フリーランスのメンタルの悩みとは?不安・プレッシャーの対処法紹介

最終更新日:2025/10/22
作成日:2016/10/26

 フリーランスとして働いていると、仕事の波や収入の不安、人との関わりの少なさなどから、知らず知らずのうちにメンタルが疲れてしまうことがあります。

 

「そんなの仕方ない」「考えてもどうにもならない」と感じて、ついメンタルケアをめんどくさいと後回しにしていませんか?しかし、心の状態は仕事のパフォーマンスにも直結します。

 

この記事では、フリーランスが抱えやすいメンタルの悩みと、その向き合い方を分かりやすく紹介します。少し立ち止まって、自分の心の状態を見つめ直すきっかけにしてみてください。

 

目次

■フリーランスが抱えやすいメンタルの悩みとその原因
(1)将来への不安(収入・案件獲得)
(2)社会的な孤立感・孤独感
(3)すべてが自己責任というプレッシャー
(4)不規則な生活習慣
(5)過労によるストレス

 

■メンタル不調のサインに気づこう
(1)精神的なサイン
(2)身体的なサイン

 

■フリーランスがメンタルを健康に保つためのセルフケア
(1)生活リズムを整える
(2)オン・オフの切り替えを意識する
(3)孤独を解消する工夫をする
(4)運動や趣味でリフレッシュする

 

■メンタルが辛いと感じたときの対処法
(1)無理せず休む勇気をもつ
(2)相談できる相手・専門家を見つける
(3)働き方を見直す(業務量・スケジュールの調整)

 

■フリーランスがストレスを軽減する働き方の工夫
(1)継続的な案件獲得の仕組みを作る
(2)安定収入を得るために副収入源を持つ

 

■フリーランスのメンタルをチェック!厚生労働省「こころの耳」を活用

 

■まとめ

 

フリーランスが抱えやすいメンタルの悩みとその原因

デスクに座るビジネスパーソンの後ろ姿

自由で柔軟な働き方ができる一方で、フリーランスには「見えないストレス」もつきものです。会社に属さないからこそ、収入の不安定さや孤独感、責任の重さなど、メンタルを揺さぶる要素が少なくありません。

 

ここでは、フリーランスが抱えやすい主な悩みと、その背景にある原因を整理してみましょう。

 

将来への不安(収入・案件獲得)

フリーランスの多くがまず直面するのが、「収入の不安定さ」です。
会社員のように毎月決まった給与が保証されているわけではなく、月によって売上が大きく変動することもあります。

 

「来月の案件はあるだろうか」「契約が急に切られたらどうしよう」といった心配は、常に精神的なプレッシャーとしてのしかかります。

 

特に、独立直後や案件が一時的に途切れたときには、経済的不安がそのままメンタルの不調へとつながりやすくなります

 

継続的な収入へのプレッシャーが積み重なると、仕事へのモチベーション低下や自己否定感にもつながるため、注意が必要です。

 

社会的な孤立感・孤独感

在宅での作業が中心となるフリーランスは、人とのつながりが少なくなりがちです。会社員なら当たり前にある「同僚との雑談」や「ちょっとした相談」の場がなく、孤独を感じる瞬間も多いでしょう。

 

人との交流が減ると、仕事の悩みを共有できずに抱え込んでしまい、気づかないうちにストレスが蓄積していきます。

 

長期的には「自分だけ取り残されているような感覚」や「社会とのつながりが希薄になる不安」を感じるケースもあり、メンタルへの影響は決して小さくありません。

 

オンラインコミュニティや勉強会など、意識的に人と関わる時間を持つことが大切です。

 

すべてが自己責任というプレッシャー

フリーランスは、仕事の獲得から実務、請求・納税まで、すべてを自分一人で行う必要があります。トラブルやミスが起きたときも、最終的な責任を負うのは自分自身。

 

「自分が動かなければすべてが止まってしまう」という意識は、強いプレッシャーとなって積み重なります。

 

組織であれば助けてくれる上司や仲間がいますが、フリーランスにはそうしたセーフティネットがないため、精神的な負担が大きくなりやすいのです。

 

真面目で責任感が強い人ほど、自分を追い込みやすい傾向があります。

 

不規則な生活習慣

時間や場所を自由に選べるのはフリーランスの魅力ですが、裏を返せば、自分で自分を律しなければならないという難しさがあります。

 

仕事とプライベートの境目があいまいになり、深夜まで作業を続けたり、食事や睡眠をおろそかにしてしまうケースも少なくありません。

 

こうした不規則な生活は、体調だけでなくメンタルにも影響を与えます。睡眠不足は判断力や集中力を低下させ、自律神経の乱れが不安感やイライラを増幅させる恐れも。

 

日々のリズムを整えるのが、心の安定を保つ第一歩といえるでしょう。

 

過労によるストレス

「もっと稼がなきゃ」「期待に応えなきゃ」と、自分を追い込みすぎてしまうのも、フリーランスによくある悩みです。

 

仕事を断れず、休日を取らないまま働き続けると、知らず知らずのうちに心身が限界に達してしまうこともあります。

 

会社員のように労働時間を管理してくれる人がいないため、自分でブレーキをかけなければなりません

 

慢性的な疲労はストレス耐性を下げ、思考の柔軟性を奪う悪循環を生み出します。ときには「何もしない日」を意識的に作り、休むのも仕事のうちと考える姿勢が大切です。

 

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メンタル不調のサインに気づこう

多忙な日々を過ごすフリーランスにとって、自分の心身の変化に気づくのは簡単ではありません。しかし、メンタルの不調は放置すると、うつ病などの深刻な状態に発展する可能性も。

 

ここでは、精神面・身体面の両方から見られる「心のSOS」を紹介します。

 

精神的なサイン

以前は楽しめていた趣味や日常のちょっとしたことに喜びを感じられなくなったり、仕事に対してやる気が起きなくなったりするのは、メンタルの疲れが出始めているサインかもしれません。

 

集中力が続かずミスが増える、感情のコントロールが難しくなる(理由もなくイライラしたり、急に悲しくなったりする)といった変化も注意が必要です。

 

さらに、漠然とした不安感が続く、何をしても「どうせうまくいかない」と感じてしまう、朝起きるのがつらい、こうした状態が長く続く場合は、うつ病の初期症状である可能性もあります。

 

「気のせい」「一時的なもの」と片づけず、少し立ち止まって自分の心の声を聞いてみるのが大切です。

 

身体的なサイン

メンタルの不調は、身体にも確実に影響を及ぼします。夜なかなか寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝早くに目が覚めてしまう、といった睡眠の乱れは、心が緊張状態にあるサインです。

 

また、食欲が極端に減る、あるいは逆に過食傾向になるなど、食生活の変化にも注意が必要です。

 

頭痛、腹痛、めまい、肩こり、動悸、倦怠感など、原因が特定できない不調が続く場合も、ストレスや不安が身体を通して表れている可能性があります。

 

身体の不調を「年齢のせい」「疲れのせい」と軽く考えず、それが心のSOSであるかもしれないという視点を持つ点が重要です。苦しいと感じたときこそ、自分を責めず、しっかりと休む勇気を持ちましょう。

 

☆あわせて読みたい
『フリーランスという生き方に潜む落とし穴とは?』

 

フリーランスがメンタルを健康に保つためのセルフケア

デスクで作業する女性

フリーランスとして長く活躍し続けるためには、スキルだけでなく「心のコンディション」を整えることが欠かせません。日々の生活の中で少し工夫を加えるだけでも、心の負担を軽くし、ストレスフリーに近づけます。

 

ここでは、無理なく今日から取り入れられるセルフケアの方法を紹介します。

 

生活リズムを整える

心身の健康を支える基本は、やはり「規則正しい生活リズム」です。フリーランスは働く時間を自由に決められる反面、気づかないうちに昼夜逆転したり、就寝・起床時間がバラバラになったりしがちです。

 

毎日同じ時間に起きて寝る習慣を意識するだけでも、心と体のバランスが整っていきます。

 

特に、朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びることは、体内時計をリセットし、精神を安定させるホルモン「セロトニン」の分泌を促す効果があるとされています。

 

さらに、食事の時間を一定に保つのも大切です。不規則な食生活は血糖値や自律神経を乱し、メンタルの不調を招く原因になります。

 

まずは、「寝る・起きる・食べる」を整えることから始めてみましょう

 

オン・オフの切り替えを意識する

フリーランスにとって、仕事とプライベートの切り替えは最も難しい課題のひとつです。

 

仕事用と生活空間の境界があいまいになると、常に頭の中が「仕事モード」のままで、リラックスできなくなってしまいます。

 

そのため、意識的にオン・オフを切り替える工夫を取り入れることが大切です。たとえば、仕事専用のデスクを設ける、朝は服を着替えて気分を切り替える、「午前9時から午後6時まで」と時間を区切るなど、小さなルールで構いません。

 

終業時間になったらパソコンを閉じる、スマホの通知をオフにする、といった物理的な区切りも効果的です。「ここからは自分の時間」と明確に線を引けば、心が休まり、ストレスを蓄積しにくい状態を作れます。

 

孤独を解消する工夫をする

フリーランスの大きな課題のひとつが、孤独感です。一人で仕事を続けていると、誰にも相談できないプレッシャーや、社会とのつながりの薄さを感じてしまうことがあります。

 

そんなときは、意識的に人と関わる環境をつくりましょう。コワーキングスペースを利用すれば、同じように働くフリーランスと自然に交流が生まれるケースもあります。

 

また、オンラインコミュニティやSNSで同業者と情報交換をするのも、良い刺激になります。

 

さらに、仕事以外の時間に家族や友人と会う、地域イベントに参加するなど、日常的な会話の機会を持つのも大切です。

 

孤独を和らげる時間を少しずつ増やすと、気持ちが軽くなり、ストレスフリーな日常に近づけるでしょう。

 

運動や趣味でリフレッシュする

心の疲れを癒すためには、仕事から意識的に離れる時間を作ることが不可欠です。その手段として、運動や趣味の時間を取り入れるのが非常に効果的です。

 

ウォーキングやストレッチなどの軽い運動でも、ストレスホルモンの分泌を抑え、リラックス効果をもたらします。運動を習慣化すると、気分が前向きになり、自己肯定感の向上にもつながります。

 

また、仕事とは関係のない趣味に没頭する時間を持つのも重要です。絵を描く、音楽を聴く、カフェで読書をするなど、どんな内容でも、自分の感情を切り替えるきっかけになります。

 

これらの時間は単なる「息抜き」ではなく、心を回復させるための大切なメンテナンスです。リフレッシュを意識的に取り入れれば、結果的に生産性が上がり、長く健やかに働き続けることができるでしょう。

 

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メンタルが辛いと感じたときの対処法

パソコンを手に立つ女性

日頃からセルフケアを心がけていても、仕事のプレッシャーや将来への不安から、どうしてもメンタルが辛いと感じる時期は訪れるものです。

 

そんなときは、一人で抱え込まずに適切な対処をすることが、状況の悪化を防ぎ、回復への近道となります。

 

ここでは、実際に心が辛いと感じたときに取るべき、具体的な行動について解説します。

 

無理せず休む勇気をもつ

「休むと収入がなくなる」「クライアントに迷惑をかける」といった不安から、体調が悪くても無理して働き続けてしまうのがフリーランスの常です。

 

しかし、心身が限界を迎えてしまえば、回復に時間がかかり、結果的により長く仕事から離れなければならなくなります。辛いと感じたときは、勇気を出して休息を取りましょう。

 

一日仕事を休む、納期に余裕があるなら数日間休暇を取るなど、自分を労わることが長期的なキャリアを守ることにつながります

 

必要であれば、クライアントに事情を説明し、スケジュールの調整を相談するのも検討すべきです。

 

相談できる相手・専門家を見つける

悩みを一人で抱え込むと、視野が狭くなり、ネガティブな思考から抜け出せなくなります。

 

まずは、信頼できる家族や友人、あるいは同じフリーランスの仲間に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが整理され、心が軽くなるケースがあります。

 

もし、身近な人には話しにくい、あるいは話しても解決しないと感じる場合は、カウンセラーなど専門家の力を借りるのも有効な選択肢です。

 

カウンセリングや心療内科、精神科では、専門的な知識を持つプロが客観的な視点で話を聞き、適切なアドバイスをくれるでしょう。

 

働き方を見直す(業務量・スケジュールの調整)

メンタルの不調が、明らかに過重な労働やタイトなスケジュールに起因している場合は、働き方そのものを見直す必要があります。

 

現在の業務量が、自分の処理能力を恒常的に超えていないか冷静に分析しましょう。もしキャパシティオーバーしているのであれば、新規の案件を断る、継続案件の一部を減らしてもらうなどの調整が必要です。

 

また、常に納期に追われている状況なら、単価を上げて案件数を絞る、あるいはスケジュール管理の方法を改善するといった対策も考えられます。

 

心身に余裕を持てる働き方へと舵を切ることが、根本的な解決につながります。

 

 

フリーランスがストレスを軽減する働き方の工夫

パソコンを手に遠くを見つめる男性

メンタルヘルスを維持するためには、日々のセルフケアだけでなく、ストレスの原因となる働き方の構造自体を見直すのも非常に効果的です。

 

特にフリーランスの場合、精神的負担の大きな要因のひとつが「収入の不安定さ」です。

 

ここでは、精神的な安定を得るための具体的な働き方の工夫を紹介します。

 

継続的な案件獲得の仕組みを作る

常に新しい案件を探し続ける状況は、大きな精神的ストレスにつながります。不安を軽減するには、単発の仕事だけでなく、継続的に依頼をもらえる関係をクライアントと築くことが重要です。

 

質の高い成果物を納期通りに納品し、丁寧なコミュニケーションを心がけると信頼関係が生まれ、長期的なパートナーとして見てもらえる可能性が高まります。

 

また、スキルや実績をまとめたポートフォリオサイトやSNSを整備し、自分から営業しなくても問い合わせが来る仕組みを作るのも、案件獲得の安定化につながります。

 

こうした仕組みがあれば、精神的な余裕が生まれ、契約トラブルやハラスメントのような不快な状況にも柔軟に対応しやすくなります

 

安定収入を得るために副収入源を持つ

収入源が一つのクライアントに集中していると、その契約が終了した際の経済的・精神的ダメージが非常に大きくなります。リスクを分散するため、複数の収入の柱を持つことを意識しましょう

 

複数のクライアントと並行して取引を行うのはもちろん、以下のようなストック型の収入源を育てるのも有効です。

 

  • ・ブログのアフィリエイト収入
  • ・デジタルコンテンツの販売
  • ・オンライン講座の運営

 

これらは、一度仕組みを作れば自動的に収益を生む可能性があります。

 

複数の収入源があるという事実は、経済的な安心感だけでなく、精神的な安定剤にもなり、ストレスフリーに近づける働き方へとつながるでしょう

 

フリーランスのメンタルをチェック!厚生労働省「こころの耳」を活用

フリーランスとして働くと、自分のメンタル状態を客観的に把握するのは意外と難しいものです。

 

そんなときは、公的機関が提供するセルフチェックツールを活用するのがおすすめです。

 

厚生労働省が運営する働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、「5分でできる職場のストレスセルフチェック」や「疲労蓄積度セルフチェック」など、誰でも無料で利用できるツールが揃っています。

 

これらを使えば、自分のストレスレベルや心の健康状態を手軽に確認できます。

 

さらに、同サイトには専門家への相談窓口の情報も掲載されているため、セルフチェックの結果に応じて、フリーランスとして次に取るべきアクションの参考にもなるでしょう。

 

参考:こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

 

まとめ

笑顔でパソコン作業をする男性

メンタルを安定させて働くには、日々のセルフケアや生活リズムの整え方、仕事との向き合い方を意識することが大切です。

 

ストレスや不安をため込みすぎず、必要なときには相談できる相手や専門家の力を借りるのも、長く働き続けるためのポイントになります。

 

フリーランスとして安心して働く環境を整えたい方や、案件獲得やキャリアについて相談したい方は、信頼できるサービスを活用するのもおすすめです。

 

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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

 

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