独立・起業の最初の壁とは?法人銀行口座の開設の落とし穴

作成日:2016/06/17

 

最初の壁は法人口座?

 

独立・起業をして法人登記が完了した後、まず初めにすることは何でしょうか?そうです、「法人銀行口座」の開設ですね。クライアントとの取引を始める前に、まずは銀行口座の開設が必要です。しかしこの「法人銀行口座」の開設は、夢と希望に満ち溢れてワクワクしている起業直後のあなたの前に最初に立ちはだかる壁とも言えます。

「”法人”とはいえ銀行口座なんだから簡単に作れるんじゃないの?」

そう思われる方は多いかもしれませんが、決してそんなことはないのが実情です。法人銀行口座の開設には当然のことながら審査があるのですが、最近では「オレオレ詐欺」などの犯罪に法人銀行口座が使われているという事情もあってこの開設審査がかなり厳しくなりつつあり、通らない法人も多いのです。また、「手続きの煩雑さ・面倒くささ」や「口座開設にかかる時間の長さ」などを感じるケースが多く、せっかくの起業初期のワクワク感を帳消しにしてしまうほどのパワーを秘めています。

今回はそんな独立・起業の最初の壁である「法人銀行口座開設」において、失敗しないためのポイントをお話ししたいと思います。

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”携帯電話番号”では登録できない

 

法人銀行口座を開設する際には、法人としての”電話番号”の記入欄がどの銀行の申請書にも存在します。
しかし、コンサルタントとして独立・起業を志している方の多くはオフィスを構える必要がない場合がほとんどであり、また、起業直後は従業員を雇わずに自分ひとりで活動することが多いため、そもそも固定電話が必要になる場面がありません。そのため、”自分の携帯電話番号”が、”会社としての代表電話番号”になるケースが多いのではないかと思います。

しかし、そんな状態のまま「いざ、法人口座開設!」と臨もうとすると、さっそく立ちはだかるのがこの電話番号の問題です。つまり、法人口座は携帯電話番号では開設できないのです。
さぁ、困った。法人銀行口座を開設したいものの、携帯電話では登録できない。かといって、不必要な固定電話を引くためにNTT回線の権利を取得し、固定電話を購入し・・・というのも、起業直後の忙しさを考えると決して気の進むことではありません。

 

困った時の”050” IP電話を活用しよう

そんな時に使えるのが”050”から始まる「IP電話」です。口座開設する銀行にもよりますが、IP電話の番号であれば法人電話番号として認められ、書類の申請が可能になる場合があります。着電専用として使えば月々の支払いもかなり安価に抑えられるので、固定電話を新たに契約する場合と比べてコストの面でもグッとお得になるのです。

ここでは、そんな便利なIP電話アプリを2つご紹介させていただきます。

<050plus>

まず一つ目は何といっても信頼と実績の”NTT”が提供するIP電話「050plus」です。月額利用料300円(税抜)から利用でき、なんと携帯電話では通常オプション料金である留守番電話機能も無料で使うことができます。IP電話が初めての方でも安心して利用できる、安定感のあるアプリです。

<SMARTalk>

続いては、旧フュージョン・コミュニケーションズ、現在は楽天コミュニケーションズが提供する「初期費用・月額料金・留守番電話・非通知・指定番号の着信拒否、全て0円」のフリーIP電話「SMARTalk」。初期費用も月額料金も無料なので、着電専門の番号として使う場合はコストが一切かからないというすぐれもの。もちろんIP電話同士の通話も無料なので、将来社員が増えてきた場合には社員間でのやり取りも無料でできるという素晴らしいサービスです。

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いよいよ審査 会社の実態調査電話とは・・・

電話番号の問題を解決し、必要書類を銀行に提出すると、いよいよ審査へと移ります。審査の基準は銀行によって様々ですが、記載した法人電話番号に電話がかかってきて、電話番号の実態確認や事業内容のヒアリング等が行われる場合があります。特にコンサルタントとして独立・起業する場合は、「商品」となる実際の「モノ」が存在するわけではないので、銀行側も審査に際して慎重になる場合が多いようです。

銀行:株式会社〇〇の〇〇様でよろしかったでしょうか?
代表:はい、私でございます。
銀行:この度は弊行に法人口座開設の申請をいただきましてありがとうございます。何点かお伺いしたいのですが、お時間よろしいでしょうか?
代表:はい、大丈夫です。
銀行:登記上の事業内容に経営コンサルティングサービスとありますが、具体的にはどのような事業でしょうか?
代表:(コンサルタントとしての活動内容の説明)
銀行:左様でございますか。では、今までの活動の中でクライアント様とお取り引きしたことを証明する入金・出金の明細等をご用意いただくことは可能でしょうか?
代表:いや、法人としてはこれから活動するので、まだ明細はないです。というか、その取引をしたいからそちらに口座を開設しようとしているのですが・・・。
銀行:大変申し訳ございません。事業の内容を拝見いたしますと、実際のお取り引きが行われているという証明がない限り、弊行への口座の開設は難しい状況でございます。
代表:いやいや、だから、その取引をするために口座を作りたいんだから、口座がない中で取引できないでしょ??
銀行:大変申し訳ございません・・・。

無限ループです・・・。ちなみに、これは実際にあった話です・・・。
コンサルタントのように商品が存在するわけでもなく店舗やオフィスを構えているわけでもない事業の場合、口座開設に際しての銀行からの風当たりは相当に強い・・・ということは、事前に理解しておくことをお勧めします。

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ここまで、独立・起業したコンサルタントにとって、この「法人銀行口座開設」がいかにやっかいな壁であるかをお話しさせていただきました。
意気揚々と起業し、今後の事業展開にワクワクしているその出だしの時期に、「口座開設」という実務外のところでこんなふうに大きく足を引っ張られると、せっかく高まっているモチベーションも一気に落ちてしまい、コンサルタントとしての本業にも影響が出かねません。
今回ご紹介した内容も含め、法人銀行口座を開設する際にはしっかりと事前準備をして臨んでくださいね。

それではまた次回。

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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