSE、Webディレクターなどに任せることも珍しくありません。社外にアウトソーシングする場合、業者選定もECコンサルタントの業務となるでしょう。

(4)集客のサポート

ECサイトの集客力を高める施策を提案・実行するのも、ECコンサルタントの仕事です。どんなに優れた商品を作り、ECサイトを用意しても、顧客の目に触れなければ売上は上がりません。

 

ECサイトへの集客方法として代表的な4つの方法を紹介します。

集客方法 資料

集客方法には、扱う商品の特徴や顧客層、運営者の予算などによって最適なチャネルを提案、設定が必要です。


また、検索アルゴリズムやSNSのトレンドなどは常に変化を繰り返しています。一般的な知識だけでなく、常にアップデートされた最新の情報をふまえた対応が求められます。

(5)データ分析に基づくサイト改善

実施策の成果として、具体的なデータの分析もECコンサルタントの重要な業務です。また、分析結果をもとに改善策を新たに提案し、さらなる売上向上を目指します。

 

このように分析と改善を繰り返しながら、クライアント企業のECサイトの売上向上に貢献するのがECコンサルタントの仕事内容です。

 

 

 

ECコンサルタントに求められるスキル

クライアントの代表と話をするECコンサルタント

 

優秀なECコンサルタントとして活躍するためには、業務上の専門知識以外にも、求められるスキルが存在します。

 

(1)ECサイトの運営経験

ECサイトの運営経験は、いうまでもなく大きな武器となります。クライアント企業のEC担当者と同じ目線に立った、経験者ならではのアドバイスが可能です。

クライアント企業から興味を持たれやすい経験なので、特に独立開業を目指している場合は、積極的にアピールしましょう。

(2)柔軟性

ECコンサルタントには、状況に応じて適切な対応をする柔軟性も大切です。市場は常に変化しているうえ、クライアント企業の置かれた状況が急変することも考えられます。


どのような状況でもフレキシブルに対応するためには、一般論や固定概念に固執することなく、広い視野で物事を捉える思考力が求められます。また、提案の選択肢を増やすためには、常に最新の情報を取り入れるための努力も欠かせません。

(3)コミュニケーション能力

円滑に業務を進めるためには、日頃からクライアントに信頼され、良好な関係を築けるコミュニケーション能力が求められます。当然のことながら、ECコンサルタントは単独で仕事を進めることはできず、常にクライアント企業からの理解を得なければならないためです。

 

たとえば、今後のECサイト運営方針について意見が割れた場合でも、お互いの信頼関係が構築されていれば折衷案を見出しやすくなるでしょう。

(4)技術的知識

ECサイトの構築や運営には、基本的な技術的知識が求められます。HTML、CSS、JavaScriptなどのウェブ開発に関する知識や、ECプラットフォームの運用に関する知識を持っていると、クライアントの技術的な課題に対しても適切なアドバイスができるようになります。
 
技術的な理解が深いコンサルタントは、クライアントの信頼を得やすく、より具体的な提案を行うことができます。

(5)データ分析力

データ分析力は、ECコンサルタントにとって不可欠なスキルです。ECサイトの運営には、売上データ、顧客行動データ、トラフィックデータなど、さまざまなデータの分析が必要です。これらのデータを活用して、サイトの改善点や効果的なマーケティング戦略を導き出すことが求められます。
 
データ分析のスキルが高いコンサルタントは、データドリブンな意思決定をサポートし、クライアントの売上向上に貢献します。

(6)顧客志向

ECコンサルタントには、顧客志向の視点も重要です。クライアントのニーズや課題を的確に把握し、それに応じた解決策を提供することが求められます。
 
クライアントの成功を第一に考え、常に顧客の立場に立ったアプローチを心がけることで、長期的な信頼関係を築くことができます。

ECプラットフォーム別のコンサルタントの特徴

ECプラットフォーム別のコンサルタントの特徴
 
各ECプラットフォームでは特徴が異なるため、ECコンサルタントにはそれぞれに適した役割が求められます。

楽天市場

楽天市場は長い歴史を持つプラットフォームであり、楽天市場に特化した多くのECコンサルタントが存在します。楽天市場での成功を目指す場合、最新の情報に基づいたアプローチが重要です。
 
戦略的店舗運営
楽天市場の特性に合わせた店舗デザインや商品ページの最適化、SEO対策を行います。
 
ポイント活用
楽天スーパーポイントの効果的な活用方法を提案し、顧客のリピート購入を促進します。
 
プロモーション
楽天市場内でのキャンペーンやプロモーションの効果を最大限に引き出します。
 
データ分析
販売データを分析し、効果的なマーケティング戦略を策定します。

Amazon

Amazonのコンサルタントは、世界規模での販売をサポートします。Amazonでの成功には、特に検索順位を高めるための対策が重要です。
 
SEO対策
Amazon内の検索アルゴリズムに適応したSEO対策を実施し、商品の露出を高めます。
 
広告運用
Amazon Advertisingを効果的に運用し、広告からの注文を増やします。
 
FBA利用
フルフィルメント by Amazon (FBA) を活用し、効率的な物流とカスタマーサービスを提供します。
 
国際展開支援
Amazonのグローバルプラットフォームを活用し、海外市場への進出をサポートします。

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングのコンサルタントは、特定のターゲット層に向けた効果的なマーケティングを行います。
 
プレミアム会員特典
Yahoo!プレミアム会員向けの特典やキャンペーンを利用し、購買意欲を高めます。
 
リスティング広告
Yahoo!検索と連携したリスティング広告を通じて商品の露出を増やします。
 
イベント戦略
Yahoo!ショッピング内のイベントやセールを活用し、販売促進を図ります。
 
データ活用
販売データや顧客の行動データを分析し、効果的なマーケティング戦略を提案します。

 

ECコンサルタントにおすすめの資格

資格取得のための勉強風景

 

ECコンサルタントとして働くために、必須となる公的な資格などは存在しません。しかし、関連資格の取得によって、一定以上の知識を証明できるのは事実です。特に、独立開業を目指す場合には強みとなるため、次のような資格を目指してみるのも良いでしょう。

 

(1)応用情報技術者

国家試験「情報処理技術者試験」の一つの区分であり、ITの基礎知識や実践力が求められます。「基本情報技術者試験」の上位資格であり、対象者は「高度IT人材としての方向性を確立した人」です。

引用:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:応用情報技術者試験

(2)ITストラテジスト

IT系コンサルタントを目指す人に最適な試験で、ITを活用した戦略の策定・提案・推進を企業に対しておこなう人材を対象にしています。

引用:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:ITストラテジスト

(3)マーケティング・ビジネス実務検定

マーケティング実務の知識を総合的に判定する検定試験です。試験では、特定の業種を対象にしない、幅広いマーケティングの知識が試されます。

引用:マーケティング・ビジネス実務検定(R)|どこでも通用するマーケティングのスキルを磨く

(4)ウェブ解析士/上級ウェブ解析士

Web解析およびWebマーケティングの知識習得を目指す試験で、上級では戦略立案やコンサルティングスキルも求められます。テキストは毎年改定されており、常に最新の情報を取り入れながら学べるのも特徴です。

引用:”ウェブ解析士”とは‐43000名越が受験した実践資格|ウェブ解析士協会

(5)ネットマーケティング検定

インターネットの特性を理解し、最適なマーケティング手法を選べるスキルを身につけることを目的とした検定です。市場調査やSEO、商品販売など、ECコンサルタントとして働くうえでも役立つ知識を幅広く学びます。
引用:ネットマーケティング検定

(6)ネットショップ実務士(ネットショップ検定)

ネットショップ実務士は、Eコマース業界での実務能力を証明する資格です。ネットショップ市場の拡大に伴い、商品管理、プロモーション、顧客対応など、ネットショップ運営に必要な幅広い知識と実践力を証明するものとして注目されています。
引用:日本の資格検定|ネットショップ実務士の基本情報

(7)通販エキスパート検定

通販エキスパート検定は、通信販売業界の専門知識を評価する資格試験です。通販ビジネスの全体像を理解し、実務に即した知識を習得できる点に特徴があり、通信販売業界での就職や転職、キャリアアップを目指す人にとって有用な資格となっています。
引用:通販天職|通販エキスパート検定とは?独学で合格できる?難易度や試験概要を紹介

(8)Googleアナリティクス個人認定資格

Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)は、Googleアナリティクスの技能と知識を証明するための認定資格です。基本的な使用方法から高度な分析技術まで、幅広い知識が問われます。
引用:BAsixs|Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)とは?試験内容やメリット、対策方法、活用法まで御紹介!

 

 

独立開業の夢も叶う?将来性有望なECコンサルタントの魅力

顧客の信頼を得て提案するECコンサルタント

 

ECコンサルタントは、ECサイトの運営を幅広くサポートしながら、売上向上という最終目標の達成を担う、重要な仕事です。幅広い専門知識が必要なだけでなく、状況の変化に柔軟に対応する力や、クライアントとの信頼性を築くコミュニケーション能力も求められます。

 

EC市場の拡大によって高い需要や将来性が見込まれることに加え、個人で開業も叶う自由な働き方を選べるのもECコンサルタントの魅力でしょう。

 

Free Consultant.jpは、企業とフリーランスのプロフェッショナルをつなぐ案件紹介サービスです。経験やスキルを活かして、ECコンサルタントとして活躍を目指す方の案件探しをお手伝いいたします。お気軽に会員登録ボタンよりご登録ください。

 

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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