フリーランス・個人事業主の年金はいくらもらえる?対策は?

作成日:2026/01/29

 

フリーランス・個人事業主で「将来の年金が気になる」という方は多いのではないでしょうか。

 

フリーランス・個人事業主は会社員とは異なり、原則として国民年金のみの加入となるため、老後に受け取れる年金額が少ないのが現実です。

 

国民年金から毎月支給される金額だけでは生活に不安が残るため、現役時代から自主的な対策が欠かせません。そこで重要になるのが、国民年金に上乗せできる制度の活用です。

 

この記事では、フリーランス・個人事業主がもらえる年金について解説します。

 

さらに、付加年金や国民年金基金などの具体的な対策も紹介しているので、将来の備えの参考にしてください。

 

目次

 

■年金の前に確認したい「老後の生活費」

 

■フリーランス・個人事業主の加入は国民年金のみ
(1)会社員が加入する「厚生年金」には入れない
(2)フリーランスは国民年金に切り替えを

 

■いくらもらえる?支払いは?フリーランスの年金額
(1)老齢基礎年金の受け取り額
(2)会社員の受給金額と比較
(3)納付する月額保険料

 

■フリーランス・個人事業主ができる年金対策5選
(1)iDeCo(個人型確定拠出年金)
(2)国民年金基金
(3)付加年金
(4)個人年金保険
(5)終身保険

 

■フリーランスの退職金対策には小規模企業共済
(1)小規模企業共済とは
(2)小規模企業共済のメリット

 

■フリーランスに必要な国民年金の基礎知識
(1)国民年金加入の手続きの流れ
(2)扶養家族の保険料負担が増えるかも
(3)国民年金保険料を控除対象にできる

 

■フリーランス・個人事業主の年金に関連するよくある質問
(1)個人事業主の妻の年金はどうなる?
(2)扶養内で働くフリーランスのデメリットは?

 

■まとめ

 

年金の前に確認したい「老後の生活費」

ノートパソコンの前に座り、スマートフォンを見ながら作業をする男性の様子

フリーランスの年金対策を考える前に、老後に必要な生活費について考えてみましょう。

 

総務省の家計調査報告(2024年)によると、65歳以上の消費支出は次のようになっています。

 

  • ・65歳以上の単身無職世帯:約14.9万円
  • ・65歳以上の夫婦無職世帯:約25.7万円

 

この金額には食費や光熱費などは含まれていますが、持ち家を前提としているため、全体的に低く算出されています。

 

もし老後も賃貸住宅に住み続けるのであれば、この金額にさらに家賃分を上乗せして考えなければなりません。

 

また、生命保険文化センターの2025年度「生活保障に関する調査」によると、夫婦2人の老後の最低日常生活費は、平均で月額23.9万円です。

 

ゆとりある老後の生活を送ろうと思った場合だと、平均で月額39.1万円となっています。

 

参考:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」、公益財団法人生命保険文化センター「生活保障に関する調査

コンサル登録遷移バナー

 

フリーランス・個人事業主の加入は国民年金のみ

青い年金手帳の上に虫眼鏡が置かれ、横に電卓が配置されている様子

社会保障制度の一つである年金は、高齢になったときに経済的な支えとなります。

 

公的年金には国民年金と厚生年金の2種類があり、フリーランスや個人事業主が加入する公的年金は原則として国民年金(基礎年金)のみです。

 

ここで、会社員が加入する厚生年金との違いや、フリーランスになった場合の国民年金の切り替えについて解説します。

 

(1)会社員が加入する「厚生年金」には入れない

日本の公的年金制度は、すべての国民が加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2種類です。

 

建物に例えると、国民年金は土台となる「1階部分」、厚生年金は「2階部分」にあたり、2階建ての構造になっています。

 

フリーランスや個人事業主などの第1号被保険者は、土台となる1階部分の国民年金にしか加入できません。

 

一方、会社員である第2号被保険者は、国民年金に加えて厚生年金にも加入します。また、保険料を会社と折半で負担しており、将来、国民年金に上乗せされた形で年金を受け取れます。

 

フリーランスには、会社員のように国民年金に上乗せされる厚生年金がないため、将来の年金受給額は会社員と比較して少なくなる傾向にあります。

 

老後資金の不足分はiDeCoや国民年金基金といった私的年金制度を活用し、計画的に準備しなければなりません。

 

(2)フリーランスは国民年金に切り替えを

会社員から独立してフリーランス・個人事業主になる方もいるでしょう。その際は、年金制度の切り替え手続きを自分で行う必要があります。

 

会社を退職すると、企業が厚生年金の資格喪失手続きを行いますが、その後、国民年金への加入手続きは自動では行われません。

 

退職日の翌日から原則14日以内に、住んでいる市区町村の担当窓口か電子申請で、「国民年金第1号被保険者」への種別変更手続きを進めましょう。

 

手続きを怠ると、年金の未納期間が発生し、将来の受給額が減少する原因となるため、速やかな対応が重要です。

 

☆あわせて読みたい
『【フリーランスの税金】種類と控除一覧!節税対策やいつ払うのかを解説』

 

いくらもらえる?支払いは?フリーランスの年金額

ノートパソコンを前に、疑問符を浮かべた表情で考え込む女性の様子

フリーランス・個人事業主が加入する国民年金だと、老後にはいくらもらえるのでしょうか。ここで詳しく解説します。

 

併せて、毎月支払わなければならない納付金額も紹介するので、計画的な老後の対策にお役立てください。

 

(1)老齢基礎年金の受け取り額

フリーランスが受け取る国民年金(老齢基礎年金)の金額は、毎年改定されます。

 

例えば2025年度(令和7年度)、1956年(昭和31年)4月2日以後生まれの方の満額は、年額831,700円(1ヶ月あたり6万9,308円)です。

 

満額を受給するには、20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)、保険料をすべて納付しなければなりません。

 

もし保険料の未納期間や、免除・納付猶予制度を利用した期間がある場合は、その期間に応じて受給額は減額されます。

 

もらえる年金の額は毎年、物価や賃金の変動率に応じて改定される点に注意しましょう。将来の受給見込額は日本年金機構の「ねんきんネット」などで定期的に確認してください。

 

参考:日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

 

(2)会社員の受給金額と比較

フリーランスが受給できる国民年金は、保険料を20歳から60歳までの40年間すべて納付した場合、月額約6.9万円(令和7年度)です。

 

一方、厚生年金に加入する会社員の場合を見てみましょう。夫婦2人世帯、かつ平均的な収入で40年就業した場合、国民年金を含めて月額約23万円(令和7年度)が支給されます。

 

このように、加入する制度の違いから、フリーランスと会社員では年金受給額に大きな差が生じるのです。

 

フリーランスの方は、自身の保険料納付額と将来の平均受給額を把握し、計画的な対策を立てる必要があります。

 

参考:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について

 

(3)納付する月額保険料

ここで、フリーランスや個人事業主の方が、国民年金にいくら納付する必要があるのかを確認しましょう。

 

国民年金の保険料は、収入にかかわらず一律で、2026年度(令和7年度)の月額は17,510円です。保険料は、物価や賃金の変動を基に毎年見直されています。

 

20歳から60歳までの40年間、この金額を納め続けると、将来、満額の老齢基礎年金を受け取れるようになります。

 

収入の減少などにより保険料の納付が困難になった場合は、未納のまま放置してはいけません。保険料の免除制度や納付猶予制度の申請を検討しましょう。

 

未納期間があると、将来の年金受給額が減るだけでなく、障害年金や遺族年金が受け取れなくなる可能性があります。

 

参考:日本年金機構「国民年金保険料

 

保険料免除制度を利用する場合

収入の減少や失業などにより国民年金保険料の納付が困難な場合、保険料免除・納付猶予制度の利用が可能です。

 

全額免除・納付猶予の承認を受けると、保険料を納付していなくても、その期間が年金の受給資格期間に含まれます。

 

特に免除制度は、免除期間でも、将来の老齢基礎年金額に一部が反映されるのがポイントです。例えば「全額免除」の場合、保険料を全額納付した場合の2分の1の額が年金額に算入されます。

 

ただし、受給額は満額よりも減るため、家計に余裕ができた際には、10年以内であれば後から保険料を納める追納を検討しましょう。

 

参考:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

 

 

フリーランス・個人事業主ができる年金対策5選

木のイラストに円マークが描かれた木製ブロックを並べる手

国民年金だけでは老後の生活資金に不安を感じるフリーランスや個人事業主に向けて、年金額を上乗せする制度は複数存在します。

 

代表的な制度は、iDeCo(個人型確定拠出年金)や国民年金基金です。これらは掛金が全額所得控除の対象となるため、税金の負担を軽減しながら将来に備えられます。

 

その他、付加年金や民間の個人年金保険など、選択肢は多岐にわたります。

 

ここで、それぞれの制度の特徴やメリットを理解し、自身の収入状況やライフプランに合わせた最適な対策を考えましょう。

 

(1)iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自身で掛金を拠出し、投資信託や定期預金などの金融商品を選んで運用することで、老後資金を形成する私的年金制度です。

 

フリーランスなどの第1号被保険者は、月額最大68,000円まで拠出できます。国民年金基金の掛金や付加保険料を払っている場合は、その分を差し引いた額がiDeCoの上限額です。

 

ただし、積み立てた資産は原則として、60歳以降の受給可能年齢に到達するまで引き出せません。60歳で受け取るには通算加入者等期間が10年以上必要で、足りないと受給開始が61〜65歳に繰り下がります。

 

加えて、選択する商品によっては元本割れのリスクも伴う点に注意が必要です。

 

iDeCo(個人型確定拠出年金)のメリット

iDeCoの最大のメリットは、「掛金の拠出時」「運用時」「受給時」の3つの段階で、手厚い税制優遇を受けられることです。

 

まず、毎月の掛金は全額が所得控除の対象となるため、課税所得が減り、所得税・住民税の節税につながります。

 

次に、通常は金融商品の運用で得た利益(配当、利子など)にかかる約20%の税金は、iDeCoの口座内では非課税です。

 

最後に受給時も、年金形式であれば「公的年金等控除」、一時金形式であれば「退職所得控除」が適用され、税負担が軽減される仕組みになっています。

 

ただし、一時金で受け取る場合、退職金との受け取り時期が近いと控除が調整されることがあるため、受給方法や時期は事前に確認しましょう。

 

参考:iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)公式サイト「iDeCo(イデコ)のメリット

 

(2)国民年金基金

国民年金基金は、フリーランスや個人事業主などの国民年金第1号被保険者が、老齢基礎年金に上乗せして加入できる私的年金制度の一つです。

 

会社員の厚生年金が担っている「年金の2階建て部分」を、任意で確保することを目的としています。

 

加入時に選択したプランに基づいて将来受け取れる年金額が確定する点が、iDeCoとは異なる特徴です。運用リスクを負うことなく計画的に老後資金を準備したい方に向いています。

 

なお、iDeCoと併用する場合は、国民年金基金の掛金とiDeCoの掛金の合計が上限となります(※上限額は制度改正で変更される場合があります)。

 

国民年金基金のメリット

国民年金基金のメリットは、加入時に選択した口数・給付プランにより将来受け取れる年金額の目安が定まりやすく、老後の生活設計を立てやすい点です。口数を変更しない場合、掛金は払込終了まで一定となっています。

 

加えて、運用成績によって受給額が変動するという、iDeCoのようなリスクがありません。また、掛金は全額が社会保険料控除の対象となるため、iDeCoと同様に高い節税効果に期待できます。

 

給付プランは終身年金が基本です。万が一、年金受給前または保証期間中に亡くなった場合でも、遺族に一時金が支払われます。

 

国民年金基金は、安定性と節税効果を両立させながら、国民年金法に基づく制度として将来に備えられる制度です。

 

参考:国民年金基金「国民年金基金のメリット

 

(3)付加年金

付加年金は、毎月の国民年金保険料に月額400円の付加保険料を上乗せして納めることで、将来の老齢基礎年金を増額できる制度です。

 

フリーランスなどの第1号被保険者・任意加入被保険者が対象で、非常に少額な負担で始められる、手軽な年金対策といえます。

 

年金を受給する際には、「200円×付加保険料を納付した月数」で計算された金額が、老齢基礎年金(年額)に上乗せされます。

 

例えば、40年間(480ヶ月)納付した場合、支払う保険料の総額は192,000円で、上乗せされる付加年金額は年額96,000円です。

 

これは、老齢基礎年金の受給開始後2年以上受け取ると、納めた付加保険料以上の年金を受け取れる計算になります。付加年金は終身ですが定額で、物価スライドはありません。

 

ただし、国民年金基金に加入している場合は付加保険料を納付できない点に注意しましょう。

 

参考:日本年金機構「付加年金

 

付加年金のメリット

付加年金の最大のメリットは、少額負担に対して回収が早い点にあります。

 

月々400円という少額の保険料負担で、老齢基礎年金の受給開始後、受給が2年以上続けば支払った付加保険料の総額を上回る計算です。

 

例えば、40年間(480ヶ月)加入した場合、支払う保険料の総額は192,000円で、毎年受け取れる上乗せ年金額は96,000円の想定となります。

 

上乗せ分は終身(定額)で加算されるため、長生きするほど受給総額が増える、費用対効果の高い制度といえるでしょう。

 

(4)個人年金保険

個人年金保険は、民間の保険会社が提供する金融商品で、公的年金とは別に老後資金を準備するための手段の一つです。

 

契約時に定めた年齢になると、一定期間または生涯にわたって年金形式で保険金を受け取れます

 

ただし、低金利環境では、円建て商品は大きく増やす目的には向きにくい側面があります。リターンを求める場合は変額タイプなどもありますが、元本割れのリスクを伴う点に注意が必要です。

 

個人年金保険のメリット

個人年金保険のメリットは、自身のライフプランに合わせて受取開始時期や期間、金額を設計できることです。

 

また、年末調整や確定申告で生命保険料控除(個人年金保険料控除)を適用することで、税負担を軽減できる効果もあります。

 

さらに一般的に、保険料の払込期間中などに契約者(被保険者)が亡くなった場合、死亡給付金が遺族に支払われる点もメリットです(※給付内容は商品により異なります)。

 

(5)終身保険

終身保険は、本来は被保険者が死亡した際に保険金が支払われる生命保険ですが、貯蓄性を活用して老後資金にあてるという方法があります。

 

具体的には、保険料の払込期間を60歳や65歳などに設定し、払込満了後に解約すると、解約のタイミングによって払い込んだ保険料の総額を上回る解約返戻金を受け取る、というものです。

 

この解約返戻金を、退職金や年金の一部として活用します。

 

ただし、個人年金保険と同様に、円建ての商品は低金利環境では大きく増やす目的には向きにくい側面があります。

 

一方で、外貨建てや変額終身保険は高いリターンが期待できる一方で、為替変動や運用成績によって元本割れのリスクが伴う点に注意が必要です。

 

終身保険のメリット

終身保険を老後資金対策として活用するメリットは、一生涯の死亡保障を確保しながら、同時に貯蓄も行える点です。

 

一つの契約で、万一の際の家族への備えと、将来の自身の生活資金準備という二つの目的を両立できます。

 

払込満了後の解約返戻金が払込保険料総額を上回るかどうかは、商品設計や解約時期によるため、返戻率や解約控除の条件を確認しましょう。

 

払込期間中に急な出費が必要になった際には、解約返戻金の一定範囲内で資金を借り入れられる「契約者貸付制度」を利用できる商品もあります。

 

ただし借入には利息がかかり、返済しない場合は将来の保険金や返戻金から差し引かれることを念頭に置いておきましょう。

 

フリーランスの退職金対策には小規模企業共済

小規模企業共済の書類が机の上に広げられている様子

会社員と違い退職金制度がないフリーランスや個人事業主にとって、小規模企業共済は「自分で作る退職金」として非常に有効な制度です。

 

小規模企業共済は国が運営する制度であり、事業の廃止や退職時に、それまで積み立てた掛金に応じた共済金を受け取れます。

 

ここで、小規模企業共済の概要とメリットを確認し、フリーランスの老後の資金対策の一つとしてお役立てください。

 

(1)小規模企業共済とは

小規模企業共済は、国が全額出資する中小機構が運営する、個人事業主や小規模企業の経営者のための退職金積立制度です。

 

事業をやめたり、役員を退任したりした際に、生活の安定や事業の再建を図るための資金を準備することを目的としています。

 

掛金は月額1,000円から70,000円までの範囲で500円単位で自由に設定できます。年金対策と並行して加入を検討すべき、フリーランスにとって重要な制度の一つです。

 

(2)小規模企業共済のメリット

小規模企業共済のメリットは、掛金が全額所得控除の対象となり、高い節税効果を発揮する点です。さらに、共済金を受け取る際の税制優遇もあります。

 

共済金を一括で受け取る場合は「退職所得控除」、分割で受け取る場合は公的年金等の雑所得として課税され「公的年金等控除」が適用されて、税負担が軽減されるのです。

 

また、納付した掛金の範囲内で事業資金の貸付制度を利用できるため、もしもの時のセーフティネットとしても機能します。

 

ただし、加入期間が20年未満で任意解約した場合は元本割れする可能性があり、12ヶ月未満での解約は掛け捨てとなる点には注意が必要です。

 

なお、20年以上加入していても、掛金を途中で増減している場合などは、任意解約時に掛金合計額を下回ることがあります。

 

参考:中小企業基盤整備機構「加入をご検討中の方へ 小規模企業共済とは

 

フリーランスに必要な国民年金の基礎知識

青とオレンジの年金手帳が書類の上に重ねて置かれている様子

フリーランスとして活動を始めると、年金に関する手続きはすべて自分で行わなければなりません。扶養家族の扱いも会社員時代とは異なります。

 

将来の年金額を確保し不要なトラブルを避けるには、国民年金に関連する基礎知識を正しく理解しましょう。

 

ここで、フリーランスに必要な国民年金の基礎知識を解説します。

 

(1)国民年金加入の手続きの流れ

会社を退職してフリーランスになる場合、厚生年金の資格を喪失するため、国民年金への切り替え手続きが必要です。

 

原則として、退職日の翌日から14日以内に、お住まいの市区町村役場の国民年金担当窓口、または電子申請手続きを行いましょう。

 

その際、次の書類が必要です。

 

  • ・基礎年金番号がわかるもの(年金手帳や基礎年金番号通知書)
  • ・退職日が証明できる書類(離職票や健康保険資格喪失証明書など)
  • ・本人確認書類

 

この手続きを忘れると、年金の未納期間が生じてしまうため、退職後は速やかに行動しましょう。

 

(2)扶養家族の保険料負担が増えるかも

子どもは20歳になるまでは国民年金の加入対象外ですが、配偶者を扶養家族としている場合は年金の扱いが会社員時代と大きく変わる点に注意が必要です。

 

会社員(第2号被保険者)の配偶者で年収要件を満たす場合は、保険料負担のない「第3号被保険者」となります。

 

しかし、フリーランスや個人事業主(第1号被保険者)は、第3号被保険者を扶養する側にはなれません。そこで、配偶者も第1号被保険者として、自分自身で国民年金保険料を納付する義務が生じます。

 

これにより、世帯全体での保険料負担は増加しますが、配偶者自身も将来、老齢基礎年金を受給する権利を得ることになります。

 

なお、配偶者が会社員・公務員として働く場合は第2号被保険者となり、第1号として納付する形にはなりません。

 

(3)国民年金保険料を控除対象にできる

フリーランスが支払った国民年金保険料は、全額が「社会保険料控除」の対象となります。これは、税金の計算を行う際に、年間の所得金額から支払った保険料の合計額を差し引ける制度です。

 

確定申告で控除を適用すると、課税対象となる所得が減り、結果として所得税や住民税の負担を軽減できます。

 

また、自分の保険料だけでなく、生計を同一にする配偶者や親族が負担すべき国民年金保険料を自分が支払った場合も、その金額を合算して自分の社会保険料控除として申告可能です。

 

☆あわせて読みたい
『フリーランスの確定申告はいくらから必要?会社員や副業の基準も解説』

 

フリーランス・個人事業主の年金に関連するよくある質問

「Q&A」と書かれた木製ブロックが机の上に並べられている様子

フリーランスや個人事業主として活動する中で、年金に関する疑問は尽きないものです。特に、会社員から独立したばかりのタイミングでは、配偶者の年金の扱いや扶養の考え方など、戸惑う点も多いでしょう。

 

ここでは、そうした年金に関するよくある質問を取り上げて解説します。

 

(1)個人事業主の妻の年金はどうなる?

個人事業主(フリーランス)の妻は、夫が第1号被保険者になると第3号被保険者の対象から外れます。そのため、妻自身が第1号被保険者として、国民年金保険料の納付が必要となるケースが一般的です。

 

会社員の妻のように保険料負担のない「第3号被保険者」の制度は、第2号被保険者に扶養されている場合にのみ適用されます。

 

ただし、妻が会社員・公務員として働く場合は、妻本人が第2号被保険者となるため、第1号被保険者として納付する形にはなりません

 

(2)扶養内で働くフリーランスのデメリットは?

扶養内で働くフリーランスの主なデメリットは、扶養の基準を意識することで、稼げる金額を抑えざるを得ない点です。

 

税法上の扶養(配偶者控除・扶養控除など)は年収ではなく所得(合計所得金額)で判定され、目安として合計所得金額58万円以下が基準になります(給与のみの場合は給与収入123万円以下)。

 

また、配偶者特別控除の対象となる所得の範囲は58万円超〜133万円以下です。

 

社会保険上の扶養(健康保険の被扶養者)は、一般的に年間収入130万円未満が目安です。

 

稼ぎをセーブしなければならない場合、やりたい仕事があってもセーブしなければならないケースもあるでしょう。また、キャリアアップや収入増の機会損失につながりやすい点もデメリットです。

 

まとめ

コインが積み上げられた前で、右肩上がりのグラフと砂時計が配置されている様子

フリーランスや個人事業主は、公的年金が国民年金のみとなるため、厚生年金に加入する会社員と比較して将来の受給額が少なくなるのが現実です。

 

この差を埋め、安心して老後を迎えるためには、自助努力による資産形成が不可欠です。

 

iDeCoや国民年金基金、小規模企業共済といった制度は、掛金が所得控除の対象となるなど、高い節税効果を享受しながら老後資金や退職金を準備できる有効な手段です。

 

自身の事業の状況やライフプランに合わせてこれらの制度を賢く組み合わせ、計画的に将来への備えを進めていきましょう。

 

→→転職を検討中の方はコンサルネクストで無料登録
→→フリーランスの方はこちらからコンサル登録

(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

 

コンサル登録遷移バナー

 

◇おすすめ記事◇
フリーランスが加入する社会保険とは?種類や年収別保険料・計算方法を解説