【SAPコンサルタント必読】SAP4HANAとERPの違いや導入メリットと将来性を整理

 

SAP4HANAは、国内外で企業の導入シェア数をのばしているERPパッケージソフトで、機能の進化により将来性に期待が寄せられています。導入企業の成功事例も踏まえながら、SAP4HANA・SAPS4HANAとは何か、SAP ERPとの違いや導入メリットなどを解説します。SAP4HANAの概要や歴史、機能、将来性について改めて整理できる内容です。

 

作成日:2022/04/11

 

目次

 

■SAP 4 HANAとSAP S/4 HANAとは?
(1)SAP4HANAの機能と設計
(2)SAP4HANAの歴史

 

■SAP4HANAと「SAP HANA」「ERP」との違い
(1)SAP HANAとの違い
(2)ERPとの違い

 

■SAP S/4HANAの将来性

 

■SAP S/4HANA導入のメリット
(1)SAP「 2025年問題」「2027年問題」の最適化
(2)分析やレポーティングを同じ基盤で実施可能
(3)TCOおよびインフラコストの削減
(4)構築基盤を自由に選択可能
(5)コアビジネスにおけるサスティナビリティ実現を支援

 

■SAP S/4 HANAで社内環境を統括しよう

 

 

SAP 4 HANAとSAP S/4 HANAとは?

概要メリットなどを比べるイメージ

 

ドイツのITベンダー大手、SAP社のインメモリデータベース「SAP HANA」。そして、現行世代が「SAP S/4 HANA」です。SAP S/4 HANAは、SAP HANAが標準プラットフォームとして利用するSAP ERPソリューションの現行製品として注目されています。簡単にまとめると、SAP S4HANA はSAP社のインメモリデータベースのSAP HANAを基盤とするERPソフトウェアというわけです。

 

また「SAP S4HANA」の正式製品名は、「SAP Business Suite for HANA」。「SAP S/4HANA」とは、「Simpleな第4世代」を示しています。旧世代からの変化は、次の通りです。

  • 第1世代 :SAP R/2
  • 第2世代 :SAP R/3
  • 第3世代 :SAP ERP
  • 第4世代 :SAP S/4HANA

(1)SAP4HANAの機能と設計

第4世代として登場したSAP4HANAの機能をAIで効率化できる業務は次の通りです。

  • ●財務会計
  • ●管理会計
  • ●販売管理
  • ●生産管理
  • ●在庫管理
  • ●人事管理

 

これらの業務のソフトウェアコンポーネントとして利用できます。また、SAP4HANAの機能は、次のカテゴリに分類されて、業務ごとに実装されます。

 

  • ○データベースサービス
  • ○分析処理
  • ○アプリケーション開発
  • ○データアクセス
  • ○管理
  • ○セキュリティ

 

SAP4HANAは、業界最高基準のビジネスプロセスで設計されています。また、クラウドによる処理高速化で、企業経営における工程のスリム化も実現できるでしょう。

(2)SAP4HANAの歴史

SAP社の現行製品SAP4HANAには、歴史があります。誕生は、2015年2月の発表からです。日本では、2016年から利用できるようになりました。SAP S/4 HANAは、販売開始から1年で3,200社に及ぶ企業が採用し、2019年7月時点では1万1,500社まで導入企業が増えています。

 

大手企業の導入は珍しくありませんが、時代の変化とともに、SAP4HANAを導入する中小企業も増えてきました。

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SAP4HANAと「SAP HANA」「ERP」との違い

sap イメージ図


SAP4HANAは、SAP HANAやSAP ERPと混同される傾向があります。それぞれ機能の違いを紹介します。

 

(1)SAP HANAとの違い

SAP S/4 HANAは、SAP HANAのアーキテクチャを基盤としています。SAP HANAは、SAP社が2010年に提供開始した情報を超高速処理できるデータベースです。

 

SAP HANAのアーキテクチャは、インメモリデータベースのプラットフォームが基盤になります。インメモリデータベースは、データすべてをメモリ上に保有する高速データ処理が特徴です。そのため、大規模なデータ解析を高速処理できます。

 

SAP HANAのインメモリデータベース基盤はSAP S/4 HANAと同じですが、次のような違いがあります。

 

①SAP HANA:インメモリデータベース

②SAP4HANA:インメモリデータベースを基盤として動作するERPソリューション

 

基盤をそのままERPソリューションに移行して、SAP HANAデータモデルを可能な限りシンプルにした製品がSAP4HANAです。つまり、高速化されたデータ処理のできるERP製品がSAP4HANA移行で実現できます。

(2)ERPとの違い

SAP4HANAとSAP ERPの違いは、データ処理機能にあります。SAP ERPでは、各業務の機能別に画面を移動する必要がありました。SAP S/4HANAの移行により、ユーザーによる処理画面のカスタマイズが可能です。そのため、ユーザーごとのロール画面を設計して、画面移動の工程を減らせるようになりました。。

 

SAP S/4HANAでは、SAP ERPソリューションで使用していた中間テーブルを排除し、2つのテーブルだけの使用となりました。基本的にSAP ERPで利用可能な機能は、移行することでSAP S/4HANAに反映されています。ERPから、ユーザーエクスペリエンス設計を大幅に改良しているのがSAP S/4HANAです。

 

SAP ERP からSAP S/4HANAへ移行後の主な改良点は、いままでは、仕入れ先や得意先など個別で管理が必要だった個別マスターをBP(ビジネスパートナー)マスターで一元管理できるようになった点があげられます。

 

 

SAP S/4HANAの将来性

sap4HANA イメージ図

 

現行型のSAP S/4HANAの将来性は、機能の進化から読み取れるのではないでしょうか。SAP S/4HANAは、リリース後もユーザーの疑問に答える形で現在も進化しています。クラウドやオンプレミスなど企業の条件に合わせた製品の導入スタイルが国内外でシェアを伸ばしている要因のひとつです。

 

一概には言えませんが、SAP4HANAは従来のSAP製品よりシンプルな操作性が特徴です。SAPコンサルタント資格を持っているエンジニアなら手軽に使いこなせます。

 

エンジニア不足を課題とする企業にとっては、SAP4HANAの最速化・最適化が保守管理や在庫管理の工程を将来的に減らす手法となるでしょう。

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SAP S/4HANA導入のメリット

sap4HANA メリット

 

SAP4HANA導入により、スピード経営、物流の迅速化、業務効率化、テレワーク対応といったメリットが得られると考えられています。


さらに、SAP S/4HANAを企業の業務領域に導入させることで次のようなメリットもあるようです。

 

(1)SAP「 2025年問題」「2027年問題」の最適化

SAP S/4HANA の導入メリットは、SAP「2025年問題」と「2027年問題」の最適化できる点です。「SAP 2025年問題」は、SAP ERPのサポート期限が2025年で終了になるため、保守期限が迫っている問題です。

 

保守を継続するには、ERP6.0への移行が必要です。エンハンスドパッケージが5.0以下のERPについては、保守期限終了のため、ユーザー企業のシステム環境に大きな影響をもたらす危険性があります。

 

また「2027年問題」ではECC6.0の保守に関わるメインストリームサポートが2027年に終了します。SAP社は、2つの保守サポート終了問題を乗り越える切り札としてSAP S/4 HANAを開発しました。導入により保守サポートの最適化問題は解決できるでしょう。

(2)分析やレポーティングを同じ基盤で実施可能

SAP S/4 HANAは分析やレポーティングを同じ基盤で実施できる効率性も大きなメリットです。2017年9月に発表された新バージョン「SAP S/4HANA 1709」から、機械学習機能が搭載されました。


AIによる機械学習機能は、分析やレポーティングを同じ基盤で実施するため、経営意思決定に必要となる情報をスピーディに提供できます。

(3)TCOおよびインフラコストの削減

SAP S/4 HANAのデータ処理は、従来のデータベースでは実感できなかった10~10万倍の速度に向上しています。ERPソリューションのほぼすべての業務領域において高い処理速度が実現可能です。

 

SAP S/4 HANAのデータ処理システムの高速化されたレスポンスにより、オペレーション時間が減少し、TCO(機器やソフトの総所有コスト)が削減されます。TCOの削減にともない、データサイズが小さくなるためインフラコストの削減も可能です。

 

SAP S/4 HANAのクラウド展開により、コスト削減に成功した企業事例の具体的な効果を紹介します。

 

  • ●月末のデータ処理及びデータの並び替えに要した時間コスト:2日間から30分に短縮
  • ●財務担当者の人数を10%削減:余剰リソースで戦略に要する時間を創出
  • ●財務部の時間的リソース80%が事業戦略にあてられる
  • ●内外の監査管理業務の78%をシステムで自動化

 

今後、こうした企業事例が増えることでSAPS/4HANA導入の障壁はますます下がるでしょう。

(4)構築基盤を自由に選択可能

SAP S/4 HANAは、オンプレミスやクラウド、ハイブリッドの中から構築基盤を自由に選択できます。連携先として、Microsoft Azureにも対応可能です。

 

将来的には、クラウドのメリットや先進的な機能性を考慮してAzure上でSAP S/4 HANAを動作させることが期待されます。企業の営業部門やマーケティング部門などで情報を活用できる、戦略的な企業情報システムの実現が可能です。新規事業を立ち上げる際は、初動からコストを意識した経営を実現できます。

(5)コアビジネスにおけるサスティナビリティ実現を支援

SAP S/4 HANAは、コアビジネスにおけるサスティナビリティ実現をサポートします。SAP のエンタープライズソリューションは、全社的な機能と業種ごとの特徴となるサステナビリティ機能が利用可能です。

 

オペレーションやエクスペリエンス、財務に関するインサイトをコアビジネスプロセスに組み込むことで、持続可能なシステム開発を実現します。SAP S/4 HANAは、サステナビリティを大規模に推進する役割を担うでしょう。また、コアビジネスにおける意思決定の環境づくりでも貢献できます。

 

環境データ、社会データ、財部データなどをを総合的に結び付け、より的確な意思決定が行える環境づくりをSAP S/4 HANAが実現します。

 

 

SAP S/4 HANAで社内環境を統括しよう

和気あいあい

 

今回は、SAP S/4 HANAの概要から、SAP HANAやERPとの違いについて解説しました。SAP社が提供するSAP S/4 HANAは、SAP HANAの強みとERPの機能を統合したインフラコスト削減に欠かせないERP製品です。エンジニア不足が課題となる今後を見すえて、新規事業の立ち上げでは、AIの機械学習機能の業務領域拡大が必須といわれています。

 

また、物流コストを抑えた在庫管理も求められるでしょう。そのため、ビジネスでは営業とシームレスに連携するためのクラウドやデータ活用が重要です。SAP S/4 HANAは、現在もデータ処理の高速化とシンプルな操作性・保守サポートの追求しています。進化を続ける姿勢が今後も将来性を担保するものとなるでしょう。

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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