祭と「変化」

作成日:2017年5月23日(火)
更新日:2017年7月12日(水)

“変化”をどう受け入れるか、これからも伝統を守っていくためにこそ取り入れるべき新しいことは何なのか。

先日、東京の神田祭に参加させていただき、神輿を担いできました。神田祭は、神田明神の周りにある自治体が町内会それぞれで神輿を保持しており、それを金曜の夜から担ぎ始めて、日曜に100近くの神輿が神田明神の境内に入り、宮入します。
 

近年、担ぎ手が足りないことが問題になっていまして、近くに大学があるマンションでは、『担ぎ手になってくれる』のを条件に、大学生が入居する際の賃料を割引するというような試みも行なっているそうです。また、高層マンションなどが建つと居住者が増えるので、そこをうまく取り入れるような工夫をするなど、アイディアを出し合い担ぎ手確保の努力をされているとのことでした。

祭と「変化」

数百年も続く神田祭。下町に古くから住んでいる方々が中心となってきた祭りですが、時代の変化とともに、祭りの在り方も変わってきているということなのでしょう。意外だったのは、“祭り”とはそれなりに重要な観光資産だと思いますが、外国人観光客が少なかったことです。この神田祭は、「どこで見るべきか」というのが難しいところだと思うのですが、そのあたりをうまくナビゲートすればもう少し観光面でも盛り上がるのではと感じました。祭と「変化」

 

しかしながら、地元の祭り参加者の方々が、そもそもこの祭りを観光資源として活用することを望むのかというのも、別の視点から見た重要なポイントです。昔から神田近辺に住んでいる人たちにとって、「神田祭は“自分たち”の祭りであり、よそ者が見に来るものではない」という誇りにも似た思いを抱いている方もいるのではないでしょうか。
ある種閉鎖的にすることで、守れる伝統があることも確かなことです。その伝統を重んじるからこそ、人を引き付けてやまない祭りを継承していけるのでしょう。とはいえ、一番大切にしたい思いを紡いでいくためにも、残すものは残しながらも、時代の変化に合わせて変えるべきところは変える。“残す”ことと“変える”ことのバランスが重要なのではないかとも思います。

他に、祭りで印象に残っているのは2007年に行った青森のねぶた祭りです。毎年8月の第1週に青森駅の周辺で行なわれます。こちらは観光化が進んでいて、JALが祭り見学者向けにパッケージツアーを組んでいたり、そのツアーに参加すると沿道の観客席から大迫力で見学することができるなど、初心者でも祭りを堪能できる環境が整っています。

祭と「変化」

ねぶた祭りは、地元の伝統的な祭りであると同時に地域おこしとしても活用されていて、昔からあるものをうまく変化させている好例ですね。
なぜこんなにねぶた祭りについて語るのかというと、実はこのお祭りを見て「起業しよう」と決意したので、とても印象に残っているのです。ねぶた祭りに参加している人たちが相当な熱意を持ってこの日を迎え、祭りに挑んでいるのは皆さんももちろんご存知かと思います。1年をこの日のために生きていると言っても過言ではないでしょう。

祭と「変化」

前回のブログ(2017年05月16日 アウシュビッツ収容所へ。現場に行かないとわからないことがある。)にも繋がるかもしれませんが、やはり“実際に現場で見て、肌で感じる”ことは圧倒的な強さを持っていますね。ねぶた祭りを見た時、「この人たちはこのワンチャンスにかけ、懸命に突っ走っている。私も、一回きりの人生なのにやらないで後悔したくない」と、温泉に浸かりながら起業を心に決めたのでした。
私にとって“祭り”は、ビジネスや自分との対話などさまざまなことに考えを巡らせるきっかけをくれます。そんなこともあり、これからも各地の祭りを見に行きたいと思っています。

祭と「変化」

時間が経過するとともに、“残すもの”と“変えていくべきもの”があります。それはビジネスでも同じことが言えます。みらいワークスも、弊社に登録してくださっているフリーコンサルタントの皆さんの変化に合わせて、より良い方向へ変わっていかなければなりません。それが、ご登録者の皆さま、そして私たちにとっても一歩二歩みらいへ進む道ではないでしょうか。
これまで蓄積されてきたやり方に固執して、変化がおろそかになってはいけません。みらいワークス社員の仲間にも、周りに見えることや起きていることを自分に照らし合わせ、学ぶチャンスにしてくれたらとても嬉しいです。
“自ら変化を起こす”、そんなみらいワークスでありたいと思います。