フリーランスの白色申告のやり方!確定申告の流れと青色申告との違い

作成日:2025/12/30

フリーランスの確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。

 

白色申告は、青色申告のような事前申請が不要で、帳簿付けのハードルも比較的低いため、フリーランスになったばかりの方や簿記に不安がある方でも取り組みやすい申告方法です。

 

一方で、青色申告には「青色申告特別控除」など税制上の優遇措置が用意されており、節税面で有利になるケースも少なくありません。

 

本記事ではフリーランスの白色申告について、基本的な仕組みから青色申告との違い、実際の申告の進め方までわかりやすく解説します。

 

目次

■フリーランスの白色申告とは?基本的な仕組み

 

■白色申告と青色申告の5つの主な違い
(1)特別控除の有無
(2)事前申請の必要性
(3)帳簿付けの複雑さ
(4)赤字(純損失)の繰越制度
(5)家族への給与の経費計上

 

■フリーランスが白色申告を選ぶメリット

 

■知っておきたい白色申告のデメリット

 

■【フリーランス向け】白色申告のやり方
(1)日々の取引を記帳し領収書などを保管する
(2)1年間の収入と経費を集計する
(3)確定申告に必要な書類を揃える
(4)収支内訳書と確定申告書を作成する
(5)完成した書類を税務署へ提出し納税する

 

■白色申告の提出に必要な書類一覧
(1)確定申告書
(2)収支内訳書
(3)本人確認書類(マイナンバーカードなど)
(4)各種控除の適用に必要な証明書類

 

■フリーランスの白色申告に関するよくある質問
(1)開業届を出していなくても白色申告は必要?
(2)経費として計上できる範囲はどこまで?
(3)年度の途中で青色申告に変更できる?

 

■まとめ

 

フリーランスの白色申告とは?基本的な仕組み

領収書を手に持ちノートパソコンで作業をする女性

フリーランスの白色申告とは、確定申告の方法のうち、比較的シンプルな手順で申告を行う方法です。青色申告の承認を受けていない場合、確定申告は白色申告として行うことになります。

 

白色申告は、青色申告のような事前の申請が不要で、帳簿も複式簿記まで求められないため、初めての方でも取り組みやすいのが特徴です。

 

ただし、白色申告でも帳簿・書類の保存が必要です。保存期間は原則5年ですが、記帳制度に基づいて作成した帳簿については7年の保存が必要とされています。日頃から整理して保管しておきましょう。

 

また、白色申告は青色申告に比べて税制上の優遇措置が少ない点がデメリットです。例えば、最大65万円の青色申告特別控除や、赤字の繰り越しといった節税メリットは、白色申告では利用できません。

 

参考:国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」「No.2072 青色申告特別控除

 

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白色申告と青色申告の5つの主な違い

「白色」と「青色」の積み木から青色を選ぶ指先

白色申告と青色申告は、どちらも確定申告の方法ですが、受けられる優遇措置や必要な手続き、帳簿付けのレベルなどに違いがあります。

 

ここでは、白色申告と青色申告の代表的な5つの違いを整理します。

 

(1)特別控除の有無

青色申告と白色申告では、受けられる控除の種類に違いがあります。

 

青色申告の大きなメリットは、一定の要件を満たすことで青色申告特別控除を受けられる点です。控除額は要件に応じて「65万円/55万円/10万円」の区分があり、事業所得などから差し引くことで税負担を軽減できます。

 

一方、白色申告には、青色申告特別控除のような特別な控除はありません。ただし、白色申告でも基礎控除をはじめ、扶養控除・社会保険料控除などの各種所得控除は要件を満たせば適用できます。

 

基礎控除は、白色・青色といった申告方法に関係なく使える控除ですが、控除額は合計所得金額に応じて変わります。制度改正もあり得るため、申告する年分のルールは事前に確認しておくと安心です。

 

参考:国税庁「No.2072 青色申告特別控除

 

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『定額減税をフリーランスが活用する方法とは?適用方法と注意点』

 

(2)事前申請の必要性

青色申告と白色申告では、事前申請の要否が異なります。

 

白色申告は、事前の申請は不要です。青色申告の承認を受けていなければ、確定申告は基本的に白色申告として行います。

 

一方、青色申告を利用するには、原則として「青色申告承認申請書」を期限までに税務署へ提出する必要があります。

 

期限は「青色申告をしようとする年の3月15日まで」が原則で、年の途中(1月16日以後)に新たに事業を開始した場合は「事業開始日から2か月以内」とされています。

 

参考:国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続

 

(3)帳簿付けの複雑さ

白色申告と青色申告では、必要な帳簿付けの複雑さも異なります。

 

白色申告は、収入や経費を日々記録する「簡易な帳簿」で対応できるため、会計の知識に不安がある方でも始めやすいのが特徴です。

 

青色申告は、受けたい控除額によって帳簿のレベルが変わります

 

例えば、65万円・55万円の控除を狙う場合は、複式簿記による記帳や、決算書類の提出などが求められます。一方、10万円控除であれば簡易な帳簿でも適用可能です。

 

参考:国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」「No.2072 青色申告特別控除

 

(4)赤字(純損失)の繰越制度

白色申告と青色申告では、赤字が発生した場合の取り扱いにも違いがあります。

 

青色申告には、事業で発生した純損失(赤字)を、原則として翌年以降3年間繰り越して控除できる制度があります。

 

赤字を将来の黒字と相殺できるため、事業を始めたばかりで収支が不安定な時期には特に大きなメリットになります。

 

また、前年も青色申告をしている場合には、繰り越しに代えて前年分へ繰り戻して控除し、所得税の還付を受けることができる場合もあります。

 

一方、白色申告では原則として純損失の繰越控除は利用できません

 

参考:国税庁「No.2070 青色申告制度

 

(5)家族への給与の経費計上

白色申告と青色申告では、家族への給与の経費計上において違いがあります。

 

白色申告では、生計を一にする配偶者や親族へ支払う給与は、原則として必要経費にできません

 

ただし、要件を満たす場合は「事業専従者控除」を適用でき、控除額は配偶者なら上限86万円、配偶者以外は1人につき上限50万円などと定められています(※実際の控除額は所得等によっても制限されます)。

 

青色申告では、要件を満たせば「青色事業専従者給与」として、支払った給与を必要経費に算入できます

 

なお、白色・青色いずれの場合も、事業専従者として扱われる人は、原則として配偶者控除や扶養控除などの対象にはなりません。

 

参考:国税庁「No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除

 

フリーランスが白色申告を選ぶメリット

レシートを確認しながらパソコン入力を行う手元のアップ

フリーランスにとって白色申告のメリットは、確定申告の中でも手順が比較的シンプルで、初めてでも取り組みやすい点です。

 

青色申告のような事前申請が不要で、帳簿も複式簿記まで求められません。

 

なお、開業届を提出していなくても、所得や控除・税額などの状況によって確定申告が必要になることはあります。

 

まずは「今の自分は確定申告が必要か」を確認し、必要なら白色申告から無理なく始めるのも現実的な選択肢です。

 

知っておきたい白色申告のデメリット

ノートパソコンを前に手を顎に当てて考え込む男性

白色申告のデメリットは、青色申告に比べて税制上の優遇措置が少ない点です。

 

青色申告では最大65万円の青色申告特別控除や純損失の繰越控除などが利用できますが、白色申告では基本的に利用できません。

 

また、家族への給与を必要経費として全額計上できない点も注意が必要です。事業専従者控除はありますが、控除額には上限があり、青色申告の専従者給与とは扱いが異なります。

 

所得が大きくなってきた場合は、青色申告の方が節税効果が高くなるケースも多いため、状況に応じて検討しましょう。

 

【フリーランス向け】白色申告のやり方

確定申告の書類を横に置いてノートパソコンを操作する人

白色申告は、フリーランスにとって比較的始めやすい確定申告の方法です。

 

ここでは、白色申告をスムーズに進めるためのやり方を紹介します。

 

(1)日々の取引を記帳し領収書などを保管する

白色申告でも、日々の取引を記帳し、領収書・請求書などの証拠書類を保管しましょう

 

記帳は「いつ・誰からまたは誰へ・内容・金額」などが分かる形で、売上や経費を継続的に記録していきます。

 

また、帳簿や書類は原則5年の保存が必要です。記帳制度に基づいて作成した帳簿については7年の保存が必要とされているため、月ごとにまとめるなど、後から確認できる状態で整理しておきましょう。

 

参考:国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度

 

(2)1年間の収入と経費を集計する

白色申告では、1年間(1月1日から12月31日)の収入と経費を集計することになります。

 

そのため、確定申告期間が始まる前に、事業で得た売上などの収入と、事業活動にかかった経費の合計額を算出しましょう。

 

会計ソフトや表計算ソフトを使うと、集計ミスを減らしながら効率的に進められます。

 

(3)確定申告に必要な書類を揃える

確定申告を進めるために、申告に必要な以下の書類を揃えましょう。

 

  • 各種控除証明書(社会保険料、生命保険料、地震保険料など)
  • 医療費控除の明細書(医療費控除を受ける場合/領収書は提出ではなく保管が基本)
  • 掛金払込証明書(iDeCoなど)
  • 源泉徴収票(会社員を経由して独立した方で、年内に給与所得がある場合)

 

なお、支払調書は交付されないケースもあり、確定申告で添付が必須の書類でもありません。受け取った場合は、売上や源泉徴収税額の確認に役立つ資料として活用しましょう。

 

(4)収支内訳書と確定申告書を作成する

白色申告では、確定申告のために、主に「収支内訳書」と「確定申告書」を作成します。

 

  • 収支内訳書:1年間の売上や経費をまとめ、事業所得を計算する書類
  • 確定申告書:収支内訳書の所得金額をもとに、所得税額を計算する書類

 

書き方に迷った際は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトを使うと、入力に沿って作成しやすくなります。

 

(5)完成した書類を税務署へ提出し納税する

完成した確定申告書と収支内訳書は、税務署へ提出し納税の手続きを行います

 

申告書類は、以下の方法で提出できます。

 

  • e-Tax(オンライン提出)
  • 税務署窓口への持参
  • 郵送

 

納付が必要な場合は、期限までに納税します。

 

納付方法は振替納税・ダイレクト納付・インターネットバンキング・クレジットカード納付など複数あり、キャッシュレス納付も利用できます。コンビニ納付は便利ですが、納付金額が30万円以下などの条件があります。

 

申告後に納付書が自動で郵送されるとは限らないため、案内に従って納付手続きを行いましょう。

 

参考:国税庁「使ってみると便利です!キャッシュレス納付!|令和7年分 確定申告特集」「G-2-6 コンビニ納付(QRコード)

 

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『フリーランス・個人事業主の確定申告のやり方は?経費になるものの例も紹介』

 

白色申告の提出に必要な書類一覧

帳票を前にペンと電卓で計算作業をする手元

白色申告では、確定申告書や収支内訳書のほか、本人確認書類や各種控除の適用に必要な証明書類など、いくつかの書類を準備する必要があります。

 

以下では、白色申告の提出に必要な書類について解説していきます。

 

(1)確定申告書

確定申告書は、その年の1月1日から12月31日までの所得を計算し、所得税額を確定させるための書類です。白色申告の場合、申告書第一表・第二表を使用します。

 

確定申告書には、氏名や住所、マイナンバーなどの個人情報のほか、所得の種類や金額、各種控除の情報、最終的な納税額などを記載します。

 

国税庁のウェブサイトからダウンロードできるほか、税務署でも入手できます。

 

参考:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

 

(2)収支内訳書

収支内訳書は、1年間の事業における収入と経費をまとめる書類です。

 

売上や仕入、給与賃金、地代家賃、減価償却費などの項目を記載し、事業の収支状況を明確にします。

 

白色申告においては、収支内訳書によって所得金額が計算され、確定申告書にその金額が転記されます。

 

国税庁のウェブサイトから書式をダウンロードでき、会計ソフトを利用すれば比較的簡単に作成できます。

 

(3)本人確認書類(マイナンバーカードなど)

確定申告の手続きでは、本人確認書類の提示や提出が求められます

 

マイナンバーカードは、マイナンバー(個人番号)と本人確認が一度に行えるため、本人確認書類として推奨される書類です。

 

マイナンバーカードを提示できない場合は、運転免許証やパスポートなどの身元確認書類と、住民票の写しや通知カードなどのマイナンバー確認書類の計2点の提示が必要になります。

 

※e-Tax(オンライン)で送信する場合は、本人確認書類の提示・写し提出は不要です。

 

(4)各種控除の適用に必要な証明書類

所得税の控除を適用するためには、種類に応じて必要な書類を準備する必要があります。

 

例えば、社会保険料控除には社会保険料控除証明書、生命保険料控除には生命保険料控除証明書が必要です。

 

医療費控除を受ける場合は「医療費控除の明細書」を提出します。医療費の領収書は提出不要ですが、原則として5年間保管する必要があります。

 

これらの書類は、支払先の機関から送付されるものが多いため、大切に保管し、確定申告で提出できるように準備しておきましょう

 

控除を適用することで、所得税の負担を軽減できるので、忘れずに確認して適切な書類を提出するのが重要です。

 

フリーランスの白色申告に関するよくある質問

グレーの背景に置かれた赤い「Q&A」の立体文字

白色申告は、フリーランスにとって手続きが比較的簡単な確定申告の方法ですが、申告準備を進める中でいくつかの疑問点が生じる可能性も考えられます。

 

以下では、白色申告に関するよくある疑問・質問とその回答をまとめています。

 

(1)開業届を出していなくても白色申告は必要?

開業届を出していなくても、白色申告が必要になることはあります

 

確定申告が必要かどうかは「開業届を出したか」ではなく、所得の種類や金額、控除の状況など、所得の状況によって決まるためです。

 

例えば、会社員などで給与所得がある方は、年末調整で納税が完結する場合もあれば、一定の条件では確定申告が不要となる場合もあります。

 

一方で、フリーランスとして事業所得がある場合でも、状況によっては申告が必要になったり、不要となったりするケースがあります。

 

判断に迷う場合は、国税庁の案内に沿って確認すると安心です。

 

参考:国税庁「No.2020 確定申告

 

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『フリーランスは開業届が必要?メリットや書き方、提出タイミングを解説』

 

(2)経費として計上できる範囲はどこまで?

白色申告で経費として計上できるものは、売上を得るためにかかった費用です。

 

具体的には、以下の費用が該当します。

 

  • ・仕入れ費用
  • ・旅費交通費
  • ・接待交際費
  • ・通信費
  • ・広告宣伝費
  • ・地代家賃
  • ・減価償却費
  • ・消耗品費
  • ・新聞図書費
  • ・荷造運賃 など

 

事業に関係のない個人的な支出は経費にできません

 

事業とプライベートの両方で使用するものは、事業に使用した割合に応じて家事按分し、経費として計上可能です。

 

参考:国税庁「No.2210 必要経費の知識

 

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『【フリーランスの税金】種類と控除一覧!節税対策やいつ払うのかを解説』

 

(3)年度の途中で青色申告に変更できる?

白色申告から青色申告への変更は、年度の途中でも可能です。

 

その年分から青色申告を適用したい場合は、原則として期限までに青色申告承認申請書を提出する必要があります。

 

期限は原則「その年の3月15日まで」で、年の途中(1月16日以後)に新たに事業を開始した場合は「事業開始日から2か月以内」です。

 

期限を過ぎた場合は、原則として翌年分からの適用となります。

 

参考:国税庁「A1-8  所得税の青色申告承認申請手続

 

まとめ

パソコン画面の請求書を見ながら計算機で集計する様子

白色申告は、フリーランスにとって比較的シンプルに確定申告を進められる方法です。

 

事前の申請が不要で、帳簿も複式簿記まで求められないため、初心者でも始めやすい点が大きなメリットになり得ます。

 

一方、白色申告では、青色申告にある「青色申告特別控除」や「純損失の繰越控除」などの優遇措置は利用できません。また白色申告でも記帳と書類保存は必須で、保存期間も定められています。

 

所得が増えてきた場合や、節税メリットを重視したい場合は、青色申告への切り替えも検討するとよいでしょう。

 

自分の事業規模や手間とのバランスを見ながら、最適な申告方法を選ぶ意識が大切です。

 

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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

 

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