「違い」が生まれる要因とは?世の中の価値観が多様化した今、あらゆる「常識」はなくなってゆく。

作成日:2018年4月24日(火)
更新日:2018年4月24日(火)

大切なのは“違いをすり合わせる”こと。違いを追及することで世界は広がり、認め合うことが成果を上げる第一歩。

チームで働いていると、さまざまな意見の衝突が生じます。長い時間を一緒に過ごしており、意見のすり合わせなども何度もしてきているのにもかかわらず、こういった意見の違いはどうして生じるのでしょうか?

 

私は、さまざまな「状況の違い」から、この意見の相違は生まれてくるのだと思います。

 

まず「過去の出来事」によって、生じている違いがあります。
例えば、「仕事の進め方」の違い。社会人として働き始めると、まず最初の会社で仕事の進め方を1から学ぶことになります。10年、20年が経過しても、新卒の頃に叩き込まれた仕事の進め方や考え方、仕事を進めるスピード感などは残っているものですし、その後のキャリアによっても変化します。また、その過程でさまざまな成功体験や失敗体験を積んでいるはず。これらの経験から、「こうしたほうがいい」「ここは避けておいたほうがいい」といったリスクヘッジに対する考えが自分の中に生じます。自分の中に持っている「常識」というものは、こうした過去の出来事から形成されていきますが、過去の経験は当然人それぞれ違うもの。ゆえに自分の「常識」は他人の「非常識」なんてこともよくあります。

 

次に、現状の立場の違い。
例えば、「目的」や「重視する成果の違い」がありますね。チームが違えば追いかけるKPIも違うので、そこで考えの相違が生じます。例えば、営業成績を重視してとにかく早く契約をとりたい営業メンバーと、リスク管理を重視して契約の文言ひとつひとつを精査する管理部メンバーの意見の衝突。こういった場面はよく見られるのではないでしょうか。
「立場」によって、会社の中で重視する事象が違うケースもあります。“あるべき姿”を追いかけるよりも、それによって人間関係が悪化してしまうのであれば、“べき論”を見て見ぬふりをするといった場面もあります。同じ会社に10年、20年と勤めることを考えると、立場上なかなか言いづらいこともあるでしょう。一方で、外部のコンサルタントという立ち位置であれば、あるべき姿から理想論を言いやすいこともあります。

 

時間の違い_岡本ブログ

 

それ以外にもさまざまな違いがありますが、例えば「時間」に対する考え方の違い。仕事について考える際に、「何時間働くか」という観点から考える人もいれば、「時間は関係なくどれだけの成果を出せるのか」と考える人もいます。また、「仕事とプライベートの時間のバランス」を重視するなど、時間に対しても色々な考え方がありますよね。

 

また、持っている「情報」にも違いがあります。情報の「量」も違いますし、その「質」や「深さ」の違いもあります。持っている情報が違えば、そこから判断する内容もおのずと違ってきますよね。あるクリティカルな情報を一つ持っていることで、意見が真逆になることもあります。
見ている「時間軸」の違いもあるでしょう。その日、一週間、一か月、四半期、1年、3~5年・・・。どのくらいの時間軸で考えるかによって、今優先すべきことが違ってきます。例えば、今月の売上を上げるための活動と、半年後の売上を見込んだ“仕込み”のための活動。どちらを優先すべきか・・・。選択に迷うこんな場面、よくあります。

 

挙げ始めるといくらでも出てきてしまいそうですが、まったく同じ考え方をすること自体が奇跡なのかもしれないと思えるくらい、人と人とには「違い」があるものなのですね。

 

よく「価値観の違い」なんて言い方をすることがありますが、むしろ意見の違いは必ず生じるものだと考えるべきです。そして大切なのは、「何の違いによって、意見の違いが生まれているのか」をすり合わせすることではないでしょうか。意見が違うとわかった時点で、「違う」というそのこと自体に否定的になる人もいるかもしれませんが、そんな時こそ“違いのすり合わせ”です。一歩深く踏み込んで、なぜその違いが生じているのかと、その現象が起きた背景を広く捉えて考えていくと、相手の意見も理解出来るようになり、その溝を埋めていくことが出来るかもしれません。「この人は常識がない」とか「この人はわかってない」と決めつけるのではなく、「この人がそう感じたのは、事実なのだな」と認識した上で、「この違いはどこから生じてきたのだろうか」と考えていきたいものです。

 

メンバーの意思疎通_岡本ブログ

 

極端な例を話すと、外国人と一緒に働くときは「人種が違うから価値観が違う」という前提が無意識にあるため、意見の違いを受け入れやすいものです。「違うからこうしなきゃ」という前提でやるので、意外とすり合わせやすかったりするのです。一方で、日本人同士だと「同じ考え方をしているはずだ」とつい思い込んでしまい、意見の違う部分が見えた時「常識がないな」と感じてしまうことがあるのではないでしょうか。

 

世の中の価値観が多様化した今、あらゆることについて「常識」はなくなってきており、多様性を認めることが大切な時代になってきました。そんな時代だからこそ、チームで活動する際も、お互いの価値観や違いを尊重し合い認め合いながら、その違いをうまく活かして成果を上げていくことが求められます。
みらいワークスも多様なバックグラウンドを持ったメンバーが働いていますが、その違いを尊重しあいながらチームワークを発揮して成果を最大化する・・・そんなみらいワークスでありたいと思っています。

 

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