コンサルタントが伝授!スケジュール管理のコツとは!?
作成日:2016/11/21
スケジュール管理で押さえるべきポイントは2つ
巷ではフリーランスのコンサルタントや個人事業主は多忙な職業の典型のように思われている節があり、スケジュール管理の勘所について、コンサル業界や個人事業主以外の人から尋ねられることも多いかと思います。確かに、「スケジュールを制する者が仕事を制する」というのは否定できない事実ですし、とりわけコンサル業界に限らず、一定レベル以上のパフォーマンスで期限内にプロジェクトを達成しようと思えば効率的なスケジュール管理は必須です。特に独立・起業されてフリーランスのコンサルタントとしてご活躍されている方は、クライアントとの関係性が大変重要になってくるのでスケジュール管理に対してシビアになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コンサル業界におけるスケジュール管理と一口に言っても、個人レベルやプロジェクトレベルなど様々なパターンがありますが、今回は個人レベルにフォーカスして、効果的なコンサルのスケジュール管理を行うコツをご説明します。基本的な考え方は個人レベルでもプロジェクト・案件レベルでも同じなので、スケジュール管理全般に応用して頂けると思います。
結論から言うと、効果的なスケジュール管理をするために押さえるべきポイントは2つだけです。1つ目は、常に自分(プロジェクト)の生産性を把握すること、2つ目は、チェックポイントを設けて進捗のマイルストーン管理を行うことです。スケジュール管理が苦手だと言う方の多くは、このポイントのいずれか、もしくは両方が押さえられていないケースがほとんどなのです。
コンサルプロジェクトはじめ、日々の業務を円滑に進めるためにも、スケジュール管理のコツをおさえてみましょう。
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コンサルタントが行う生産性の把握とは?
自身の生産性を常に把握できていることは、効果的なスケジュール管理を行うための必要条件です。その際、自分の生産性は、タスク単位で把握することが肝要です。タスク単位で生産性を把握するとは、例えば、コンサルタントであれば、「CRMシステム導入プロジェクトの基本的な提案書を作成する場合は4時間必要である」「グループウェア導入プロジェクトの工数見積をする場合は2時間でいける」「クライアントへの定期報告のメールならば30分で作成・送信できる」といった感覚を常に持っておくということです。
タスク単位での自分の基本的な生産性が把握できていると、必要な工数の見積りが正確にできるようになりますし、初めて対応するコンサルプロジェクトであっても、かなりの確度で必要工数の予想がつくようになります。例えば、少々入り組んだCRMシステム導入プロジェクトの提案書を作成したいというケースで、基本の提案書が4時間で作成できることがわかっていれば、「今回は6時間確保しておけばいいだろう」というような具合で必要工数を見積もることができます。現実的なコンサル案件のスケジューリングは、自分の生産性の把握がある程度正確にできて初めて可能になるのです。
こうした生産性の把握は、急ぎの業務への対応を即断するためにも役立ちます。至急の依頼を受けた時に、進行中のタスクの必要工数がわかっていれば「今日中に○○社向け提案書の骨組みまでを作っておく必要があり、あと1時間必要です。20時以降ならば、2時間程度は時間を作れます。」といった具体的な反応ができるのです。
また、自分の生産性が把握できている人間は、プライベートの時間を確保しやすくなる、という効能もあります。例えば、「今週金曜日の21時以降ならば、友人に紹介してもらったジャズのライブハウスに寄って帰れるな」などと楽しみが増えたりするのです。スケジュール管理に自信がない状態でプライベートの時間を確保しても、心から楽しめずリラックスできません。「忙しい、忙しい。」が口癖になって、休みを取らない人間ほど、実は自分の生産性が把握できていないだけだったりします。
ちなみに、スケジュール管理の時間単位は、60分、もしくは90分が適当でしょう。10~15分単位でのスケジューリングを推奨する書籍もあるようですが、あまりにも短い時間単位でのスケジュール管理はブレが大きくなりやすく、スケジュール通りに進捗しないケースが多発するので、自ずとスケジュール管理へのモチベーションも下がりやすくなってしまうのです。
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チェックポイントを設定してのマイルストーン管理とは?
自分のタスクレベルでの生産性をベースにして必要な工数を見積もり、案件に対するスケジューリングを実施したとしても、予定に対する実際の進捗度合いは分かりません。そこで、チェックポイントを設定してのコンサルプロジェクトのマイルストーン管理が必須となります。これがないと、プロジェクトの納期に向けての進捗度合いが客観的に掴めなくなり、今の作業ペースで果たして間に合うのか、客観的な判断ができなくなるのです。
チェックポイントを設けてのマイルストーン管理とは、最終的な案件の到達点(ゴール)に達するまでの途中に幾つかのチェックポイントを設けて、各々のチェックポイントで達成されているべき事柄(達成要件)を明らかにした上で、実際の状況と照らし合わせて比較し、進捗度合いを客観的に測るものです。このマイルストーンは、毎週金曜日17時などと日時で機械的に指定する方法のほか、週次の定例会議などの社内イベントを指定する方法もあります。
このマイルストーン管理は、自分の目のみでのチェックだとどうしても甘いものになり、希望的観測が入ってしまうケースがあります。慣れないうちは、自分のスケジュール管理とはいえ、敢えて他人の目を入れることをお勧めします。例えば、他のプロジェクトメンバーや部下などに進捗をジャッジしてもらうのです。相当にプレッシャーがかかりますが、自身に対してもごまかしが利かなくなるので、客観的な進捗判断としては最適の方法です。
コンサルタントにとっては、その時の自分のスキルを超えるパフォーマンスの発揮を求められるプロジェクトにアサインされることも決して珍しくありません。これは若手コンサルタントであれプロジェクトマネージャ(PM)クラスでも同じです。苦しいながらも自分自身を一段階成長させる絶好のチャンスにもなるこのような機会に、自分の生産性の把握とマイルストーン管理ができずにスケジュール管理が破綻し、コンサルタントとしてのパフォーマンスもガタ落ちになる、という事態に陥ることは避けたいものです。こういったチャレンジングな業務は、自分の過去の生産性の実績がアテにならないケースも多いので、自分には現状でどの程度の余裕値があるのか、常に把握しておくことが不可欠です。
効率的なスケジュール管理のためのコンサルタントの3つの工夫
最後に、効率的なスケジュール管理を行うため、コンサルタントが実行しているちょっとした工夫を3点ご紹介します。
1.アポイントメントの予定は極力まとめて設定する
社外とのアポイントメントは極力固めてスケジューリングすることが、スケジュール管理を容易にするコツです。空いている日時であればいつでもアポイントメントOKとすると、虫食い状態のスケジューリングになってしまい、その都度、準備や移動の工数がかかり、合間の無駄な時間はもったいないものです。例えば、アポイントメントは火曜日と木曜日の午後に集中させるなど、スケジューリングのための自身のルールを予め作ってしまうことがお勧めです。
2.完璧主義をやめる
完璧主義を廃することも、効率的なスケジュール管理を行うために必要不可欠です。完璧主義ではなく、80点主義に徹することを心掛けるのです。完璧に業務を行うというスタンスは、時として、自分が納得するまで業務を行うというスタンスと同じものになりかねません。これは、自身の生産性の把握や、チェックポイントを設けてのマイルストーン管理を無意味なものにしてしまう恐れを多分に秘めた業務の仕方だと言えます。制限時間内でいかに完成度を高められるかという発想が、スケジュール管理では大切なのです。
3.仕事にはすぐに着手する
すぐに仕事に着手する癖を付けることも、効果的なスケジュール管理には欠かせません。仕事の着手までに時間がかかると、自身の生産性の把握が無意味になってしまいます。自分をスロースターターだと思われる方には、5~10分程度の短時間で終わるタスクから着手することをお勧めします。ルーチン的なタスクからサクサクと処理して、自身を仕事モードへスムーズに切り替えてしまうのです。スロースターターの方は、物事をいろいろと考え過ぎて、アクションにブレーキが掛かっているのが常態化しているケースが多いのではないかと思います。そのような方には、考える前に身体や手を動かす癖を付けるのが有効です。
いかがでしたか?
スケジュール管理で押さえるべきポイントはたった2つ、自身(プロジェクト)の生産性の把握と、チェックポイントを設定してのマイルストーン管理、これだけです。この2つは、いわば車の両輪に相当し、どちらが欠けても効果的にスケジュール管理を行うことはできません。コンサル業界に限らず、スケジュール管理上手な人は意識的であれ無意識的であれ、必ずこの2つのポイントを押さえているものですし、スケジュール管理を効果的に行える人は、押し並べて安定したパフォーマンスを発揮できているものです。
あなたも今日から、この2つを意識した効果的なスケジュール管理にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)