フリーランスは源泉徴収票がない?確定申告のやり方・代替書類を徹底解説
作成日:2026/08/31
フリーランスとして初めて確定申告をする際、「会社員のときにもらっていた源泉徴収票がない」と戸惑う人もいるでしょう。
業務委託で受け取る報酬については、給与所得者向けの源泉徴収票は原則として発行されないため、手元になくても確定申告は可能です。
この記事では、フリーランスに確定申告が必要となる基準や源泉徴収票がない理由、収入・源泉徴収税額の確認方法、e-Taxでの申告手順まで解説します。
目次
■フリーランスで確定申告が必要な基準は?
(1)事業所得がある場合
(2)副業バイトなどの給与所得がある場合
(3)株式投資や不動産所得がある場合
(4)公的年金を受給している場合
(5)すでに源泉徴収されている報酬がある場合
■確定申告でフリーランスは源泉徴収票がない?
(1)源泉徴収票は給与所得者向けのもの
(2)フリーランスは原則として年末調整を受けない
(3)フリーランスでも源泉徴収される場合がある
(4)取引先が個人でも源泉徴収される場合がある
■源泉徴収票がない時の代替書類と対処法
(1)確認書類1:取引先の支払調書
(2)確認書類2:請求書や帳簿、入金履歴
(3)副業バイトなどの源泉徴収票がない・紛失した時
■次回の申告を楽に!源泉徴収の事前対策
(1)契約時に源泉徴収の有無を確認する
(2)請求書に源泉徴収税額を明記しておく
■確定申告で準備すべき必要書類
(1)確定申告書
(2)マイナンバーカードなどの本人確認書類
(3)還付先の口座情報
(4)収入と経費がわかる書類・帳簿
(5)社会保険料などの各種控除証明書
■源泉徴収票がないフリーランスの申告手順
(1)手順1:売上と経費を集計する
(2)手順2:所得控除と税額控除を確認する
(3)手順3:源泉徴収税額を集計する
(4)手順4:確定申告書を作成する
(5)手順5:確定申告書を提出する
(6)手順6:所得税を納付する・還付金を受け取る
■確定申告に遅れた・間違えた場合の対処法
(1)提出期限を過ぎてしまった場合
(2)申告内容の誤りに気づいた場合
■確定申告と源泉徴収に関するよくある質問
(1)源泉徴収票なしでe-Tax申告できる?
(2)支払調書がない場合はどうする?
(3)自分が外注費を払う時も源泉徴収が必要?
■まとめ
フリーランスで確定申告が必要な基準は?

まずは、フリーランスに確定申告が必要となる基準を確認しておきましょう。
確定申告が必要かどうかは、単純な売上額だけでは判断できません。事業所得をはじめとする各種所得や所得控除などをもとに、納めるべき所得税が生じるかを確認する必要があります。
事業所得がある場合
フリーランスの確定申告が必要かどうかは、事業所得や他の所得から、基礎控除をはじめとする所得控除を差し引き、納めるべき所得税が生じるかどうかで判断します。
例えば令和6年分以前の基礎控除は48万円(合計所得2,400万円以下)だったため、「事業所得が48万円を超えると確定申告が必要」といわれていました。
一方、令和7年分・令和8年分は基礎控除が見直され、合計所得金額132万円以下なら95万円、132万円超336万円以下なら88万円など、所得金額に応じて控除額が異なります。
なお、事業所得は売上額ではなく、原則として「総収入金額-必要経費」で計算します。
副業バイトなどの給与所得がある場合
フリーランスとして働きながらアルバイトなどで給与を受け取っている場合は、事業所得だけでなく給与所得も踏まえて確定申告の要否を判断します。
確定申告をする場合は、原則として給与所得も含めて申告しなければなりません。
一方、会社員を本業としてフリーランスの仕事を副業で行っている場合、次のケースだと原則として所得税の確定申告は不要です。
- ・給与・退職所得以外の所得が年間20万円以下
- ・給与収入が2,000万円以下、年末調整を受けているなど一定の条件を満たしている
この20万円は売上ではなく、収入から必要経費を差し引いた「所得」で判断します。フリーランスを本業とする人に一律で適用される基準ではない点に注意しましょう。
株式投資や不動産所得がある場合
フリーランスとしての所得以外に、株式投資による譲渡益や不動産所得がある場合も、確定申告が必要になることがあります。
株式などの譲渡益は原則として確定申告の対象ですが、NISA口座で取得した対象商品の譲渡益は非課税です。
また、源泉徴収ありの特定口座内で生じた上場株式などの譲渡所得は、原則として確定申告をしないことも選択できます。
賃貸物件などから得る不動産所得は、家賃などの総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。不動産所得が赤字になった場合は、一定の損失を除き、事業所得など他の所得と損益通算できることがあります。
公的年金を受給している場合
公的年金を受給しながらフリーランスとして働いている場合は、年金の収入金額とフリーランスなどによる所得を踏まえて、確定申告の要否を確認します。原則として、次の条件を満たすと所得税の確定申告は不要です。
- ・公的年金などの収入金額が400万円以下
- ・公的年金などにかかわる雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合
- ・公的年金などの全部が源泉徴収の対象となっているなど一定の条件を満たしている
一方、フリーランスの事業所得など、公的年金などにかかわる雑所得以外の所得金額が合計20万円を超える場合は、この申告不要制度の対象外となります。
また、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要となる場合があります。
すでに源泉徴収されている報酬がある場合
フリーランスの報酬から所得税が源泉徴収されていても、それだけで確定申告が必要になるわけではありません。確定申告の要否は、年間の所得や所得控除などをもとに計算した所得税額などから判断します。
一方、フリーランスの報酬は必要経費や所得控除を反映する前に源泉徴収されるため、本来納めるべき所得税より多く差し引かれていることがあります。
この場合は、確定申告をすることで納め過ぎた税金の還付を受けられます。
例えば原稿料では、源泉徴収の対象となる1回の支払金額が100万円以下の場合、原則として10.21%の所得税および復興特別所得税が源泉徴収されます。
☆あわせて読みたい
『フリーランスの確定申告はいくらから必要?会社員や副業の基準も解説』
フリーランスで確定申告が不要になるケース

フリーランスでも、所得から基礎控除などの所得控除を差し引き、税額を計算した結果、納めるべき所得税が生じなければ、確定申告が不要となる場合があります。
ただし、青色申告で純損失を翌年以降に繰り越すには、確定申告が必要です。また、源泉徴収された所得税などを納め過ぎており、還付を受けたい場合は還付申告を行います。
なお、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。申告の要否は、お住まいの自治体でも確認しておきましょう。
確定申告でフリーランスは源泉徴収票がない?

業務委託で働くフリーランスには、給与所得者向けの源泉徴収票は原則として発行されません。ただし、報酬の内容によっては所得税が源泉徴収されることがあります。
ここでは、フリーランスに源泉徴収票が発行されない理由と、報酬から源泉徴収されるケースについて解説します。
源泉徴収票は給与所得者向けのもの
給与所得の源泉徴収票は、会社員やアルバイトなど給与を受け取った人に対して、給与の支払者が交付する書類です。
年間の給与の支払金額や源泉徴収税額などが記載され、年末調整を受けた場合は所得控除の額なども確認できます。
一方、業務委託契約に基づくフリーランスの報酬は、給与とは扱いが異なるため、給与所得の源泉徴収票は原則として発行されません。
ただし、フリーランスとして働きながら会社員やアルバイトとして給与も受け取っている場合は、その給与の支払者から源泉徴収票が交付されます。
フリーランスは原則として年末調整を受けない
業務委託で働くフリーランスは取引先の従業員ではないため、報酬について年末調整を受けません。年末調整は、給与の支払者が、給与から源泉徴収した所得税などと年間で納めるべき税額との差額を精算する手続きです。
フリーランスは、年間の収入と必要経費を集計し、所得控除やすでに源泉徴収された税額などを反映して自分で確定申告を行います。
そのため、帳簿を付けるとともに、請求書や入金履歴などを日頃から整理しておくことが重要です。
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フリーランスでも源泉徴収される場合がある
フリーランスでも、報酬の内容によっては所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます。
対象となる代表例は、次の通りです。
- ・原稿料
- ・講演料
- ・デザイン料
- ・弁護士・税理士など特定の資格者への報酬
- ・モデルや芸能人への報酬
例えば、企業が個人のライターに源泉徴収の対象となる原稿料を支払う場合は、原則として支払時に所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます。
ただし、源泉徴収されても給与所得になるわけではなく、給与所得の源泉徴収票が交付されるわけでもありません。
確定申告では、源泉徴収前の収入金額と源泉徴収された税額をそれぞれ集計して申告します。
取引先が個人でも源泉徴収される場合がある
取引先が個人だからといって、必ず源泉徴収されないわけではありません。
個人でも、従業員などに給与を支払っている場合は、原則として源泉徴収義務者となります。そのため、原稿料など源泉徴収の対象となる報酬を支払う際は、所得税と復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。
一方、給与などを支払っていない個人がフリーランスへ報酬を支払う場合は、一部の報酬を除き、原則として源泉徴収する必要はありません。
例えば、従業員を雇っていない個人事業主から原稿料を受け取る場合などが該当します。
このように、源泉徴収の有無は、取引先が法人か個人かだけではなく、報酬の種類や支払者が源泉徴収義務者に該当するかによって判断されます。
源泉徴収票がない時の代替書類と対処法

フリーランスの業務委託報酬については、確定申告のために給与所得の源泉徴収票を用意する必要はありません。年間の収入や源泉徴収税額は、支払調書や帳簿、請求書、入金履歴などから確認できます。
ここでは、源泉徴収票がない場合に確認できる書類や、給与の源泉徴収票を紛失した場合の対処法を解説します。
確認書類1:取引先の支払調書
取引先から「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を受け取っている場合は、年間の報酬額や源泉徴収税額を確認する資料として利用できます。
原稿料や講演料などは、同一人への年間の支払金額が5万円を超える場合、原則として支払者に税務署への支払調書の提出義務があります。
ただし、税務署への提出義務と、フリーランス本人への交付義務は別です。報酬の支払調書は、受取人への交付が法律上義務付けられていないため、取引先から届かないこともあります。
支払調書がなくても確定申告は可能です。手元にない場合は、帳簿や請求書などで報酬額や源泉徴収税額を確認し、必要に応じて取引先へ支払調書を発行できるか確認しましょう。
確認書類2:請求書や帳簿、入金履歴
支払調書がない場合は、請求書や帳簿、契約書、銀行口座の入金履歴などを照合して、年間の収入や源泉徴収税額を確認します。
請求書に報酬額、消費税額、源泉徴収税額、振込予定額などを分けて記載しておくと、後から取引内容を確認しやすくなります。
特に注意したいのは、銀行口座への入金額だけを売上として集計しないことです。源泉徴収されている取引では、実際の振込額は所得税などが差し引かれた後の金額です。
原則として、源泉徴収前の報酬額を収入として計上し、源泉徴収された税額は別に集計して確定申告に反映します。
なお、請求書で報酬額と消費税額を明確に区分している場合は、報酬額のみを源泉徴収の対象として差し支えない取扱いがあります。
副業バイトなどの源泉徴収票がない・紛失した時
会社員やアルバイトとして受け取った給与の源泉徴収票がない場合は、業務委託報酬とは対応が異なります。
給与の支払者には源泉徴収票の交付義務があるため、一度受け取ったものを紛失した場合は、勤務先へ再発行を依頼しましょう。
一方、勤務先から源泉徴収票そのものが交付されない場合は、原則として翌年1月31日(中途退職者は退職後1か月)の交付期限を過ぎた後に、「源泉徴収票不交付の届出書」を税務署へ提出できます。
また、勤務先が源泉徴収票をe-Taxなどで税務署へ提出しているなど一定の条件を満たす場合は、マイナポータル連携を利用して源泉徴収票の情報を取得し、確定申告書へ自動入力することも可能です。
次回の申告を楽に!源泉徴収の事前対策

確定申告の直前に源泉徴収税額を一件ずつ確認する手間を減らすには、日頃から取引ごとに情報を整理しておくことが大切です。
ここでは、契約時や請求時にできる源泉徴収の管理方法を紹介します。
契約時に源泉徴収の有無を確認する
新しいクライアントと契約するときは、報酬が源泉徴収の対象となるか、請求前に確認しておきましょう。
源泉徴収の要否は、フリーランスであるかどうかではなく、報酬の種類や支払者が源泉徴収義務者に該当するかによって決まります。
例えば、原稿料や講演料などは源泉徴収の対象ですが、支払者が個人で給与などを支払っていない場合などは、原則として源泉徴収されません。
契約時に実際の取扱いを確認しておけば、請求額と入金額の差を把握しやすくなり、帳簿処理もスムーズになります。
請求書に源泉徴収税額を明記しておく
源泉徴収される取引では、請求書に源泉徴収税額を記載しておくと、請求額と実際の入金額を照合しやすくなり、年間の源泉徴収税額も把握しやすくなります。
例えば原稿料などでは、1回の支払金額が100万円以下の場合、原則として「支払金額×10.21%」で源泉徴収税額を計算します。
100万円を超える場合は、100万円までの部分に10.21%、100万円を超える部分に20.42%を適用します。
なお、源泉徴収の対象額には原則として消費税なども含まれます。ただし、請求書などで報酬額と消費税額を明確に区分している場合は、報酬額のみを源泉徴収の対象として差し支えありません。
すべての業務委託報酬が源泉徴収の対象となるわけではないため、まず報酬の種類や支払者の状況から源泉徴収の要否を確認しましょう。
確定申告でフリーランスが計上できる経費

フリーランスは、事業の収入を得るために直接必要となった費用の他、販売費や一般管理費など、業務上生じた費用を必要経費として計上できます。
該当する費用は、ソフトウェア代や通信費、取材のための交通費、外注費などです。業務用のパソコンなどは、取得価額によっては購入した年に全額を経費にするのではなく、減価償却によって複数年に分けて計上します。
自宅の家賃や水道光熱費など、私生活と事業の両方に関係する家事関連費は、使用時間や床面積などの合理的な基準で事業用部分を区分し、その部分のみを必要経費として計上できます。
確定申告で準備すべき必要書類

フリーランスの確定申告では、申告内容や提出方法に応じて、確定申告書や決算書、各種証明書などを準備する必要があります。
ここでは、確定申告に必要となる主な書類や、申告前に用意しておきたい資料を解説します。
確定申告書
所得税の確定申告では、年間の収入や所得、所得控除、税額控除、源泉徴収税額などを申告書に記載します。令和4年分から申告書A・Bの区分は廃止され、現在は基本となる申告書様式が一本化されています。
事業所得を申告するフリーランスは、確定申告書に加えて、青色申告の場合に「青色申告決算書」、白色申告の場合に「収支内訳書」を作成しなければなりません。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に沿って決算書や収支内訳書、所得税の確定申告書を作成できます。
マイナンバーカードなどの本人確認書類
確定申告書には、申告者本人のマイナンバーを記載します。書面で提出する場合は、マイナンバーカード、またはマイナンバーを確認できる書類と運転免許証などの身元確認書類を用意します。
一方、e-Taxで申告する場合は電子的に本人確認を行うため、本人確認書類の写しを別途添付する必要はありません。
マイナンバーカードを利用して申告する場合は、カードや電子証明書の有効期限、暗証番号を事前に確認しておくとスムーズです。
還付先の口座情報
所得税の還付を口座振込で受け取る場合は、金融機関名、支店名、預金種別、口座番号など、振込先の口座情報を確認できるものを用意します。
還付金の振込先は、原則として申告者本人名義の口座を指定します。口座名義に店名や事務所名などの屋号が含まれている場合は、還付金を振り込めないため注意が必要です。
なお、公金受取口座を登録している場合は、その口座を所得税の還付先として利用することもできます。
収入と経費がわかる書類・帳簿
確定申告では、帳簿をもとに1年間の収入や必要経費を集計します。あわせて、請求書や領収書、レシート、銀行口座の明細、クレジットカード明細などを整理し、帳簿の内容と照合できるようにしておきましょう。
支払調書がない場合も、帳簿や請求書などから収入や源泉徴収税額を確認できます。
注意したいのは、銀行口座への入金額だけで売上を集計しないことです。源泉徴収された取引では、実際の入金額は税金が差し引かれた後の金額です。
また、年内に収入を受け取る権利が確定していれば、実際の入金が翌年でも、その年の収入として計上する場合があります。
取引ごとに売上の計上時期や請求額、源泉徴収税額、入金額を対応させて管理しておくと、申告時の確認がしやすくなります。
社会保険料などの各種控除証明書
所得控除を受ける場合は、控除の種類に応じた証明書や支払額を確認できる資料を準備します。例えば次のようなものです。
- ・国民年金保険料の社会保険料控除証明書
- ・生命保険料控除証明書
- ・地震保険料控除証明書
- ・寄附金の受領証明書
一方、国民健康保険料など、証明書の添付が必要ないものについても、領収書や口座振替の記録などで年間の支払額を確認しておきましょう。
源泉徴収票がないフリーランスの申告手順

フリーランスの業務委託報酬については、給与所得の源泉徴収票がなくても確定申告を進められます。帳簿や請求書などをもとに収入や必要経費、源泉徴収税額を確認し、申告書へ反映します。
ここでは、源泉徴収票がない場合の確定申告の流れを順番に解説します。
手順1:売上と経費を集計する
まず、1月1日から12月31日までの取引を帳簿に反映し、年間の収入と必要経費を集計します。請求書や銀行口座、クレジットカード明細などと照合し、計上漏れや二重計上がないか確認しましょう。
事業所得の収入は、原則として実際の入金日ではなく、収入を受け取る権利が確定した時点で計上します。そのため、年内に報酬を受け取る権利が確定していれば、入金が翌年でもその年の収入となる場合があります。
必要経費についても、実際の支払日だけでなく、その年中に債務が確定しているかを確認して計上します。
手順2:所得控除と税額控除を確認する
事業所得などの所得金額を計算したら、適用できる所得控除と税額控除を確認します。
所得控除は、所得金額から一定額を差し引いて課税される所得を少なくする制度です。基礎控除や社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除などがあります。
一方、税額控除は、所得税額から一定額を直接差し引く制度で、住宅借入金等特別控除などが代表例です。
適用できる控除は個人の状況によって異なるため、証明書や支払記録などを確認し、要件を満たすものを申告しましょう。
手順3:源泉徴収税額を集計する
報酬から源泉徴収されている場合は、年間の源泉徴収税額を集計します。支払調書があれば記載された金額を確認し、ない場合は請求書や入金履歴などを取引ごとに照合しましょう。
確定申告では、実際に振り込まれた手取り額ではなく、原則として源泉徴収前の報酬額を収入として計上します。その上で、源泉徴収された所得税などを別途入力し、税額計算に反映します。
手順4:確定申告書を作成する
集計した所得や所得控除、税額控除、源泉徴収税額などをもとに確定申告書を作成します。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に沿って必要事項を入力し、税額を計算できます。
事業所得を申告する場合は、青色申告なら青色申告決算書、白色申告なら収支内訳書も作成します。給与所得や不動産所得、株式などによる所得などがある場合は、それぞれ該当する項目も入力しましょう。
報酬から所得税などが源泉徴収されている場合は、事業所得の収入金額とあわせて源泉徴収税額を入力し、税額計算に反映します。
12月稼働・1月入金となる報酬の注意点
12月に仕事をして翌年1月に報酬が振り込まれる場合でも、入金日だけで翌年の売上と判断するわけではありません。事業所得では、原則として収入を受け取る権利が確定した年の収入として計上します。
例えば、12月に納品して報酬を受け取る権利が確定し、支払日が翌年1月となる場合は、原則として12月を含む年の収入になります。
一方、検収完了によって報酬が確定する契約などでは、計上時期が異なることがあります。取引内容や契約条件に沿って判断しましょう。
手順5:確定申告書を提出する
確定申告書が完成したら、原則として翌年2月16日から3月15日までに提出します。3月15日が土日祝日などに当たる場合は期限が変わるため、その年の申告期限を確認しましょう。
提出方法には、e-Tax、郵送、税務署などへの提出があります。
e-Taxを利用すれば、自宅などから申告データを送信できます。マイナンバーカードなどの電子証明書を利用して本人確認を行う場合は、本人確認書類の写しを別途提出する必要はありません。
また、給与所得の源泉徴収票などは、確定申告書への添付・提示が原則として不要です。ただし、申告内容を正しく入力するため、手元の資料で金額を確認しておきましょう。
手順6:所得税を納付する・還付金を受け取る
確定申告の結果、納付する税額がある場合は、期限までに所得税などを納めなければなりません。
納付方法には、振替納税やインターネットバンキングなどによる電子納税、クレジットカード納付、スマホアプリ納付などがあります。
一方、源泉徴収された所得税などが確定申告で計算した税額を上回っている場合は、納め過ぎた分が還付されます。口座振込で受け取る場合は、原則として申告者本人名義の預貯金口座を指定します。
源泉徴収されている報酬がある場合は、申告後に納付となるのか還付となるのかまで確認しましょう。
確定申告に遅れた・間違えた場合の対処法

確定申告の期限を過ぎた場合や、申告後に内容の誤りに気づいた場合でも、適切な手続きを行うことで対応できます。
ここでは、申告期限を過ぎた場合と、提出後に申告内容を訂正する場合の対処法を解説します。
提出期限を過ぎてしまった場合
申告義務があるにもかかわらず期限を過ぎてしまった場合は、気づいた時点でできるだけ早く期限後申告を行いましょう。
期限後でも、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成し、e-Taxや郵送などで提出できます。
納付する所得税がある場合は、本税に加えて延滞税や無申告加算税が課されることがあります。
税務署から調査の事前通知を受ける前に自主的に期限後申告した場合、無申告加算税は原則として納付すべき税額の5%です。
ただし、法定申告期限から1か月以内に自主的に申告するなど、一定の要件をすべて満たす場合は、無申告加算税が課されないこともあります。
申告内容の誤りに気づいた場合
確定申告後に誤りに気づいた場合は、申告期限を過ぎているかどうかや、税額が増えるか減るかによって手続きが異なります。
法定申告期限を過ぎた後に、納める税金が少なすぎた、または還付額が多すぎたことに気づいた場合は「修正申告」を行いましょう。
反対に、税金を多く納めていた、または還付額が少なすぎた場合は「更正の請求」を行います。更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。
なお、申告期限内に誤りに気づいた場合は、内容を訂正した確定申告書を改めて期限内に提出してください。
無申告はNG。発生するペナルティとは

申告義務があるにもかかわらず確定申告をしないまま放置すると、本来納める所得税に加えて、無申告加算税や延滞税が課されることがあります。
令和8年中の延滞税率は、原則として一定の期間は年2.8%、その後は年9.1%です。また、無申告加算税は、税務調査の事前通知前に自主的に申告した場合よりも、税務調査後などのほうが高い割合で課されることがあります。
申告漏れに気づいた場合は、そのまま放置せず、できるだけ早く期限後申告と納付を行いましょう。
確定申告と源泉徴収に関するよくある質問

フリーランスの確定申告では、源泉徴収票や支払調書がない場合の申告方法や、外注時の源泉徴収などについて疑問を持つ人もいるでしょう。
ここでは、確定申告と源泉徴収に関するよくある質問に回答します。
源泉徴収票なしでe-Tax申告できる?
業務委託報酬について給与所得の源泉徴収票がなくても、e-Taxで確定申告できます。フリーランスの業務委託報酬には、そもそも給与所得の源泉徴収票は原則として発行されません。
確定申告では、帳簿などをもとに年間の収入を集計し、報酬から源泉徴収されている場合は、その収入金額と源泉徴収税額を入力します。
なお、会社員やアルバイトとして受け取った給与の源泉徴収票も、確定申告書への添付・提示は原則不要です。
支払調書がない場合はどうする?
支払調書がなくても、帳簿や請求書、銀行口座の入金履歴などから年間の収入や源泉徴収税額を確認できれば、確定申告を進められます。
報酬の支払調書は、取引先から受取人本人への交付が法律上義務付けられていないため、発行されないこともあります。
源泉徴収された取引がある場合は、請求書や帳簿、入金履歴などを取引ごとに照合して税額を確認しましょう。源泉徴収税額がわからない場合は、推測せず取引先に支払額や源泉徴収税額を確認するのが確実です。
今後の申告に備えて、請求書や帳簿に源泉徴収税額を記録しておくと管理しやすくなります。
自分が外注費を払う時も源泉徴収が必要?
フリーランスが別の個人へ外注費を支払う場合も、条件によっては源泉徴収が必要です。
判断する際は、原稿料や一定のデザイン料、税理士報酬など源泉徴収の対象となる報酬かどうかに加え、自分自身が源泉徴収義務者に該当するかを確認します。
例えば、従業員などに給与を支払っている個人事業主が、個人のライターへ源泉徴収の対象となる原稿料を支払う場合は、原則として所得税と復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。
一方、給与などを支払っていない個人は、一定の報酬を除き、原則として報酬・料金などを支払う際の源泉徴収義務はありません。
まとめ

フリーランスの業務委託報酬には、給与所得者向けの源泉徴収票は原則として発行されません。
源泉徴収票や支払調書が手元になくても、帳簿や請求書、入金履歴などから年間の収入や源泉徴収税額を確認できれば、確定申告を進められます。
報酬から所得税などが源泉徴収されている場合は、実際の入金額ではなく、原則として源泉徴収前の報酬額を収入として計上し、源泉徴収税額を別途申告します。
また、確定申告が必要かどうかは、売上額や「所得48万円超」といった基準だけで判断するものではありません。事業所得をはじめとする各種所得や所得控除などを踏まえ、納めるべき所得税が生じるかを確認しましょう。
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