相手の心を動かすストーリーテリング
点を点を結び線へ。持続的な関係に繋がるコミュニケーションとは
先日、大手金融機関の方と会食の機会がありました。
スタートアップ支援領域の連携についての意見交換が中心になると想定していましたが、先方が抱えている“社員エンゲージメントの向上”の課題からリスキリングの話になり、みらいワークスが行うリスキリングの事例を2つお話しさせていただきました。
1つ目はNTT東日本さまの事例です。グループ内副業に加えて、みらいワークスの『Skill Shift』(*1)を法人導入し、地方副業を推進しています。地方副業では地域貢献の機会や、副業先の社長と相対して仕事をする経験などが得られます。こうして社員のウェルビーイング向上と人的資本経営を実践しているという事例です。NTT東日本さまは副業実践者数を公開しており、2024年には前年度の百数十人から800人以上に増加していて、『Skill Shift』も貢献していると考えています。
2つ目はNTTコミュニケーションズさまの事例です。次期部長候補の方々が、湘南ベルマーレフットサルクラブと連携した神奈川県西エリアの社会課題解決ワークショップに参加しました。スポーツチームと社会課題解決というテーマの面白さから、参加希望者が非常に多かったそうです。みらいワークスとしては、自己実現やライフワークとして取り組みたいコンテンツを企画・展開し、日常業務では得られない経験をしてもらうことで、社員エンゲージメントの向上につながると考えています。
これらの事例とあわせてお話しし、最終的にみらいワークスのリスキリングプログラムに興味を持っていただくことができました。、当初想定していたスタートアップ支援領域ではありませんでしたが、新たな機会を得られて大変うれしく感じています。
会食や打ち合わせ等で話をする際に、事前の準備が必要であることは言うまでもありませんが、ストーリー立てて話す“ストーリーテリング”が非常に重要だということを、今回の会食で改めて感じました。ストーリーで話しをすることで、相手の記憶に残りやすく、感情移入してもらいやすくなります。事実の羅列は“点”であり、そこに+αの情報を加えて点を“線”につなげること。これが重要になります。
先ほど挙げた事例においては、“NTT東日本さまに地方副業の機会を提供しました”という“点”の情報だけでなく、“グループ内副業は企業文化が同じで、経験できることに限界がある”という課題に対し“地方副業では社長との対話や地域貢献といった別の経験ができる”という+αの情報を加えることで“線”となります。また“スポーツチーム×社会課題のワークショップ研修”という“点”も、“社員が自ら参加したいと思う研修”という文脈を加えることで“線”となり、よりイメージしやすく、興味を持ってもらえる話になります。
同じ事例を話すにしても、相手にイメージしやすいようなストーリーや文脈、そして、なぜみらいワークスを選んでいただけたのかなどの情報を加えることで、相手への伝わり方が大きく変わると考えています。

ストーリーテリングは、話す側だけではなく、話を聞く側にも重要な要素です。ただ単に“点”で質問をするのではなく、相手の背景や動機を聞き出す質問をすることで“線”となり、望んでいることや、どのような形で付加価値を提供できるかが見えてきます。
さらに重要なのは、相手に感情移入できるようになることです。自分が相手のことを知れば知るほど、自分自身が仕事をしやすくなるのは言うまでもありません。これは、人付き合いや会社のチームビルディングにおいても非常に重要なことです。お互いを知ることで感情移入しやすくなり、共に何かをしようとする際に効果を発揮すると考えています。
このように、チームワークや持続的な関係構築において、お互いのストーリーを知ることが非常に重要です。
対外的な場面だけでなく、同じ会社で働く仲間や、人生におけるあらゆる人付き合いの場面においても、同じことが言えるのではないでしょうか。
話をする際にはストーリーで語ること、人から話を聞く際には、点ではなく線で捉えるようにすること。これらがストーリーテリングにおいて非常に重要なポイントだと考えています。みらいワークスで働くみんなにも、ぜひさまざまな場面で活用してほしいと思っています。
*1 副業マッチングサービス『Skill Shift』について https://www.skill-shift.com/