フリーランスが年末にしておきたいこと

作成日:2017/12/08

 

年末の過ごし方で新年のスタートが変わる

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いよいよ12月、年の瀬も押し迫ってきています。12月は年末でもあり、企業によっては期末月でもあります。クライアントからすれば年内、年度内に終えておきたい仕事が多くなり、外部に依頼したいという案件も相次ぎます。そうした仕事を請け負うフリーランスにとっては、仕事量が増える「かき入れ時」といえます。

 

加えて、年末は、年末年始の連休に伴いさまざまなスケジュールが前倒しになりがちな時期でもあります。出版業界で、印刷所などの年末年始休暇に合わせ制作物の締め切り日が繰り上がる「年末進行」などはその代表的なものでしょう。ただでさえ仕事が多い中でスケジュールも余裕がなく、次から次へとあわただしく納品を続けるという方も多いのではないでしょうか。

 

直近の売り上げやクライアントとの関係を大切にするあまり、目の前の仕事だけに集中してしまうというのは、特にかけだしのフリーランスにはありがちな状態ですが、忙しい年末はその状態がさらに加速しやすい時期です。それだけ仕事があるのはありがたいことと、大掃除は二の次で、大晦日ギリギリまで仕事をしている人もいるでしょう。

 

しかし、個人事業主としては、翌年からもまたその先の売り上げを獲得して事業を続けていくことを考えなければならず、そのためには目の前の案件以外にもしておくべき“仕事”があります。年末は、特にそうした“仕事”の多い季節。年明けのスタートをいいものにするために、年末にしておきたいことを意識しておきましょう。

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決算・確定申告に向けての行動をとる

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日本の法人の事業年度は4月始まりが多いですが、なかには1月始まり、5月始まりの企業もあるなどさまざまです。しかし、個人事業主の場合、その事業年度は1月1日から12月31日までの1年間と税法で定められています。つまり、個人事業主にとって、12月は決算月。翌年2月からは確定申告の受付が始まります。

 

「確定申告の準備は年が明けてからでいいだろう」と思われるかもしれませんが、年内にきちんと確認しておきたいのが、経費と社会保険料の支払いです。年内に購入した備品などの経費や、国民保険や国民健康保険の保険料は、税額計算時の控除対象となり、それだけ控除額が増えることになります。年が明けてからのものは、翌事業年度の控除対象です。

 

もちろん、事業とは関係なく使ったお金は経費になりませんから、節税のためにと年末にあわてて必要ないものを購入しても無効です。ただ、事業の運営上必要な備品などが明確にあって、特に理由なくまだ購入していないということであれば、こうしたことを意識して購入時期を決定するというのは、適切な節税を考えるにあたっては非常に有効といえます。

 

同様に、社会保険料は期日どおりに納めるというのが大前提ですが、やむを得ず滞納していたり、祝日の関係で年明け1月4日が支払い期日となっている保険料があれば、年内に支払っておくことで今年分の控除対象にすることができます。年末には、お金を使う面だけでなく、お金を受け取る面の確認も不可欠です。年内の仕事で請求が漏れているものや、請求しているのにクライアントからの入金がないといったことがもしあるようなら、年内にはクライアントに確認しておくべきでしょう。

 

なお、本業が会社員で副業でフリーランスの活動をしているといった方は、年末調整の対応をお忘れなく。年明けには必要に応じて還付申告もありますので、その準備も確認しておくといいでしょう。

 

 

きちんと挨拶して人間関係を保つ

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年の暮れには、1年の間にお世話になったクライアントやつながりのある関係先に、今年お世話になったことのお礼と、来年もよろしくといった意味を含めて、年末年始の挨拶をしておきましょう。

 

最低限対応しておきたいのが、年賀状の手配です。近年は年賀メールで済ませることも増えてきましたが、仕事で接点のある企業やクライアントに対して書状をもってご挨拶するというのは、信頼感にこそつながれマイナスに働くことはほとんどないでしょう。読み流されてしまうメールと違って、手元に年賀はがきが届けば、自分のことを思い出してもらう“営業ツール”としての存在感も大きくすることができます。

 

 

身の回りを整理して新年のスタートを

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1年間必死に活動するなかでは、机の上に書類が山積み、領収書は袋に詰めたまま、クライアントや新たに出会った方からいただいた名刺は引き出しの隅に入れてある……といったように「そのうち手が空いたらやろう」と思う“タスク”が積み重なっていくものです。年の最後には、1年間で溜まったさまざまな“タスク”を片付けて、身の回りを整理しましょう。

 

たとえ小さなタスクでも、「いつかやらねば」と思うものがある状態が続くのは、少しずつストレスを蓄積していきます。現実的に考えても、名刺を整理しなければ年賀状の準備もできませんし、ちらかった机の上では仕事の効率が低下します。事業の将来を考えるにあたっては過去のさまざまな資料が必要になることが多いものですが、書類やデータが整理されていないと必要なものを出すことができません。

 

年末に限らず普段から対応できていればそれに越したことはありませんが、そうでなければ、遅くとも年末のうちには着手しておきましょう。そして、来年の計画を考えたり、仕事の準備をするなどして、年明けに備えておきましょう。

 

 

フリーランスが考えるべき重要なことは、長期にわたって仕事を継続すること、そのための人脈を作ったり体制を整えるなどして売り上げを絶やさないことです。そのためには、目の前の仕事の多さを喜ぶ短期的な視点でなく、その後の展開を考える中長期的な視点も備えておき、常に自分自身の仕事の状態を俯瞰しておく必要があります。

 

仕事が軌道に乗るのは喜ばしいことですが、一時期の繁忙に流されて短期的な視点のみで動いてしまうと、「繁忙期が終わったら急激に仕事がなくなってしまった」といったことになりかねません。そうならないよう、目の前の仕事にきちんと向き合いながらも、営業活動を行なったり、当社『FreeConsultant.jp』からの案件紹介システム(案件情報はこちら:https://freeconsultant.jp/project)の利用を検討するなど、新たな展開を考える行動を起こすことが求められます。

 

そして何より、フリーランスの場合、備品の購入から経理対応まですべて1人で行なわなければなりません。ちょっとした書類整理なども溜め込んでしまうと大変なことになります。1年が終わるという雰囲気が高まり、決算月でもある12月は、そうしたさまざまな“タスク”に向き合う絶好の機会です。年明けにいいスタートを切るための準備として、年末という時期を最大限に活用しましょう。

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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