持続的成長を実現する組織エコシステムの構築
長期的な文化継承と、個のプロフェッショナルによるチームシナジーとは
先日、4年に一度のサッカーワールドカップが幕を閉じました。
世界中で大きな盛り上がりを見せ、スペインが16年ぶり2度目の優勝を果たしたのはみなさんもご存じかと思います。
ワールドカップを見て強く感じたことは、日本のサッカーのレベルは、本当に高くなったのだなということです。かつての”決勝トーナメントに進出できれば万々歳”という雰囲気から、そこからさらに上位を目指せるチームへと変化を遂げました。
今から33年前の1993年に日本初のプロサッカーリーグ「Jリーグ」が開幕し、1998年のワールドカップフランス大会に悲願の初出場を果たして以来、世界を舞台にした戦いが本格的に始まりました。現在の日本代表選手の多くは海外のトップリーグで活躍し、Jリーグよりもさらにレベルの高い環境で自らを磨いています。そして彼らの多くは、生まれた時にはすでにJリーグが存在していた“Jリーグネーティブ”とも言える世代です。
幼少期からプロチームのユース(育成組織)で英才教育を受ける機会など、Jリーグ発足前に生まれた世代と比べると、置かれていた環境が大きく異なっています。
こうしたサッカー界のエコシステム(仕組みや環境)は、Jリーグ誕生をきっかけに時間をかけて形作られてきたものです。こういったエコシステムをゼロから構築するには、膨大な時間が必要となります。ワールドカップに初めて出場した世代の選手たちにとって、世界で目立った実績を残すのは簡単ではありませんでした。しかし、彼らが礎(いしずえ)を築いてくれたからこそ、今の日本代表が世界と対等に戦えるレベルに達したのではないでしょうか。
「自分の世代で直接結果が出なかったとしても、次の世代のために果たすべき役割がある」——その絶え間ない積み重ねによって今の姿があるのだなと、大会を見ながら実感いたしました。

この話は、みらいワークスにも通じるものがあります。
2023年に新卒で入社したメンバーは今年4年目となり、いわば「みらイズムネイティブ(自社の文化を最初から吸収している世代)」と呼べる世代とも言えます。こうした世代が着実に層を増し、将来的に代表選手・・・ではなく、責任あるポジションを担うようになってくると、会社の文化の強さはより一層強固なものになっていくはずです。やはり企業の文化を真に定着させ、強く育てていくためには、相応の年月が必要であると感じています。
話を再びサッカーに戻し、ワールドカップのチームづくりに目を向けると、実に多様なスタイルが存在していました。圧倒的なスーパースターがいて個人プレイで勝利を手にするチームもあれば、特定のエースがいなくても見事なチームワークで勝ち進むチームもあります。
これらについて、どちらが正しいかを決めることはできません。サッカーは結果がすべてですので、“勝ったチームこそが強い”“勝ったやり方が正しい”と言えてしまうからです。また、同じ国であっても、時代によってチームワーク重視から個人の才能を生かす戦術へと柔軟にシフトすることもあります。国ごとの固定観念というよりは、その時々のベストな判断で戦っていると言えるでしょう。
この、個人戦かチーム戦かというテーマは、企業組織のあり方にもそっくりそのまま当てはまります。
個人のスキルや独創性に依存して成果を出す「野武士集団」のような組織も存在します。例えば、完全インセンティブ制を採っている保険会社などの営業組織では、周りと協力するよりも個人の成果に特化する、個人商店の集まりのような文化が根付いているようです。
一方で、しっかりとした仕組みを整え、組織全体の総合力で勝負する会社もあります。こうした企業独自の文化を形成し、それに基づいたスタイルを実践していくわけですが、各会社の「企業文化の特徴」を理解することは、他社を知る上でも非常に重要ですし、実に興味深いテーマでもあります。

では、みらいワークスはどのような組織でありたいのか、あるいは何を目指しているのか。
内部にいると当たり前に感じることでも、客観的に見ると独自の強みになっている部分があるはずです。
われわれは、自社のミッション・ビジョンの実現を目指し、社員一人ひとりが自社行動指針である「みらイズム」を存分に発揮・実践できる組織を目指しています。
以前、「みらイズムの中にある『主体性』と『チームワーク』は、一見すると対立する概念のように思えるのですが、両立できるのでしょうか?」という質問を受けたことがあります。
確かに「主体性」とは個人で力を発揮することであり、「チームワーク」とはみんなで成果を出すことですから、矛盾しているように感じられるかもしれません。しかし、これらは反比例するものではなく、「同時に成り立たせなければならないもの」なのです。「個で戦うか、チームで戦うか」という二者択一ではありません。一人ひとりが主体性を発揮して個の力を高め、そのプロフェッショナルたちが結集して初めて強力なチームワークが生まれます。
もしチーム内に主体性を発揮しない人がいれば、そこに穴が生まれてしまい、チームワーク自体が成立しなくなってしまいます。「高い主体性を持つ個人が集まり、力を合わせることで最高のチームワークを発揮する」——これこそが、私たちが目指すべき組織の姿だと考えています。
人間には誰しも、強みと弱みがあります。だからこそ、互いの強みを生かして弱みを補い合い、チーム全体として成果を最大化していくことが大切です。ビジネスの現場において、あらゆる業務を完璧にこなせる完璧な人間など一人もいません。
重要なことは、
1.自分自身の「得意なこと」と「苦手なこと」を正確に認識する
2.苦手な部分について「ここは自分の弱点です」と周囲に素直に開示できる
この2つです。
もちろん、社外のお客さまに対してはプロとして信頼していただくために自信を示す必要がありますが、内部のチーム同士においては、互いの弱みを正しく共有し合える関係性であることが不可欠です。
みなさんも日頃から自己評価を行う機会があると思いますが、ぜひ「自分の得意なこと・苦手なこと」を周囲とオープンに伝え合える関係を築いてみてください。
ビジネスとスポーツには多くの共通点があると感じますし、一見異なる分野の事象を自分の仕事と対比してみることで、新しい気づきや学びが得られることがよくあります。みなさんもご自身の趣味や興味のある分野の仕組みを学び、「この考え方は自分のビジネスにどう生かせるだろうか?」と視点を往復させると新しい発見があるかもしれません。