フリーランスは老後が不安?年金・資産形成の対策を徹底解説

作成日:2026/09/04

フリーランスは国民年金のみの加入となるため、会社員と比べて老後の年金受給額が大きく下がります。「自分の老後は大丈夫なのか」と不安を感じている方も多いでしょう。

 

この記事では、フリーランスが直面する老後問題の実態と会社員との差を整理したうえで、iDeCoや国民年金基金など、今すぐ始められる具体的な資産形成の方法をわかりやすく解説します。

 

目次

■フリーランスは老後が不安といわれる理由
(1)厚生年金に加入できず年金額が少ない
(2)退職金・企業型DCがない
(3)収入が不安定で計画的に貯めにくい

 

■フリーランスの老後に必要な資金はいくら?

 

■フリーランスが活用できる年金制度
(1)付加年金
(2)国民年金基金
(3)iDeCo(個人型確定拠出年金)

 

■フリーランスが実践すべき資産形成の方法
(1)新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)
(2)生命保険・個人年金保険
(3)収入保障・就業不能保険

 

■フリーランスの老後に関するよくある質問
(1)フリーランスの老後は悲惨ですか?
(2)現在フリーランスとして働いていますが、老後が不安です。

 

■まとめ

フリーランスは老後が不安といわれる理由

白い背景にある黄色い警告(エクスクラメーション)マークを指差す手

フリーランスが老後に不安を感じやすい背景には、会社員と比べて社会保障の手厚さが大きく異なることがあります。

 

年金・退職金・福利厚生など複数の面での格差が、老後リスクを高める要因となっています。

 

厚生年金に加入できず年金額が少ない

フリーランスは会社員と異なり、厚生年金に加入できません。加入できるのは国民年金のみとなるため、将来受け取れる年金額は会社員と比べて大幅に少なくなります。

 

2024年度の国民年金と厚生年金の平均受給額を比べてみましょう。

 

  • ・国民年金:約5万9,431円
  • ・厚生年金:約 15万1,142円

 

その差は月額約8万円、年間に換算すると72万〜96万円の差となり、老後の生活に大きな影響を与えます。

 

さらに、フリーランスとして経営が苦しい時期に、保険料を免除・猶予してもらうと、その分受給額が減少してしまう点にも注意が必要です。

 

参考:令和6年 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省

退職金・企業型DCがない

会社員には勤続年数に応じた退職金や、企業が掛け金を拠出する企業型確定拠出年金(企業型DC)が用意されています。大企業の退職金は平均2,000万円前後に上るケースもあり、老後資金の大きな柱となっています。

 

しかし、フリーランスには老後資金のための制度が一切なく、まるごと自分で準備しなければなりません。

 

仮に退職金相当として2,000万円を40年間で積み立てるとすれば、毎月約4万2,000円の積み立てが必要になる計算です。フリーランスと会社員の「見えない格差」を早めに認識し、対策を講じることが重要です。

 

収入が不安定で計画的に貯めにくい

フリーランスの老後資金形成を難しくする大きな要因のひとつが、収入の不安定さです。

 

会社員であれば毎月ほぼ一定の給与が入るため、「毎月〇万円を積み立てる」という計画が立てやすい環境にあります。

 

一方フリーランスは、繁忙期と閑散期で収入が大きく変動するため、閑散期に貯蓄を取り崩してしまうケースも珍しくありません。

 

結果として、老後に向けた資産が一向に積み上がらないという構造的な問題に陥りやすいのです。

 

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フリーランスの老後に必要な資金はいくら?

高く積まれたコインと赤いクエスチョンマーク

総務省の家計調査によると、65歳以上の単身世帯の月々の生活費は約15万円、夫婦世帯では約25万円程度とされています。仮に老後を30年間と想定すると、単身で約5,400万円、夫婦で約9,000万円が必要な計算になります。

 

単身世帯と夫婦世帯それぞれにかかる月の生活費と、国民年金の平均受給額(月)との差額から、老後30年に必要な金額との差額見てみましょう。

 

  • ・単身:(15万円-5万9,431円)×12か月×30年=3,260万4,840円
  • ・夫婦:(25万円÷2人-5万9,431円)×12か月×30年=2,360万4,840円

※夫婦の場合、1人あたりの生活費を12万5,000円として計算しています。

 

会社員が受け取れる厚生年金(30年間でおよそ5,441万1,120円)と比べると、その差は歴然としており、フリーランスは自助努力による資産形成が不可欠といえます。

 

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『フリーランス・個人事業主の年金はいくらもらえる?対策は?』

フリーランスが活用できる年金制度

電卓、札束、ノート、ルーペが並んだデスク

フリーランスは会社員と異なり、自分で年金を上乗せする仕組みを選ぶ必要があります。国民年金を土台に、いくつかの制度を組み合わせることで老後の備えを厚くできます。

 

付加年金

付加年金とは、国民年金の保険料に月額400円を上乗せして納めることで、将来受け取る年金額を増やせる制度です。

 

受給時には「200円×納付月数」が毎年の年金額に加算されるため、2年以上受給すれば元が取れる計算になります。手続きも市区町村の窓口やマイナポータルから手軽に行えるため、老後対策の第一歩として取り組みやすい点が魅力です。

 

ただし、付加年金を利用する場合、iDeCoの上限拠出額が6万8,000円から6万7,000円に引き下げられることに注意しましょう。

国民年金基金

国民年金基金は、付加年金の代わりに選べる上乗せ年金制度です。

 

掛金は加入時の年齢や選択するプランによって異なりますが、月額最大68,000円まで拠出可能で、全額が社会保険料控除の対象となるため節税効果も期待できます。

 

ただし、付加年金との併用はできないため、どちらを選ぶかは掛金の余裕や求める受給額を考慮して判断しましょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、自分で掛金を積み立てて運用する私的年金制度です。

 

フリーランス(国民年金第1号被保険者)は月額最大6万8,000円まで拠出でき、会社員の上限(最大2万3,000円程度)と比べて大きな節税メリットを享受できます。

 

掛金の全額が所得控除の対象となるため、所得が高いほど税負担の軽減効果は顕著です。

 

運用は定期預金・投資信託などから自分で商品を選択し、60歳以降に「一時金」または「年金」として受け取ります。

 

一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除が適用されるため、受取方法によっても節税につながります。老後資金の柱として、早期に運用を始めるほど複利効果を長く得られる点も大きな魅力です。

 

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『フリーランスの節税対策おすすめ10選!経費の裏ワザから法人化まで』

 

フリーランスが実践すべき資産形成の方法

円マーク(¥)が描かれた木のオブジェと手

年金だけでは老後資金を賄いきれないフリーランスにとって、自助努力による資産形成は欠かせません。

 

活用できる制度や投資手段を一つひとつ確認していきましょう。

 

新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)

新NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度で、フリーランスの老後資産形成に特に有効な手段です。

 

年間合計360万円まで投資でき、「つみたて投資枠」では長期・分散投資に適した投資信託を毎月コツコツ積み立てられます。「成長投資枠」では、個別株や幅広い投資信託への投資も可能です。

 

フリーランスが活用する際のメリットは、収入が不安定でも無理のない金額から始められる点です。つみたて投資枠で月々数千円から自動積立を設定しておけば、手間をかけずに資産を育てられます。

 

生命保険・個人年金保険

個人年金保険は、毎月一定の保険料を積み立て、契約時に定めた年齢から年金として受け取れる保険商品です。

 

万一の際の死亡保障と老後の資金準備を同時に備えられる点が特徴で、フリーランスのように退職金や厚生年金がない人の老後対策として活用されています。

 

受取方法は「確定年金」「終身年金」などの種類があり、ライフプランに合わせて選択できます。

 

また、支払った保険料は「個人年金保険料控除」として所得控除の対象となるため、節税効果も期待できます。

 

ただし、インフレへの対応力が低い点や、途中解約による元本割れのリスクもあるため、iDeCoやNISAと組み合わせながら補完的に活用するのが現実的です。

 

収入保障・就業不能保険

フリーランスは病気やケガで働けなくなった場合、会社員のような傷病手当金がなく、収入がそのまま途絶えてしまいます。そこで検討したいのが、収入保障保険や就業不能保険です。

 

就業不能状態が続く間、毎月一定額の給付金を受け取れるため、生活費や固定費をカバーできます。保険料は年齢や保障内容によって異なりますが、若いうちに加入するほど割安になる傾向があります。

 

老後の資産形成を続けるためにも、まず「働けなくなるリスク」への備えを最優先で整えておくことが重要です。

 

フリーランスの老後に関するよくある質問

電卓を片手に持ち、人差し指を立てているスーツ姿の人物

最後に、フリーランスの老後に関して寄せられる質問をまとめ、回答します。

フリーランスの老後は悲惨ですか?

一概に悲惨であるとは言い切れません。老後に足りない資金を計算し、堅実に貯金・資産運用をすれば、一般的な会社員と変わらない生活費で生活できます。

 

ただし、フリーランス時代に浪費を続けて貯蓄を怠ると、少ない国民年金でカツカツの生活を送ることになる可能性があります。

 

iDeCoや新NISA、付加年金などを利用して、効率的に老後資金を用意しておきましょう。

 

現在フリーランスとして働いていますが、老後が不安です。

不安になる主な原因は、自分に必要な老後資金を計算できておらず、いくら貯金すればいいのかがわからないことです。

 

以下の順番で、目標貯金額を計算してみましょう。

 

  • (A)自分の1ヶ月の生活費を計算する
  • (B)平均年金受給額(5万9,431円)との差額を計算する
  • (C)老後30年生きると仮定して、30年でいくら足りないのかを計算する

 

計算式にすると、「(A-B)×12か月×30年」が必要な老後資金です。

 

そこから、60歳になるまでに毎月いくら貯金すべきなのかを考えると、目標がはっきりして不安を減らせます。必要に応じて、付加年金や個人年金保険、iDeCoなども活用しましょう。

まとめ

フリーランスは会社員のように厚生年金がないため、国民年金だけでは老後資金が足りないと言われています。そのため、老後の人生を充実させるためには、必要な資金を計算して計画的に貯蓄をすることが欠かせません。

 

付加年金や個人年金保険、国民年金基金などさまざまな制度があるため、自分の性格や収入に合うものを見つけ、効率的に貯蓄を進めましょう。

 

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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

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