不毛な価格競争からの脱却!海外クラウドソーシングに活路

作成日:2016/11/14

 

岐路に立つ国内クラウドソーシング市場

フリーランス雇用のプラットフォームである国内クラウドソーシングが大きな岐路に

 

群衆を意味する「クラウド=crowd」と、業務を委託する「ソーシング=sourcing」を組み合わせた造語、“クラウドソーシング。

2000年代前半に、日本にもその概念が登場し、2010年以降から急激に存在感を増していき、新しい働き方を志向するフリーランスや個人事業主を中心に瞬く間に広がっていきました。現在、国内クラウドソーシングサービス市場は20社以上がひしめく群雄割拠の状態で、“ランサーズ”や“クラウドワークス”に代表されるあらゆる分野の業務を取り扱う総合型から、ライティングやデザイン、データアナリティクスなどある職種に特化した特化型クラウドソーシングまで、さまざまな形態のサービス提供者が現れてきています。

しかし、急激な成長を遂げ、フリーランスや個人事業主の雇用のプラットフォームとして大きな役割を果たしてきた国内クラウドソーシングが現在、大きな岐路に立たされています。

 

不毛な価格競争による優秀なクリエイター・エンジニアの離脱

プロフェッショナルフリーランスはどこに活路を

 

従来、クライアントサイドにとってクラウドソーシングの利用目的は、フリーランスや個人事業主で活躍する有能かつ自社の案件に最適なコンサルタントやエンジニア、クリエイターを発見し、自社のプロジェクトをスピード感もって進めるための分業を行うことでした。

しかし、クラウドソーシングのマーケットが広がり、クライアント数、そしてフリーランスや個人事業主の登録者数が増えるにつれ、コンサル案件の質やアウトプットの質の担保が難しくなってきていると言われています。

また、クライアントサイドがクラウドソーシングを利用する場合はBPR(業務改善)の手法の一つとして捉える場合が多く、言葉を選ばずに言うならば、「安かろう悪かろう」「たまたま良い人に当たったらラッキー」程度の位置付けで、とにかく業務効率化=コスト削減の1つのやり方としてクラウドソーシングに発注案件を登録しているという現状が発生しているという話も出てきています。

一方、劇的に人数が増えてきたフリーランスの登録者サイドは、1つのコンサル案件に対して、競合ユーザーが圧倒的に多くなり、コンサル案件を獲得するためには自身の受注単価を落としていき、時には不当に安い価格で見積もりを提示しなければコンサル案件を獲得できない、という状態が発生しています。

こういったサイクルが常態化することで、結果としてコンサル案件の単価自体もどんどん低価格化、更に受注競争が激しくなり提案金額も低価格化、、、というスパイラルに陥ってしまいます。本来であれば、フリーランス自身の得意分野のコンサル業務に対して、適切な価格で適切な労働力を提供し、クライアントの業務の向上に役立てるはずのクラウドソーシングというプラットフォームが、不毛な価格競争にさいなまれる、質の悪いコンサル案件やプロジェクト・レベルの低いアウトプットがはびこるプラットフォームに荒廃しつつあるのです。そうなってくると、フリーランスや個人事業主として活躍する優秀なコンサルタントやエンジニア、クリエイターにとっては、その不毛な受注競争の中に著しく自身の単価を下げてまで受注しに行くという行為は非効率そのものなので、彼らがクラウドソーシングから姿を消す、という流れが生まれつつあります。

では、そういった優秀なプロフェッショナルフリーランスは今後どこに活路を見出せばよいのでしょうか?

 

海外クラウドソーシングに活路を

 “フリーランス”が海外では定着、海外クラウドソーシングの最大手サービス案内

 

その解の一つが海外のクラウドソーシングにあります。

海外においては “フリーランス”という働き方が日本以上に定着していることもあり、フリーランスに対しての評価が高い傾向があります。一方、日本においては、フリーランスにコンサルプロジェクトを依頼するクライアント側の不安として「どんな質のものがあがってくるかがわらないから、高いコストで案件発注できない」という状況があり、結果としてこの不安がコンサル案件の低価格化につながるという構図になっています。海外のクラウドソーシングは、フリーランスのスキル・経験をしっかりと“売り”としてアピールし、「安かろう悪かろう」ではなく「適切価格で価格相応かそれ以上の品質が保証されている」という理解のもとでの利用が進んでいるといえそうです。

今回は、そんな海外クラウドソーシングサービスの中でも最大手である2つのサービスをご紹介させていただきます。

(1)Upwork https://www.upwork.com/

米国発のクラウドソーシング最大手であった2つのサービス「Elance」と「oDesk」が2013年12月に合併を発表し、世界最大規模のクラウドソーシングサイトとなったのが「Upwork」です。世界中の企業や個人をターゲットとしており、登録しているフリーランスやプロフェッショナルの数は1000万人以上、年間の実績金額は10億ドル以上と、圧倒的な規模でクラウドソーシングサイトを運営しています。また、登録しているクライアント数も400万以上と多く、クライアントとフリーランスのマッチング率も高くなっています。

ただし、現在、Upworkでの日本語のサポートはされていなく、日本のフリーランスがUpworkを通じてプロジェクト・案件に従事したいと考えた時には、英語力が必須となります。自身の英語力に自信があり、かつ世界を視野に入れたフリーランスでの活躍を志向しているコンサルタントやプロフェッショナルにはUpworkへの登録を検討することをおすすめします。

(2)Freelancer (https://www.freelancer.com/

2004年にサービスが開始された、オーストラリアに本社を置く世界最大規模のクラウドソーシングサイト「Freelancer」です。日本語翻訳ページも提供されており、フリーランスの日本人でも安心して登録できるサイトです。登録ユーザーの数はなんと1800万を超えると言われており、コンサルプロジェクトの案件数は800万件以上、ユーザーのマッチング率が高く、フリーランスの日本人コンサルタントでもプロジェクト・案件を得やすいのが魅力的です。

ただし、実際にコンサルプロジェクトを進めるとなると、クライアントとのコミュニケーション(メール等でのやり取り)は必然的に英語になりがちであるため、やはりフリーランスのコンサルタントやプロフェッショナルには英語が必須となってしまうかもしれません。

いかがでしたでしょうか?

国内クラウドソーシングが使う側も使われる側も意識の変革なしにこのままの成長曲線をたどることは、極めて危険な道であるといえるでしょう。一方で、フリーランスで活躍する優秀なエンジニア・クリエイターはその活躍の場の一つの選択肢として、海外クラウドソーシングを模索してみてはいかがでしょうか?

自身の新しい働き方がまた次のステージにいく、一つのきっかけになるかもしれませんよ。

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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