ハイプ・サイクルにみるAIの位置付けとその人事領域活用

作成日:2017/02/27

 

“ハイプ・サイクル”からみるAIの位置付け

“ハイプ・サイクル”からみるAIの位置付け

みなさんは『ハイプ・サイクル』を知っていますか?

『ハイプ・サイクル』とは、ICTアドバイザリ・リサーチの世界最大手企業“ガートナー”が提供する、特定の技術の成熟度、採用度、社会への適用度をグラフィカルに表わした図のことを言います。

そのガートナージャパンが昨年10月5日に「日本におけるテクノロジーのハイプ・サイクル:2016年」を発表しました。興味のある方は是非とも検索してみて下さい。『ハイプ・サイクル』では、それぞれのテクノロジーテーマを「黎明期」「過度な期待のピーク期」「幻滅期」「啓蒙活動期」「生産性の安定期」の5つの時間軸に分類しています。「ビッグデータ」や「クラウド・コンピューティング」といった数年前からビジネス界において大流行し、その言葉を耳にしない日はなかったようなテクノロジーテーマは、今ではピーク期を抜けて「幻滅期」に入ってきています。

また、昨今注目されている「モノのインターネット(IoT)」は、それそのものは「過度な期待のピーク期」にあるものの、その関連技術である「IoTセキュリティ」や「IoTプラットフォーム」は現在「黎明期」にあり、まさにこれからのテクノロジーフィールドであると言えるでしょう。そんな中、今回は2016年:ハイプ・サイクルにおいて「過度な期待のピーク期」の頂点、今がまさに流行と期待のど真ん中にあるといえるテクノロジーテーマが“AI(人工知能)”です。今回は加速度的にそのフィールドを広げつつある“AI(人工知能)”の活用事例、とりわけ人事領域での活用について見ていきます。

 

AIを活用した“組織活性化支援サービス”

AIを活用した“組織活性化支援サービス”

昨年、NHKの某番組で、日立コンサルティングが提供するAIサービス「Hitachi AI Technology/組織活性化支援サービス」が取り上げられていました。

このサービスは、名札型ウェアラブルセンサーから取得される従業員の行動データを計測・演算することで、組織の活性度や幸福感(ハピネス度)を定量化・数値化することができる、というものです。センサーは感知した体の揺れから、その人が話しているのか、デスクワークをしているのか、さらに、端末同士の距離や向きで、社員が誰と、いつ、どれくらいの時間、会話したのかなど、行動を細かく記録します。

そして、その計測結果を日立の人工知能で分析することで、組織活性化に向けた具体的なアクションもAIが自ら提案します。具体的には、上司とのコミュニケーションが希薄になっている社員に対してはAIから「●●さん(上司)との会話を増やしましょう」といったメッセージが届いたり、また、個人の行動特性から分析し、その会話するための時間帯(始業前、午前、午後等)や適切な会話の長さ(5分未満、5~15分等)までを指示してくれるのです。普段はメールばかりでやりとりしていた社員同士が、会話することで仕事がスムーズに進むことに改めて気づくといったように、社員の意識や働き方も変わってきたといいます。結果、組織の活性化、業務効率・生産性の向上に大いに貢献しているようです。

 

AIを活用した“笑顔”判定

AIを活用した“笑顔”判定

東京新宿区のベンチャー企業が開発し、現在既に1,000社を超える企業が採用しているAIシステムの“笑顔判定”。

約2万人分の顔写真で学習したAIが、出退勤時の社員1人1人の表情を分析し、社員のささいな表情の変化を読み取ります。それらのデータと、残業時間や休日出勤の回数などのデータを組み合わせ、社員のストレスや仕事への意欲を総合的に判定するのです。

目尻の下がり具合、口角がどのぐらい上がっているのか、など、今までの記録やその他のサンプルの表情と比較して、人工知能が計算して得点化することで判定する仕組みです。今までなかなか気付けなかった社員の精神的な不安やコンディションにいち早く気付くことで、人材の定着や社員の勤労意欲アップによるサービス向上につなげていくことができる、と導入が進んでいるようです。

 

AIによる採用・評価・配属

人事領域という面においては、「組織活性」のみならず、「採用・評価・配属」といったフィールドにもAIが活用され始めており、2016年6月、某会員制転職サイトがヤフーやセールスフォースからの出資を受けて、AIによる人事管理システムの提供を発表しました。当該サイトが提供する戦略人事クラウドは、人材の採用から育成、登用、評価までを最適化するサービスであり、企業の人事業務における非効率をなくし、意思決定を促進できるようAIがサポートするものです。

純粋な人事管理システムとしての一元管理や最適化、可視化はもとより、AIが可能にすることとして、活躍社員の成果や成果に対する上長コメントなどの言語解析、出退勤データや経歴データのディープラーニング、そこから導かれる自社にとって有益な採用するべき人材像の見える化、といったように、蓄積された大量データをAIが分析し、戦略的な人材活用の意思決定をサポートしてくれるといいます。現段階では、人事領域のうち採用管理が第一弾としてリリースされている段階ですが、今後は勤怠管理や管理とそのフィールドを広げていく将来像となっています。そして、各モジュールが揃い、大量のデータが蓄積されていった暁には、それらのデータを連動・解析させることで、AIが戦略的な人材活用の意思決定を支援に踏み込んでいきます。これらの動きにより、管理業務の中で最も属人的であり、経験と勘に頼りがち、と言われていた人事業務が効率化、精緻化されていき、経営戦略に紐付いた人事が実現することが期待されています。

 

いかがでしたでしょうか?

AIを活用した人事領域における組織活性化や採用・評価・配属は、既に実用化の段階に入り始め、その好事例も現れ始めています。近い将来、人事の意思決定はすべてAIが担う日が来るのかと思うと、少し怖い気もしますが・・・。

皆さんはどう思いますか?

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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