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9.11テロを実体験したことで動き出した“使命感” 独立・起業と子育ての両立に向き合った女性のストーリー

9.11テロを実体験。向かい合わせにある“生”と“死”をリアルに感じることで、人は自分の「使命」や「自分らしい生き方」に気が付くことができるのかもしれない。

みらいワークスがお届けする「プロフェッショナリズム」。今回のインタビューは生沼 麗さん。
9.11テロが起きたまさにその時、ワールドトレードセンター内で働いていたという稀有な、そして恐ろしい実体験を持つ生沼さん。その体験があったからこその考え方の変化や人生との向き合い方は、深く、そしてためになる示唆が詰まっていました。また、独立・起業へのチャレンジと子育ての両立に不安と悩みを抱えるビジネスウーマンにとっても、勇気をもらえる内容となった今回のインタビュー。是非ご覧ください。

今回のインタビューにご協力いただいたプロフェッショナル人材・コンサルタント

コンサルタント・プロフェッショナル画像
生沼 麗(オイヌマ ウララ)

日本の大学にて法学部を卒業後、海外に渡り、アメリカにて大学院修士課程を卒業。大学院卒業後は、大手日系及びアメリカの証券会社にて、トレード及び各国契約書のネゴシエーターとして経済・法律文書の作成に従事。

現在は、独立・起業し、日本企業のグローバル化、及び海外企業の日本進出のサポート事業に加え、グローバル人材の育成やグローバルビジネスをテーマとした研修、セミナー事業等を展開中。

9.11テロの体験から自身の「使命」を考える

9.11テロの体験から自身の「使命」を考える

 

現在、独立・起業され、日本企業のグローバル化、海外企業の日本進出サポート事業等を手掛ける生沼さんですが、まずはじめに独立・起業に至るまでの経緯や背景を教えていただけますか?

生沼さん(以下、敬称略):学生時代まで遡るのですが、最初に海外を経験したのがオーストラリアのシドニーでした。シドニーには5年近く住んでいたのですが、大学卒業のタイミングで「もう一度海外に行って勉強し直したい」という思いが生まれ、ニューヨークの大学院に入学しました。卒業後はそのままニューヨークで働きたいという思いが強かったため、日系の大手証券会社に入社しました。

実は、その時に9.11テロの現場に居合わせまして・・・。

 

 

えっ!?9.11のテロの現場にいらっしゃったのですか!?

生沼:はい。まさにワールドトレードセンターの21階に当時働いていた会社のオフィスがあり、そちらで働いていました。「本当に死ぬかもしれない」という気持ちの中、必死に逃げたのを今でも覚えています。

その瞬間は「地震があるはずのない地域でなぜこんな揺れがあるのだろう」というくらいガンッという衝撃がきて。たまたま私は窓際の席だったので窓の外を見てみると火の粉や色々なものが飛び散っていて「何が起きているのだろう・・・」という異様な光景が広がっていました。瞬間的に「もしかしたら命に関わる事件が起きているのかもしれない」と。

その時点ではまだ電話が通じたので、すぐに受話器を取って当時海外に住んでいた両親に連絡し、「もしかしたら大ニュースになる事件に巻き込まれているかもしれないけど、私は大丈夫だから安心して」ということだけ伝えて。その後二機目も追突し、メールも電話も半日以上は通じなくなりました。

 

 

テロの現場に実際にいらっしゃった方には初めてお会いしました。ご両親やご友人はさぞかし心配なさったでしょうね・・・。

生沼:そうですね。友人からは「大丈夫か?」といったメールや電話をたくさんもらい、両親は当時働いていた会社の日本オフィスに「娘は無事か確認を取ってくれ」と連絡を仰いでくれたみたいでしたが、メールも電話も半日以上は通じなかったので、周囲の方々にはたくさん心配をかけました。

私はそれまで事故に遭ったことがなかったのですが、交通事故に遭う方がよく「スローモーションのようだった」とおっしゃるじゃないですか。まさにそれを初めて体感しました。逃げていく中でどうしても足がすくんで動けなくなったり、気絶してしまう方も多くいて、そういう方を大柄な男性が抱えて一緒にみんなで逃げるという凄まじい状況でした。

性別・年齢・国籍に関係なく、「みんなで一緒に」「みんなで助け合って」逃げようという結束があちらこちらで生まれていて。ニューヨークはもともと世界中の人たちが集まる街ではありますが、事件後1年ぐらいは世界各国の人々が一丸となって助け合う、みたいな雰囲気がすごくありました。

 

 

強烈な体験・経験をなさったのですね。独立・起業した背景にはそのテロを実際に体験した影響も大きかったということでしょうか?

生沼:そうですね。あのテロを経験して、「助かったことには何か意味があるのではないか」「私には使命があるのではないか」と考えるようになりました。「人生一度きりしかないから、やりたいことをやろう」と本当にそう思います。あのテロをきっかけにテロは世界中で頻発していますが、「日本にいてもいつ死ぬか分からない」という気持ちが私の中には常にあります。だから、「絶対に悔いのない人生にしよう」と。もちろん全てを達成することできませんが、いつ死んでも後悔のない人生を送りたいと思っていますね。

 

テロを乗り越え日本に帰国。独立・起業と子育ての両立

テロを乗り越え日本に帰国。独立・起業と子育ての両立

 

9.11テロを経験してからのキャリアと独立までの道のりを教えていただけますか?

生沼:テロの後にアメリカの証券会社から「バイリンガルの日本人を探しているからこないか」とお誘いをいただいたのがきっかけでした。面接してみたところお互いにマッチし、また会社が少し安心できるミッドタウンにあったということもあって大手米国証券会社に転職しました。

そこから大手米国証券会社でキャリアを積む中で日本に帰国することになり、その後もしばらくは日本の大手米国証券会社で働いていたのですが、先ほど申し上げたように「9.11のテロでせっかく命拾いした私には使命があるのではないか」「何か別のことをするべきなのではないか」という気持ちをどこかに持ち続けていました。

反面、「本当に大丈夫だろうか?」という不安が拭えきれずに、独立に踏み切れない日々が続いていたのですが、この不安な思いは一生なくなることはないなと割り切り、「もう飛び込まないと」と2013年12月に起業しました。

 

 

現在は、具体的にどのような事業を中心にビジネスを展開されているのでしょうか?

生沼:自分自身のそれまでのキャリアを活かしながら、今は日本企業の海外進出の支援や、あるいは日本にいながらでもグローバル対応する必要がある企業のプロジェクトのお手伝いをさせていただいています。

同時に、これから駐在で海外へ出向なさるビジネスパーソンに対しての研修講師といったお仕事も。やはり日本以外に住むと、日本人の素晴らしさや日本文化の魅力を改めて感じさせられます。そういったことも含めて、私は日本人として生まれて良かったと思えるので、そういった魅力をこれからもっと発信できればという思いです。

 

 

生沼さんはお子様もいらっしゃると思いますが、ご自身の会社経営と子育ての両立はさぞかし大変なのではないでしょうか?

生沼:仕事しながらの子育てはやはり大変です(笑)。とにかく時間がないですね。子育ては子育てで大変ですし、お仕事はお仕事で大変なので、とにかく時間の短さを実感する毎日です。

基本的には、平日はギリギリの時間まで子供を保育園に預かってもらい、その間は仕事に集中。家にいる間は子供に集中し、仕事が残っている場合は子供を寝かしつけてからまた仕事をする、というサイクルです。土日は、主人も子供の面倒を見てくれていますので、交代で子供を見ながら用事を済ませるという形ですね。

独立・起業していたからこそ、自分自身の裁量の中で子供にかける時間もある程度フレキシビリティを持たせることができますし、そういう意味でも独立して本当に良かったなと感じています。とはいえ、時間がないというのは日々反省する所ではあるのですが・・・(笑)。

 

”女性の意識”が、女性が働く環境も変える。新しい社会はワーキングマザーも一緒に作っていく。

”女性の意識”が、女性が働く環境も変える。新しい社会はワーキングマザーも一緒に作っていく。

 

先ほど“独立することでフレキシビリティが”というお話がありましたが、今の生活スタイルは独立する前から「こうなっていたらいいな」と想像していたものだったのでしょうか?

生沼:そうですね。出産するのであれば独立してからが良いかなとは思っていました。会社勤めでいるとどうしてもたくさんの制約がありますし、会社にもよりますが少なからず女性にとって働きにくい環境になってしまうのは、外資でもやはりそうですからね。

 

 

そうなんですね。比較的外資企業の方がそのあたりの女性の出産や働き方に関して寛容イメージがあったのですが?

生沼:イメージはそうですよね。外資の大手企業であってもやはり時短勤務になってしまいますし、キャリアはどうしても伸ばせなくなります。ポジションが下がる場合もありますし。それを見てきたこともあったので、それであれば独立したほうが良いかなという気持ちもありました。

 

 

やはりそこは外資も内資も関係なく、一つの大きな社会課題なのですね。

生沼:そう思います。変えていかなくてはならないですね。ただし、それは社会だけのせいではなく、同時に女性側も意識を変えていくべきことだと思っています。

現状、日本においては出産後まもなく復帰できる社会制度が整っていないので、悪循環にはまってしまっています。早く社会制度と女性の意識改革の相乗効果がもたらされるような社会になれば良いと思います。もちろん家庭ごとに状況は色々ですし、個人の価値観がありますので画一的なことは言えませんが、女性一人一人がもう少し仕事に対して自分に厳しくなろうという姿勢が日本でも高まれば、社会として男性も協力してくれる風土が生まれ、その相乗効果で変わっていくのかなとも思います。

 

 

まさに弊社みらいワークスの仕事は、独立されている個人を応援するというのは当然あるものの、そういった方々の活躍の場を広げることで、それを目の当たりにした周囲の人たちの働き方に対する考え方を変えることにもつながると感じています。そういった形で啓蒙が広がっていくことが“働き方”に関する問題を解決する一助につながるのだろうなと思っています。

生沼:その通りだと思います。みらいワークスさんには是非とも頑張っていただきたいですね。

 

 

このインタビューも、特に最近はご活躍されている女性にインタビューさせていただくことが増えてきています。さまざまな女性の生き様や苦難を聞かせていただき、それを世の中に発信することで、見た人に「こういう選択肢もあるんだな」と少しでも知っていただくことができたら・・・世の中を良い方向に進める、少しのきっかけになるのではないかと思って続けています。

生沼:私も数名の方のインタビューを拝読したのですが、驚いたことに何名か知り合いがいましたよ(笑)。独立すると、同じ独立仲間でつながる機会が増え、こういう形で活躍する姿をみることができて、すごく励みになります。

 

 

やはり独立した方々は横のつながりが広がっていくものなのですね。最後になりますが、生沼さんの今後の展望があれば是非ともお聞かせください。

 

生沼:私個人の考えであって、主人とは違う考えかもしれないのですが(笑)、もともと私は海外暮らしが長かったこともあり、自分の子供にも海外で生活してもらいたいと思っています。日本の同じ地域で10年生活するよりも、今までいた所と極端に異なる環境で1年間生活することの方が子供の成長率が高いような気がしています。自分もそういう経験をしてきた背景があるので、そこは妥協せずにトライしたいなと思いながら今コツコツと準備していますね。

 

 

ご主人のお仕事は士業だと伺っていますが、そうすると海外での仕事は難しいですよね?

生沼:そうなんですよね。主人が経営する事務所とは別に別業種の会社を経営しているので、すぐにとはいかないものの何年か後に国外からマネジメントしながらそこで収入を確保して、海外でまた別の事業をする、という形が理想的だとは考えていて、少しずつ主人に対する啓蒙活動をしているところです (笑)。

 

 

そういった働き方とかライフスタイルを考える際にも、やはり独立しているというのは選択肢が増えますよね。

まさにそう思います。会社員であればたまたま運良く海外転勤になれば、ということしかありません。私の子どもの頃はまさにそのケースで、両親がサラリーマンで海外駐在になりついていくという形でした。

独立することによって、自分の意思で自分がやりたい方向にベクトルを方向転換できると信じていますので、そこは大きなメリットだと思っています。

 

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

文章では表現しきれませんでしたが、9.11テロの現場の様子を生々しく語ってくださった生沼さん。瞬間的にでも“生”と“死”に向き合ったからこそ発せられる生き方や働き方に対する考え方はとても興味深く、その所作や口調、空気感までもがとても素敵で、思わず惹きつけられるインタビューでした。

一人の働き方が変わることで、それがまわりにも波及していき、世の中全体が良い方向に向かっていく。みらいワークスが目指していく社会と同じ考え方を持たれていた生沼さんを、これからも応援していきたいと強く思いました。

 

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