週末起業の成功事例とは？おすすめアイデアと失敗しないポイント

独立・起業のノウハウ・ドウハウ

最終更新日：2025/08/19
作成日：2017/06/07

会社員として働きながら、自分の得意や趣味を活かして週末だけ起業する「週末起業」。本業の安定収入を維持しつつ、新しいチャレンジができることから、注目を集めています。

本記事では、実際に週末起業から成功を収めた事例を紹介するとともに、初心者でも始めやすいおすすめのアイデアや、失敗を避けるためのポイントも解説します。

■成功事例から見る！週末起業をを失敗させないためのポイント
（1）時間をつくる工夫をする
 （2）小さく始めてリスクを抑える
 （3）強みを生かしたテーマを選ぶ
 （4）顧客との接点を大切にする
 （5）継続できる仕組みを整える

■まとめ

週末起業とは？

部屋でカップを片手にリラックスして仕事をする男性

週末起業とは、会社員として本業を続けながら、休日や就業後の時間を活用して自らの事業を立ち上げる起業スタイルです。

安定した給与収入を確保しつつ、新しいビジネスに挑戦できるため、リスクを抑えて独立への第一歩を踏み出せる点が大きな特徴です。

取り組み方はさまざまで、本業で培ったスキルや経験を活かすケースもあれば、趣味や得意分野を事業化するケースもあります。

副業と混同されがちですが、週末起業は「事業として収益を継続的に上げること」を目的としています。単なる副収入にとどまらず、将来的な独立やキャリアアップを見据えている点が、副業との違いです。

週末起業の成功事例

右肩あがりに積み重なるコイン

ここでは、実際に週末起業から成功を収めた企業の事例を紹介します。成功事例から、ビジネスアイデアや成功のヒントを見つけましょう。

any株式会社

any株式会社は、ナレッジ経営クラウド「Qast」を提供し、企業の情報共有を支援するSaaSを展開している企業です。2016年10月に設立され、現在では大手企業にも導入されるほど成長を遂げています。

代表の吉田和史氏は、会社員時代に、自社メディアや漫画アプリの運営で週末起業をしました。しかし、大手との競合により、成功には至らなかった経験があります。

週末起業での経験を通じて、「自分が本当に解決したい課題」に立ち返り、社内のナレッジ共有を促進する「Qast」の開発に集中するようになりました。

自身の悩みから生まれた課題意識を事業化し、ユーザーの共感を得ながら成長させていった点は、週末起業の理想的なモデルケースといえるでしょう。

参考元：any 吉田和史｜ AIを活用したナレッジマネジメントプラットフォームで組織の情報共有を後押し

株式会社ブルーベリーファームおかざき

「ブルーベリーファームおかざき」は、代表の畔柳茂樹氏が、大手自動車部品メーカー勤務から週末起業を経て立ち上げた観光農園です。40代で農業に挑戦する決意を固め、2007年に開園しました。

わずか60日ほどの営業日数で、年収2,000万円を超える収益を上げるなど、その成功は大きな注目を集めています。

ブルーベリーの栽培にとどまらず、観光農園としてのイベント開催やオンライン講座、書籍出版など、幅広く事業を展開し、多くのメディアで取り上げられています。

本業とは異なる分野であっても、会社員時代に培った企画力やビジネス感覚を応用すれば、大きな成果を得らることを示す成功事例です。

参考元：ブルーベリーファームおかざき畔柳茂樹｜40代でも遅くない！会社から逃げる勇気があれば人生が豊かになる

株式会社Ponnuf

株式会社Ponnuf（ポンヌフ）は、Webメディアの運営やコワーキングコミュニティを展開する企業です。

代表の山口拓也氏は、大学時代の経験を活かし「新しいつながりを生み出す場を作りたい」との思いから、まずは週末起業を開始。Webメディア支援を中心に実績を積み上げ、2014年に法人化しました。

その後は、千葉県や山梨県で「まるも」「hinode」「teraco」といったコワーキング拠点を運営し、「田舎フリーランス養成講座」を通じて若手育成にも注力。

小さな一歩からスタートし、法人化・従業員20名規模へと成長した事例は、週末起業から本格ビジネスへ発展したモデルケースといえます。

参考元：中小企業庁「小規模企業白書 2019」P116 事例2-2-4：株式会社Ponnuf

バタフライボード株式会社

バタフライボード株式会社は、携帯性と使いやすさに優れたホワイトボード「バタフライボード」を開発・販売する企業です。

代表の福島英彦氏は、前職での経験から「どこでも使えるホワイトボードが欲しい」と感じ、2013年より週末起業して、副業的に製品開発をスタートしました。

試作や改良を重ね、独自の特許技術を確立した後、クラウドファンディングに挑戦。初回は800名から約300万円を集め、その後も国内外で累計数千万円規模の資金を調達し、改良を重ねながら事業を拡大してきました。

約1,500日間にわたる副業での開発期間を経て、法人化に至った同社は、身近な課題を出発点に、共感を得ながらファンを広げて成長した週末起業の成功事例と言えるでしょう。

参考元：中小企業庁「小規模企業白書 2019」P122 事例2-2-6：バタフライボード株式会社

株式会社ベジタル

株式会社ベジタルは、「豊かな食卓は、人生を豊かにする」を理念に、マタニティ食品やスープ専門店の企画・販売を行う企業です。

代表の宮川修一氏は、外食産業での商品開発経験を経て、2011年に週末起業として屋外イベントでスープ販売を開始。開業資金は約5万円と小規模でしたが、規格外野菜を活かした取り組みが注目を集めました。

その後、妻の妊娠を機にマタニティ食品の市場ニーズに気付き、管理栄養士や病院と連携して「マタニティスープ」を開発。クラウドファンディングや展示会を通じて支持を得ました。

販売初期は苦戦もありましたが、スポットコンサルを利用して外部から知見を得ることで、営業体制を強化。現在では、大手通販カタログへの掲載や海外商談にまで事業を拡大しています。

小さな副業から始め、身近な課題を社会的価値ある商品に育て上げた週末起業の成功事例と言えるでしょう。

参考元：中小企業庁「小規模企業白書 2019」P142 事例2-2-8：株式会社ベジタル

成功事例から見る！週末起業をを失敗させないためのポイント

パソコン作業をするビジネスパーソン

週末起業を成功させるには、限られた時間で効率的に事業を進め、リスクを最小限に抑える工夫が重要です。

先行事例に共通するポイントを押さえることで、自分のビジネスにも活かせます。ここでは、週末起業でよく見られる成功のコツを具体的に紹介します。

時間をつくる工夫をする

週末起業は本業と並行して行うため、時間の使い方が成功の鍵となります。

まず生活リズムを見直し、通勤時間や隙間時間を学習や情報収集に活用しましょう。家事や育児の分担を見直し、パートナーの協力を得ることも有効でしょう。

早朝や深夜など集中できる時間を見つけ、その時間帯に事業活動を組み込むルーティンを作ると効率が上がります。

また、タスク管理ツールで作業の優先順位を明確にし、計画的に進めることも重要です。無理なく継続できるよう工夫すれば、限られた週末の時間でも着実に成果を積み重ねられます。

小さく始めてリスクを抑える

週末起業では、初期費用を抑えてリスクを最小化することが成功の秘訣です。多額の資金を投じると、事業がうまくいかなかった場合に大きな損失を抱えかねません。

例えば、自宅やオンラインを拠点にして、店舗やオフィスの賃貸費用を削減する方法があります。

また、在庫リスクのある物販よりも、スキルや知識を提供するサービス業やデジタルコンテンツ販売など、仕入れが不要なモデルでのスタートが安心です。

最初から完璧を目指さず、少額で試行錯誤を繰り返しながら顧客ニーズや事業の方向性を確認する「スモールスタート」の姿勢が、長期的な成功につながります。

強みを生かしたテーマを選ぶ

週末起業で成果を上げるには、自分の強みや得意なことを活かせるテーマ選びが重要です。本業で培った専門知識やスキル、趣味や経験に基づくアイデアは、競合との差別化にもつながります。

例えば、IT知識があるならWebサイト制作やプログラミング、デザインスキルがあるならロゴやイラスト制作などがおすすめです。

自分の興味や情熱を活かせばモチベーションを保ちやすく、学習や改善も自然に進められます。強みを軸に事業を設計することで、専門性が高く顧客に信頼されるサービスを提供でき、継続的な成果につながります。

顧客との接点を大切にする

週末起業では、顧客との接点を重視し、信頼関係を築くことが成功のポイントです。

オンラインだけでなく、対面でのコミュニケーションや交流会への参加も有効です。SNSやブログで情報発信を行い、顧客からのフィードバックを取り入れると、サービス改善や新たなニーズの発見につながります。

問い合わせへの迅速かつ丁寧な対応も、信頼構築には欠かせません。顧客の声を理解し、本当に求められるものを提供し続けると、リピーター獲得や口コミによる新規顧客獲得につながります。

顧客との接点を意識的に増やし、関係性を深めることが、事業を安定的に成長させる鍵となります。

継続できる仕組みを整える

週末起業では、本業との両立を考え、無理のない範囲で事業を続けられる仕組み作りが不可欠です。現実的な短期・中期・長期目標を設定し、それぞれに沿った具体的な計画を立てることが重要です。

また、業務効率化のためのツール導入や、事務作業の外部委託も有効です。例えば、会計ソフトを活用したり、クラウドソーシングで一部業務を外部に任せると、負担を減らせます。

さらに、家族の理解や協力を得ることで、継続的な活動が容易になります。定期的に進捗を確認し、必要に応じて計画を柔軟に修正すれば、無理なく事業を続け、週末起業を成功に導いていけるでしょう。

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週末起業におすすめのアイデア

パソコンをする女性の手元

ここからは、週末起業を始める際に参考になる具体的なアイデアをご紹介します。

趣味や得意なことを生かして少額から始められるもの、オンラインで完結できるもの、地域や人とのつながりを活かしたものなど、さまざまなタイプがあります。

スキルを活かすサービス系

自身の専門スキルや得意なことを活かしたサービスは、初期費用を抑えながら始めやすい週末起業の代表例です。

ITスキルがあれば、Webサイト制作やプログラミングの受託、システム開発などの案件を受けられます。デザインが得意な場合は、ロゴ作成やイラスト制作、写真加工サービスも需要があります。

語学力があれば、翻訳やオンラインレッスンを提供することも可能です。これらのサービスはオンラインで完結できるものが多く、時間や場所に縛られず柔軟に働けます。

クラウドソーシングやSNSを活用すれば、案件獲得も比較的容易で、実績を積みながら単価アップを狙える点も魅力です。

ネットで完結するデジタル系

オンラインで完結するデジタル系のビジネスは、週末起業に非常に適しています。

例えば、ブログやアフィリエイトでは、特定テーマで情報発信を行い、広告収入や紹介報酬を得られます。

WebライターやWebデザイナーは、文章作成やサイトデザインのスキルを活かし、企業や個人からの依頼を受けることができます。

プログラミングや動画編集も需要が高く、専門スキルがあれば高単価の案件を獲得可能です。また、電子書籍出版も個人で手軽に始められます。

パソコンとインターネット環境があればどこでも作業でき、初期投資も少なくリスクを抑えられる点が、週末起業に向く大きな利点です。

ハンドメイドや物販系

ハンドメイドや物販は、自身の趣味や得意を生かせる週末起業の人気ジャンルです。アクセサリーや雑貨、衣服などオリジナル作品を制作し、オンラインマーケットやフリマアプリで販売できます。

物販では、仕入れた商品をネットショップやフリマアプリで販売し、在庫や発送管理を行います。本業の合間に規模を調整でき、初期費用を抑えて収益化できる点が魅力です。

ただし、効率的に運営するには在庫管理や発送の体制を整え、時間を無駄にせず事業を回す工夫が重要です。

コンサル・レッスン系

特定分野での知識や経験を活かしたコンサルティングやレッスンは、週末起業に適しています。

本業で培った経営や営業のノウハウをもとに、中小企業や個人事業主向けコンサルを行ったり、資格を活かしてキャリア相談やファイナンシャルプランニングを提供したりできます。

さらに、語学や楽器、料理などの趣味スキルをオンラインレッスンとして提供することも可能です。オンライン会議ツールを活用すれば、場所を選ばず実施でき、初期投資を抑えつつ収益化できます。

専門性を生かして他者の課題を解決するビジネスでは、やりがいと安定した収入の両立が可能です。

地域や人とつながる体験系

地域密着型の体験型ビジネスも、週末起業の魅力的なアイデアです。例えば、地元の特産品を使った料理教室や、自然体験ツアー、歴史散策ガイドなど、地域の特色を活かした事業が考えられます。

また、コワーキングスペース運営やイベント企画など、コミュニティ形成を目的とした活動も、地域や人とのつながりを重視する方に向いています。オンラインでは提供できない体験価値を生み出せるため、地域活性化にも貢献できます。

ただし、場所の確保や許認可が必要な場合もあるため、事前に確認して計画的に準備することが成功のポイントです。

まとめ

ビジネス街でパソコンを手にするビジネスパーソン

週末起業では、自分の強みや興味を活かせる業種を選ぶことが成功の鍵です。

同じ志を持つ仲間と情報交換をしたり、実践的なノウハウを学べるセミナーに参加したりすると、アイデアのブラッシュアップやモチベーションの維持につながります。

週末起業によって、趣味やスキルを収入に変えるチャンスを広げるだけでなく、将来的に本格的な独立や副業の拡張にも役立てていきましょう。

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（株式会社みらいワークスフリーコンサルタント.jp編集部）

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